KV-8000シリーズ
お客様導入事例株式会社豊田自動織機
刈谷工場 繊維機械事業部
塗装ラインにデータ活用ユニットを導入。
シリンダの故障予知と遠隔監視を実現!
プログラム作成が不要で、すぐに効果を体感いただけています。
データ活用ユニットKV-XD02
ご採用理由
- シリンダの動作変化をプログラムレスで監視
- グラフで状態を見える化
- 基本機能だけですぐに使える
お客様の声
「従来わからなかった異常の要因が客観的なデータでわかるようになりました。」
「期待通りに、すぐに使いこなすことができました。」
「正確に狙った動きをさせる改善に繋がり、品質向上に繋がっています。」
- 豊田自動織機の刈谷工場 繊維機械事業部では、どのような業務がおこなわれているのですか。
営業の方が実施してくれたKV-XD02のデモを見た時、“これならできる”と感じたんです。
繊維機械事業部では、主に織機、精紡機、粗紡機などの繊維機械の生産をおこなっています。
主力製品はエアジェット織機と呼ばれる空気で糸を飛ばして織る繊維機械で、工場内の出荷数の約73%を占めています。
板金を曲げたり溶接する加工ラインや塗装ライン、組み立てラインまで一貫した製造工程を持っており、工場内で完成品まで仕上げることができるのが特長のひとつです。
1927年に本社と同じ敷地内にて操業をスタートさせ、現在刈谷工場全体で2600人近くの従業員が働いています。
- KV-8000シリーズの活用状況を教えてください。
塗装ラインの「前処理」と呼ばれる工程の中で、監視用PLCとして設置しています。
具体的には、KV-8000とデータ活用ユニットKV-XD02を使って、ワークにスプレーを均一に吹きかけるために揺動させているシリンダの動きを監視しています。
- 設置箇所として、塗装ラインの「前処理」の工程に決めた理由を教えてください。
品質改善に課題を抱えていた工程だったからです。
「前処理」は、薬液を貯めた前処理槽と、その薬液を噴射するスプレー、そしてスプレーを全体に行き渡らせるための揺動シリンダなどで構成されています。
その中の、前処理槽やスプレーの改善には積極的に取り組んでいましたが、シリンダに関してはあまり手を付けられていませんでした。
KV-8000・KV-XD02を使えば故障する前のシリンダの動きの変化を捉えていけると感じ、導入を決めました。
- KV-8000シリーズを使ってみての率直な感想を聞かせてください。
今ではシリンダの揺動を目視する時でも、高所での作業はなくなりました。
期待通りで満足しています。
特別なカスタマイズを施さなくても、KV-8000とKV-XD02の基本機能だけでWEB監視を実現。
シリンダの細かな状態をリアルタイムで収集できるのは大変ありがたいです。
取り付けも簡単で、基本機能をそのまま使えることからストレスなくソフトの設定もできました。
営業の方のサポート対応も早く、スムーズに設置完了しています。
主な導入効果は次の3点です。
正確な設備情報を把握できる
リアルタイムで正確なデータが届くため、設備の状況を細かく把握できます。
初めてシリンダの揺動時間を確認した時は、5本のシリンダの動きが揃っていなかったので本当に驚きました。
壊れる前に異常を見つけ、計画的に交換修理することができました。
目視でシリンダの動きを見ているだけでは気づかなかった異常が、グラフやしきい値などで客観的にわかるようになったことは、非常に大きな変化だと感じています。
設備故障の予防・損害減少に繋がる
以前は故障によるライン停止で損失がありました。
KV-8000・KV-XD02導入によって、故障の未然防止に繋がり、突発的な故障の抑止効果が大きくなる見込みです。
どれほどの効果があるかは、これから判明することになるかと思いますが、設備を常時監視することでしっかり防げているという実感があります。
設備運用がより安全に
KV-8000シリーズで取得したデータは、Wi-Fiを経由して遠隔から見ることができます。
そのお陰で設備の運用方法も大きく変わりました。
以前は高所にてシリンダの動きを確認していましたが、KV-8000シリーズ導入によってその必要がなくなり、安全性が増しました。
また揺動の調整も、これまでは経験と感覚でスピコンを調整していたのですが、今はリアルタイムに揺動時間を見ながら、正確に狙った動きをさせられるようになりました。
- KV-8000シリーズの導入を検討している方に向けて、先行ユーザーとして一言お願いします。
設備を監視したくても、大変な労力を掛けてプログラムを組む必要があるので、諦めていた方も多いのではないでしょうか。
設備の動きや状態を、ネットワーク経由で簡単に見られるのは便利です。
「設備を監視したい」という発想を持っていても、一般的なPLCでは大変な労力を掛けて別途プログラムを組む必要があるので、諦めていた方も多いのではないでしょうか。
その点、KV-8000シリーズは、先にもお伝えしたKV-XD02と組み合わせて使うことで、基本機能で設備データの取得ができます。
実は社内やグループ企業に向けては、先行ユーザーとして横展開もおこなっています。
年に1回おこなわれる、業務改善事例の社内展示会では、KV-8000シリーズの導入効果をまとめた資料やデモ機を展示しました。
その年の展示の推奨事例にも選んでいただいたので、他部署や他の工場の従業員から関心を持って見てもらえました。
この展示を見て、何件かキーエンスさんに問い合わせがあったことも聞いています。
- 繊維機械事業部としての今後の展望を教えてください。
現段階では、塗装ラインの中の「前処理」の工程にしかKV-8000シリーズは導入されていませんが、それだけでも故障を予防できたり、設備監視運用がより安全・正確になったりと、大きな効果がありました。
しかし、工場の各設備の不具合は、いろんなファクターが複合的に絡み合って発生することもあります。
例えばシリンダの揺動の遅れは、シリンダ単体が原因ではなく、ワークを吊っているハンガートロリーが重すぎる可能性もあるのです。
ですので今後は、KV-8000シリーズによる設備監視をさらに発展させ、すべての設備情報をデータとして取得して、保全スタッフが詰所から外に出ることなく状態監視をおこなうことが、最終的な理想形です。
そうしてあらゆるデータを蓄積すると共にノウハウを積み重ねて、設備の故障予防に役立てていきたいと考えています。
本格導入が決まっている刈谷工場繊維機械事業部だけでなく、横展開で興味を持った事業部もあります。
繊維機械事業部ではKV-8000シリーズを今後の設備PLCで採用していく予定です。
関連商品
2021年には米経済紙『フォーチュン』から「世界で最も称賛される企業2021」の自動車部品部門1位に選ばれました。
- この事例に記述した数字・事実は、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。
ほかのカスタマーボイスを見る