KV-8000シリーズ
お客様導入事例株式会社LIXIL
設備のトラブル解決や、遠隔での兆候監視でKVが安定稼働に貢献。
使い勝手も高く評価され、ベテランのみならず若手社員も活用しています。
KV-8000シリーズ ご採用理由
- 数百万の費用削減に繋がったドライブレコーダ機能
- すぐに使える豊富なデータ活用アプリケーション
- 他社PLCやデータベースと簡単に繋がる接続性
お客様の声
「原因不明のトラブルをKV-8000で解決できました。」
「遠隔から設備異常の傾向を捉えることができます。」
「さまざまな機器と簡単に繋がるのでIoT用途でも最適です。」
- 生産技術部設備技術Gでは、どのような業務がおこなわれているのでしょうか?
LIXILブランドのうち、住まいの水回り製品ブランドの1つであるINAXの商品を生産している拠点を中心に、設備の製作および各拠点の技術者教育を実施しています。
20代が多いこともあり、自分たちでまずはやってみるというマインドで、設備製作だけではなく、工程からのデータ収集や、納入後の安定運用の仕組みの構築など多岐に渡る業務を担っています。
- KVシリーズの活用状況を教えてください。
新規設備の製作時や、工程からのデータ収集でKVシリーズを使用しています。
採用のきっかけはデータ収集用途からでしたが、その後画像カメラなどキーエンス機器を使用する時に設備用途でも採用するようになり、いまでは標準的に使用しています。
PLCに精通した人だけではなく、20代前半の若手社員でも活用しています。
- 若手の方もPLCに携わるのでしょうか?
入社1年目から機械設計・電気設計を含めて自分で設備製作をします。
もちろん周りがサポートしながらですが、PLCに慣れていないうちは特に使い勝手が大事です。
KVシリーズは使い勝手がとても良く、覚えないといけない設定がほとんどないです。
誰でも使えるので若手でも活用できています。
- 使い勝手が大事なんですね。具体的に使いやすい例を教えていただけますでしょうか?
KVシリーズを使用すると装置が動くまでがとにかく早いです。
まず、PCとPLCを繋ぐところから他社とは違います。
ラダー編集ソフトをインストールしても別途ドライバをインストールしないと、PLCとPCが通信できないこともありますが、KVシリーズはソフトをインストールしたらすぐに繋がります。
初めてPLCを使う人はまずここからつまずくので、キーエンスは使う人への気遣いが行き届いていると感じます。
次に、プログラムを組む時も設定が簡単です。
たとえばキーエンス機器と通信する時は、リストからドラッグ&ドロップしてIPアドレスを決めるだけで設定が終わります。
局番や局数、手打ちでの面倒な設定がなく、すぐに通信確立までできます。
また、デバイスコメントを自動登録してくれる機能のおかげで、マニュアルを見ながら手打ちでコメントを入力する作業から解放されたのも嬉しかったですね。
一番衝撃だったのは、キーエンスのサーボモータ(SV2シリーズ)を制御した時でした。
- サーボモータ制御はどうだったのでしょうか?
ガイドに沿っていくだけで設定が終わります。
制御プログラムも設定ウィンドウに座標や速度を決めた後はラダーを自動で生成してくれる機能があるため難なく組んでいくことができました。
立ち上げ時も、上手く動かなくて困ることはほとんどありません。
設定しないといけない項目が少ないので、そもそも上手く動かないこと自体が少ないですし、うまくいかない時も原因を切り分けられる試運転機能などの使用ですぐに要因特定ができます。
何かわからないことがあってもマニュアルをみればすぐに解決します。
キーエンスはマニュアルがとてもわかりやすいですね。
モータの立ち上げで上手くいかない時は1h〜半日かかることも今まではありましたが、キーエンスではそのようなことがありません。
- 御社ではタッチパネルVT5シリーズも数多くご採用いただいています。そちらの使い勝手はいかがでしょうか。
タッチパネルもソフトが使いやすいです。
個人的にはPLC以上に、使い勝手の良さに驚きました。
先日も、タッチパネルとバーコードリーダを繋いだのですが、ほとんど設定がなく、すぐに読み取り結果を取り込むことができました。
- 使い勝手の良さはどう役に立ちましたでしょうか?
プログラムの作成工数を減らせるという点もありますが、一番は心理的な部分でしょうか。
私たちは、楽しみながら設備製作をするということを大事にしています。
なので、若手にもどんどん設備を製作してもらう経験を積んでいってもらいますし、研修に来た各拠点の技術担当の方々にも座学だけではなく、自工場の改善に繋がる設備製作を実際にしてもらいます。
設備製作は難しくてとっつきにくく、1回やってみて苦労すると次回以降取り組む時の心理的ハードルが高くなってしまいます。
しかし、KVシリーズを使用すると設備本筋と関係ない設定の煩わしさがなく、マニュアルを調べ続ける作業も短縮できたため、工程や設備仕様の検討や、仕様を満たすためのプログラムコーディングという設備製作の醍醐味に時間を割くことができます。
もちろん苦労もありますが、動いた瞬間の嬉しさと、意外と簡単にできたという自信がつき、次も設備を作ってみようと思う人がほとんどです。
- KVシリーズを使ってみて良かった機能はありますでしょうか?
若手・ベテランともに特に活用している機能は、下記の3つです。
ドライブレコーダ機能(KV-8000)
ワークの投入順にあわせて上位PLCから設備側に加工プログラム情報を送るデータトラッキングの工程があるのですが、たまにワークの順番と一致しない加工プログラム情報を送り返してしまうという不具合がありました。
ラインを構築した装置メーカも原因を突き止めることができず、データ飛びと想定して数百万かけてネットワークを一新することも検討していました。
その時に、KV-8000を後付けし、ドライブレコーダ機能を活用してみたところ、通信は問題ないことが確認でき、最終的にセンサのチャタリングが原因ということを突き止めることができました。
その件だけでも数百万円の経費削減効果がありました。
もちろん後付けだけではなく、新規ライン導入の際にも活躍しています。
新規でラインを導入する時は、前後の装置とのデータのやりとりや、上位のデータベースとのやりとりなど、通信がかなり複雑かつ多くなります。
通信は目に見えない上に高速なので、モニタだけではどうなっているのかがわからず、通信ができていない時や、思ったデータが入ってこない時の解析はかなり難易度が高いです。
ドライブレコーダ機能を使用することで、そもそも通信しようとしているかどうかの確認や、スキャンタイムの変動による通信タイミングのズレの確認などを後から遡って解析することができ、インターロックの追加や、通信周期の見直しなどの根本的な対策がおこなえます。
XDアプリ・Webサーバ機能(KV-XD02)
KV-XD02は、Webブラウザから設備状況をモニタできます。
たとえば、モータやアクチュエータの動作時間を監視するアプリケーションを活用して複数拠点の同じ設備を同時監視しています。
異常発生時に、取りためたデータの傾向を比較することで、原因にあたりをつけることができています。
全国の工場の状況を常に見られるわけではないので、異常が発生してから簡単に後追いできる仕組みを構築できたのは便利でした。
先日もプレス機の動きがおかしい時に、すぐにあたりをつけた上で現地入りすることができ、即座にシャフトのズレを発見できました。とりあえず現場に行くしかないという状況を避けられると、とても気が楽になります。
今後は現場ですぐに異常に気付けるように、しきい値決めなどを検討していきます。
また、エッジ領域でのBIツールとしても活用していて、今は稼働監視、アラームのパレート図のアプリケーションを導入しています。
私たちは、装置納入後も安定稼働させるための取り組みをおこなっているので、このようなアプリケーションが標準的に用意されているのはとてもありがたいです。
以前はパレート図を自分で作っていたのですが、どうしても作成するのに工数がかかります。KV-XD02を使用すると、工数をかけずにすぐにデータの活用ができるのでとても重宝しています。
データベース通信機能(KV-XCM02)
KV-XCM02というデータベース直結ユニットを使用すると、直接データベースとデータのやりとりができます。
日々のワーク数が1000を超え、工程間にラインオフがあるラインでは、シリアルやワーク情報をPLCやPCで保持しておくことは難しく、データベースの使用は必須です。
KV-XCM02は、PCを介さずにラダープログラムでデータベースと通信ができるため、容易に工程管理やトレーサビリティのシステムを構築することができました。
- IoTでもKVが活躍しているんですね。
KVはさまざまなIoTの取り組みを実現できます。
そうですね。
もともと設備で使用する前は、データ収集用途で使用していました。
PLCリンクという機能を使用すると、相手がどのようなメーカのPLCだろうとIPアドレスと収集デバイスの指定のみで簡単に繋がってデータ収集ができます。
複数設備からデータを収集し、1つのcsvファイルにするまでが簡単に実現できるので、社内でもデータ収集はキーエンスを使っておけば間違いないと評判でした。
データ収集からデータの活用、上位のデータベースへの接続に至るまで、幅広い用途を実現できます。
- サポート面はいかがでしょうか?
良いと思います。
KV-XD02をはじめて使った時に、専門知識の高い技術担当が納入先の現場に入って立ち上げサポート対応してもらえたので安心して立ち上げができました。
2回目に使った時は自分だけでやりましたが、問い合わせ対応がスムーズで、こちらも無事立ち上げることができました。
また各拠点で困りごとや不明点が出てきたときに、サポートセンターになかなか繋がらないと、こちら側で対応しなければいけないことがあるのですが、そういった相談もあまりありません。
おそらく各拠点の営業担当の方々の対応や、サポートセンターの対応が早いのだと思います。
最近はLINE※で問い合わせるケースもでてきました。
動画のやりとりで状況共有が容易であったり、チャット形式で気軽に連絡できるため、特に若手が活用しているみたいです。
※LINE株式会社
- 使う上で不安なことはありましたでしょうか?
正直に言うと、耐久性に不安があり設備での使用は少し躊躇しました。
しかし、使ってみると全然そんなことはなく、5年程使っていますが、故障トラブルで困ったことはありませんので他社同等の耐久性だと思います。
使い勝手も問題なかったですし、使ってみて懸念となったようなこともありませんでした。
- 今後のKVのご採用方針はいかがでしょうか?
今後もキーエンスのPLCを活用しながら革新性のある設備製作やデータの活用に取り組みます。
元々は他社のPLCを使用していたため、現在も他社を使うこともありますが、新規設備ではKVシリーズを積極的に使っていきます。
最終的な決定権があるのは各拠点ですが、私たちとしてはKVシリーズの使用を推奨します。
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- この事例に記述した数字・事実は、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。
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