KV-8000シリーズ
お客様導入事例テルモ山口株式会社
生産設備の制御とDX化でKVシリーズが活躍。
次の改善に繋げるための設備課題の見える化に寄与!
引き続き優先的にKVシリーズを使用予定。
KV-8000シリーズ ご採用理由
- トラブルの根本原因を追究できる
- 既存設備のラダーの変更不要で通信できる
- キーエンス機器同士の高い親和性
お客様の声
「トラブル再現待ちが不要になるドライブレコーダ機能は非常に魅力的です。」
「既存設備制御に影響を与えることなくDX化を進められます。」
「営業の方の高い技術力は安心できます。」
- テルモ山口西工場技術部技術課の方々のお仕事を教えてください。
私たちは、テルモの中核製品の1つである、心臓や下肢の血管の疾患に使用するカテーテルを製造している事業に所属しています。
技術課では、生産設備の導入や製造工程のDX推進の業務を担っています。
- KVシリーズの現状の活用状況を教えてください。
設備PLCとして、優先的にKVシリーズを選定しています。
各生産設備のPLCとして、すでに数多くの採用実績があります。
新規で設備導入する際は優先的にKVシリーズを選定するようにしています。
- KVシリーズを設備で採用するに至った背景を教えてください。
以前は特定のメーカのPLCを優先的に採用する、ということはなかったのですが、DX推進をおこなっていく上で、設備間の通信の親和性を高めるためにある程度PLCのメーカを揃えたい、という要求が出てきました。
その際にさまざまなメーカのPLCを検討したのですが、その上で貴社PLCを採用する決め手となったのはKV-8000シリーズのドライブレコーダ機能でした。
- ドライブレコーダ機能はどのようなメリットがありますでしょうか?
トラブル時の設備の状態を保存・再現できることがメリットです。
今までは設備トラブル発生時に、発生状況を正確にトレースすることができず、原因の特定が難しいことが多々ありました。
ドライブレコーダ機能を使用すると、トラブルが発生した前後のラダープログラムの動作状況、人や外部機器からの変更履歴などあらゆるデータを紐付けて保存します。
私たちは生産している製品の秘匿性がとても高く、トラブルが起きた時に自分たちで解決しないといけないことが多いので、後から繰り返し何度もトラブル前後のデータを再現できることはとても有用です。
本格的な活用はこれからですが、保全活動の効率向上に繋がると思っています。
- ドライブレコーダ機能以外で、設備用途で良かった機能はありますでしょうか?
設備で使用される各種センサやコントローラとの親和性が高い点です。
貴社製のセンサ、FA用システムは非常に高品質なものが多いため、外径測定器や産業用カメラシステムなど弊社の生産設備では多くの貴社性コンポーネントが使用されています。
KVSTUDIO付属のEthernet/IP®設定ツールを使えば、接続されているセンサやコントローラの状態がグラフィカルに表示されるため、一目で状況が確認できて非常に助かっています。
センサを追加する際にも簡単な設定で機器を認識してくれるのも便利ですね。
また、スキャンタイムが高速で、通信量が増えても遅れが出ない点が良かったです。
医療機器の製造には、QMS省令に沿ったバリデーション※が必須です。
バリデーション実施時からの変化には非常に気を遣っているため、通信量の増加によるスキャンタイムの変化がないことは大きなメリットだと思っています。
※バリデーション:医療機器の開発・製造において製造プロセスや製造条件が適切か、バラツキがなく高品質で生産しているかを検証・手順化すること。
- 先ほどDX推進の業務も担っているとお聞きしました。DXはどのような取り組みをしているでしょうか?
取り組みの目的としては生産設備の時間稼働率の向上です。
生産設備の状態を維持し、次の改善に繋げていくためには、まずは設備からデータを収集し可視化していく必要があるのですが、実はそのデータを収集するためのPLCとしてもKVを採用する予定です。
- KVシリーズをDX用途でも使用いただいた理由は何でしょうか?
DXでもKVシリーズが活躍しています。
前提として、多くの設備のPLCにKVシリーズを採用しているため、親和性が高いとは思っていました。
他メーカのPLCを使用している設備からどうやってデータを収集するか悩んでいたところにPLCリンクという機能がある通信ユニット(KV-XLE02)を知りました。
この機能は、相手側のラダープログラムの変更が不要で通信できる機能です。
この機能を使用することで、KVシリーズを使っている設備だけではなく、他のPLCを使用している設備からも簡単にデータを集約することができます。
実際に接続テストしたところ、期待通り簡単に通信までが確立できました。
速度に関しても、10設備からのデータ収集を比較的緩い条件で20-30ms、厳しい条件でも500msと、データ収集する上では十分な速度です。
収集したいデータによって自由に通信周期を変更できますし、もっと速く通信したい場合は1台のKVで収集する対象設備を減らすことで速度向上が図れるので、柔軟なデータ収集のシステム構築ができます。
また、データ収集をするにあたって、収集相手設備PLCのプログラム変更を懸念してたのですが、設定もほとんどなく、ラダーレスでデータ収集をすることができるため、安心して使用できています。
- KVシリーズはIoTのアプリケーションも実装可能ですが活用状況はいかがでしょうか?
キーエンスが提供しているいくつかのアプリケーションのうちの「ロス解析パッケージ」を使用しています。
生産数監視や稼働率監視、アラームのパレート図などラインの見える化ができるアプリケーションがパッケージングされていて、どこの工程がボトルネックになっているのかをリアルタイムで確認することができるのでは、と期待しています。
また、演算プログラムも組みやすいため、自分たちで見たい内容の追加実装も容易にできます。
さらに、設備PLCがKV-8000であるため、ドライブレコーダ機能を使うことで、稼働率阻害要因やアラーム発生要因を突き止めることができ、見える化の先の稼働率向上への取り組みが可能になると思っています。
現在は、Webブラウザからデータ活用アプリケーションをモニタできるKV-XD02や、KV側から上位のデータベースと通信ができるKV-XCM02のユニットなどを営業の方から紹介を受けています。
こちらの2つのユニットは今後のDX化への必要性を検討していきます。
- DXで具体的な効果事例はありましたでしょうか?
生産設備のエラー状態の見える化をして、どのようなエラーがどのような時に発生するのかがわかりました。
発生時間帯から要因に当たりを付けたうえで対処することで、根本対策をすることができました。
また、ショートストップ(チョコ停)が装置によってばらついている要因を探っていったところ、作業者の方の台持ちが多い場合(複数設備を担当している場合)の同時設備停止発生に原因があるということがわかりました。
DX化を進めていった結果、プログラムバグなどのデジタル要因だけではなく、アナログ的な要因を追究していくこともできて稼働率向上に寄与しています。
- キーエンスの営業対応はいかがでしたでしょうか?
とても良いと思います。
レスポンスがとにかく早いです。
問い合わせの回答もですが、商品納期の状況変化など、こちらが欲しい情報をすぐに連絡いただけるため、大変助かっています。
技術回答の正確さや数年後の構想に対する中長期に渡る目線での提案など、営業の方の技術力の高さも助かっています。
- ご購入後のサポートはありましたでしょうか?
手厚いサポートをしていただいています。
営業の方が、都度セミナーを開催してくださり、ラダープログラミングソフトの使い勝手や各機能などを教えていただけるため、KVを使ったことがなく、最初はとっつきにくいと思っていた人でも問題なく使用できています。
コロナ禍でなかなか対面で会うことが難しい中、Web会議ツールを使用して開催していただけたりと心遣いにも助かっています。
- 今後の展望を教えてください。
KVシリーズを適材適所で活用しDX化を進めていきます。
設備は引き続きKVを優先し、DXのデータ収集でもキーエンスをメインに見据えて検討していきます。
生産設備の時間稼働率をより上げていくためには、どのようなデータの活用が適切か、営業担当の方と相談しながら共に進めていけたらと思います。
関連商品
世界160以上の国と地域で事業を展開し、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモ山口株式会社は、2011年に設立したテルモグループの戦略的生産拠点です。
約30年ぶりに開設された国内工場として、世界に製品を供給している「マザー工場」としての役割も担っています。
- この事例に記述した数字・事実は、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。
ほかのカスタマーボイスを見る