ファイバーレーザーマーカー
レーザーマーキングとは?のページでは、レーザーマーキングの基本的な原理や特徴、加工例などをご紹介しました。
こちらのページでは、レーザーマーカーの中でも金属への黒色印字や深堀り用途に最適な「ファイバーレーザーマーカー」の印字事例や特徴、YVO4レーザーとの違いについてご説明します。
アプリケーション
ファイバーレーザーマーカー(波長:1,090nm)は、基本波長と呼ばれる波長帯に属し、金属・樹脂など幅広い材質に印字できます。特に、ハイパワーが必要な金属への黒色印字や深彫り印字に適しています。一方、ガラスなどの透明体は光が透過してしまうため、基本的に印字できません。
-
深彫り(印字後塗装) (車体フレーム) -
黒色印字 (ベアリング) -
高速2次元コード印字 (エンジンブロック) -
削り印字 (キーシリンダー) -
加工(カット) (アルミ板) -
バリ取り(フレームIC) (左:処理前 右:処理後)
ファイバーレーザーの仕組みと特長
ファイバーレーザーとは、光ファイバーによる長距離通信の中継増幅の技術が高出力レーザーに発展したものです。レーザー光が光ファイバー内を進むことで効率よく増幅され、高出力レーザーを実現します。
- A
- 励起光
- B
- レーザー
- C
- アウタークラッド
- D
- コア(Yb 添加)
- E
- インナークラッド
- F
- コントローラ
- G
- アンプ
- H
- マスター発振器
- I
- Qスイッチ
- J
- LD(シングルエミッター)
- K
- ヘッド
特長:ハイパワーマーキング
高出力レーザーにより、従来のレーザーマーカーと比べ「同じ印字時間であればより深く」「同じ彫り込み深さであればより速く」印字できます。印字時間を短縮したい、さらに彫り込んだ印字を行いたいといったニーズに対応します。
- D
- 深さ
- T
- 時間
※代表値です。ワークや印字条件により異なります。
YVO4レーザーとの違い
- A
- YVO4 レーザー
- B
- パルス幅≒ 5ns
- C
- ファイバーレーザー
- D
- パルス幅>120ns
同じ基本波長レーザーにはYVO4レーザー(波長:1,064nm)があります。
光ファイバーでレーザー光を増幅するファイバーレーザーに対し、YVO4レーザーはYVO4結晶でレーザー光を増幅する固体レーザーです。両者の違いは、ピークパワーとパルス幅にあります。※
ファイバーレーザーが低ピーク・長パルスで金属への深堀・ハイパワー印字を得意とする一方で、YVO4レーザーは高ピーク・短パルスレーザーで熱ダメージを抑えた高発色・低ダメージ印字に適しているといえます。
※ピークパワー:レーザー光の1パルスにおける瞬間的な出力の最大値
パルス幅:レーザー光の1パルスが照射される時間
YVO4レーザー | ファイバーレーザー | |
---|---|---|
Niメッキ印字 | ||
SUS深彫り印字 | 深さ1μm | 深さ8μm |
- コラムColumn
-
- ハイブリッドレーザーマーカー
-
- A
- 高品質印字(ピークパワー重視)
- B
- 高速印字(出力重視)
従来のYVO4レーザーマーカー、ファイバーレーザーマーカーのメリットを網羅 (当社従来比)
キーエンスでは、YVO4レーザーの技術とファイバーレーザーの技術を融合したハイブリッドレーザーマーカーをラインナップ。
樹脂への繊細な印字も、金属への高出力印字も各種対象物に最適な印字が行えます。
ハイブリッドレーザーマーカーは、固体レーザーとファイバーレーザーの両方を開発し続けたキーエンスならではのテクノロジーです。
商品の紹介
クラス最高出力3-Axis ファイバレーザマーカMD-Fシリーズ
- 50 W/30 W ハイパワー
- 高出力レーザーが大幅タクト短縮、金属への深彫り、高速加工を実現。
- 用途別スキャナ制御
- 用途にあわせてレーザー走査を最適化。タクト短縮・品質向上を実現。
- 耐環境ファンレスヘッド
- 設置環境を選ばないコンパクト&タフ構造【保護構造 IP64】
焦点ズレなし、位置ズレなし3-Axis ハイブリッドレーザマーカMD-Xシリーズ
- 全エリアオートフォーカス
- レーザーヘッド内に測距センサと内蔵カメラを搭載し、印字エリア全てで焦点ズレや位置ズレの補正が可能。
- 予知保全&トラブル解析ツール
- レーザーマーカーの内部状態を常にモニタリングすることで、予知保全やトラブル解析が簡単。
- 高ピークパワー・高出力
- 高ピークかつショートパルスレーザーを実現することで、シャープな印字品質と高速印字のメリットを両立。