ミスの防止(ポカよけ)

ミスの防止(ポカよけ)

物流業界は人力に頼っている業務が多く、人為的なミスが発生する確率も高くなりがちです。例えば、ピッキングミスや配送先の間違えなどによる誤出荷などが一例です。このようなミスはクレームにつながり、発生すれば処理にムダなコストと時間がかかります。そこで重要なのがミス(ポカミス)を防止する「ポカよけ」です。こちらでは、ミスの発生要因や改善策について説明します。

ミスの発生要因

ミスの発生原因の多くは「人」にあります。例えば、見た目が似ている製品Aと製品Bを見間違えたり、長い桁数を持つ品番の1桁を見落としたりといったようなヒューマンエラーが代表例です。些細なミスですが度重なれば操業や発送業務に大きな支障が出るばかりか、顧客との信頼関係に悪影響を及ぼし、企業経営に大きな損失を与えるリスクを秘めています。人手に頼らざるを得ない物流の現場では、常にミスに対して細心の注意を払う必要があります。

誤認識による典型的なミスの例

差が小さすぎて見間違える 同じものに見えてしまう
差が小さすぎて見間違える 同じものに見えてしまう
2つの品番は一見同じに見えるが、1桁だけ異なるため見間違えてしまう可能性がある。特に「O (オー)」と「0 (ゼロ)」、「I(アイ)」と「1(イチ)」などは間違えやすい。 外観が似ている製品は、事前に指示がなければ同じものに見えてしまう可能性が高い。特に経験の浅いオペレーターの場合は取り違えることが多い。

そのほかのヒューマンエラー

上述したミスは典型的なものですが、そのほかにも人間特有のポカミスを引き起こす原因があります。

  • ちょっとした記憶違い
  • 多すぎる情報の見落とし、見間違い
  • 目立ちにくいミスの見落とし
  • 発生確率の低いミスの見落とし
  • 前後情報の混同による見間違い、見落とし
  • 経験による思い込みから起こる見間違い、見落とし

ヒューマンエラーが発生する要因を挙げだせばきりがありません。しかし、これらのミスは人間の脳が持つ特性であり、人間が作業を行っている以上ゼロにすることは不可能です。

ミスを起こさないために

ミスを起こさないために

人の脳は進化の過程で、生存に適した情報だけを取捨選択する機能を発達させてきました。この人間が持っている脳の機能が見落としや見誤りなどのポカミスを生み出す原因です。人の脳は細かいことを見落としやすく、どれだけ注意深く検査・検品を行ってもミスが起きてしまいます。この人間の認知機能を理解することがミスを防止する第一歩です。

具体的な人間の苦手な作業とは

物流センターや配送センターの規模にもよりますが、物流の現場では1日に膨大な数の出荷・検品作業を行います。これを人間の目視に頼っていると、どうしてもミスが生じます。なぜなら人の認知機能はこうした細かい作業を機械的に行うのに適していないからです。入庫時に誤った棚に商品を保管してしまったり、ピッキングリストを見誤って誤配送してしまったりといったことが発生するのは、人が苦手なことをムリして行っているからです。そしてムリして作業を行うことは、効率低下にもつながります。

人の脳が苦手とするもの
  • 記憶を持続すること
  • 細かな差異を識別すること
  • 目立ちにくいものを認識すること
  • 膨大な情報量を一度に処理すること
  • 発生確率の低いものを認識すること

ポカミス

人間のミスを減らすには

ヒューマンエラーを減らすには、例えばメモを残す、ピッキングリストの重要な部分を太文字で強調する、取り間違えが発生しないように棚の配置を変える、複数人で何度もチェックする、余分な情報を減らすなど、さまざまな方法が考えられます。しかし、それでも完全にミスを防止することは困難です。

“人間の目”から“機械の目”へ

人間によるミスを防止するには、プログラムに対して忠実に作業を行う機械化が最も有効です。機械は、人間が苦手としている記憶や細かな差異の識別、膨大な情報の中から必要なものだけを認識する、などの作業を正確にできることが特徴です。

例えば、入出庫作業や検品作業にハンディターミナルを導入することで、物流工程で発生するミスの多くが解消します。物流におけるポカよけのカギは、“人間の目”から“機械の目”へのシフトにかかっています。

ハンディターミナルを用いることで、人間が間違えやすい英数字の文字列、また判別ができないバーコードや2次元コードを正確に読み取り、製品や荷物を識別できます。ハンディターミナルは、さまざまな情報を比較照合でき、さらに完全一致型データや部分一致型データ、完全不一致型データなど条件を設定したチェックも可能です。

ハンディターミナルで比較照合できるもの

ハンディターミナルで比較照合できるもの

入庫作業のポカよけ効果

バーコードや2次元コードで商品管理することで棚への誤投入を防ぐことができ、情報をパソコンで管理できるので照合作業の効率化を図れます。目視によるチェックも不要になり、スムーズな商品管理が実現します。

入庫作業のポカよけ効果

RFIDを活用したポカよけ

RFIDを活用したポカよけ

専用タグ(RFタグ/ICタグ)のデータを非接触で読み書きできる、RIFD(Radio Frequency Identification)は、対応範囲内であれば複数の専用タグの一括読み取り・書き込みが可能です。通信距離が長く、障害物があっても読み取ることができます。たとえば、複数の製品が1つの箱に梱包され棚に格納されていても、その箱が置かれた棚にリーダライタをかざすだけで箱の中の複数の電子タグをすべて読み取ることができます。これにより、作業を大幅に効率化できると同時に、これまで箱を開けてコードを1つずつ読み取る際に生じやすかった、読み忘れなどのポカミスを未然に防ぐことができます。

コードリーダを活用したポカよけ

RFIDを活用したポカよけ

倉庫や物流センター内では、コンベアラインで荷物を搬送します。しかし、入出庫時のコード読み取りを手作業で行い、コンベアに載せる場合、コードの読み取り忘れといったポカミスが発生することがあります。そこで、インラインでの自動読み取りを可能とする固定式のコードリーダを導入することで、コードの読み忘れを未然に防ぐことができます。
ただし、コードリーダによっては、印字のかすれ・にじみ、荷姿やサイズの多様化などで読み取りエラーが発生し、人手での取り扱いが必要になる場合があるため、機器の選定には注意が必要です。近年は、1台または少数台で広範囲の自動読み取りに対応し、読み取り性能の高いコードリーダも登場しています。読み取りエラーを回避できるため大幅な効率化が実現すると同時に、自動化によって人によるポカミスも生じません。

正確性・作業効率・お客様からの信頼が向上

機械の目としてハンディターミナルを導入することでポカミスを防止でき、正確性が向上します。また、目視で確認していた工程が不要になるので作業効率がアップし、品質の向上・安定した発送業務は顧客の信頼獲得につながります。

正確性(品質)のUP
正確性(品質)のUP
誰でもミスのない正確な作業で品質が大幅にUP。
作業効率(生産性)のUP
作業効率(生産性)のUP
目視による確認の時間を大幅に短縮。人件費を削減でき、コストダウンを実現
お客様からの信用UP
お客様からの信用UP
品質が良く、ミスのない出荷で、納入先からの信用もUP。

物流効率化のキホン トップへ戻る