刻印機とは?

刻印機にはさまざまな種類があり、対象物の使用環境や材質・形状、刻印の目的などによって使い分けられています。従来、刻印機は手動または自動で、対象物に版で圧力を加えて刻印する機器です。さらに近年では、レーザー光を用いて対象物に接触することなく刻印できる刻印機も開発されています。ここでは、多種多様な刻印機を「接触式」と「非接触式」に分類。その原理と特徴についてご紹介します。

刻印機の種類

手打刻印

手打刻印

テイキンを手で押さえ、上からハンマーなどで打ち付けます。手打刻印の文字は、深くしっかり打刻されるので、深い傷や摩擦による劣化に強い刻印が可能です。
アルミやスチール・真ちゅうなどの部品や動かしにくい重量物への刻印に適しています。

ホルダ式刻印(セットマーカー)

ホルダ式刻印(セットマーカー)

数文字や数行の刻印をホルダに収めて一度に打刻します。文字数が多い場合は短時間で打刻でき、文字もきれいに並びます。プレス機やロール機への装着にも対応しています。アルミやスチール・ステンレス・真ちゅう・樹脂などの部品や銘板への刻印に適しています。

ナンバリング刻印

ナンバリング刻印

文字をダイヤルで選んで打刻します。プレス機への装着にも対応しています。連番号から型式、シリアル番号やロット番号の刻印に使用されます。アルミやスチール・真ちゅうなどの部品や銘板への刻印、動かしづらい重量物への刻印に適しています。

ロールマーカー

ロールマーカー

リング形状の刻印が横に並び、一度の打刻で複数桁刻印ができ、曲面への印字が可能です。

プレスマーカー

プレスマーカー

スプリングの反発力を利用した衝撃(インパクト)で、プレス加工のように対象物に直接打刻します。

チャックマーカー

チャックマーカー

6角材や8角材の多角面に同時打刻できる刻印機です。継手やボルトナットなどの多角形ワークに適しています。

ドット刻印機(エアペン)

ドット刻印機(エアペン)

「マーキングピン」と呼ばれるピンを空気圧または電気で駆動し、対象物の表面に刻印を点群によって打刻します。「マイクロインパクト方式」ともいわれます。凹凸金属や合成樹脂のような硬い材質への打刻を得意とし、対象物の表面状態(濡れ、粉塵など)に関わらず打刻することができます。

電気ペン(精密グラインダー)

電気ペン(精密グラインダー)

「ビット」と呼ばれる鋭利な先端を高速(2,000~40,000rpm)で回転させ、対象物を削って刻印します。
手作業を主とするため、工業分野への対応には限度がありますが、ビットにはさまざまな種類があり、ビットを取り換えることで、様々な材質に対応できます。

レーザー刻印機

レーザー刻印機

レーザー刻印は、レーザーが照射されることによって材料表面で発生する化学的事象を利用した加工技術です。 レーザー刻印機は、刻印するレーザーをコンピュータで制御します。小さなパターンを精細に刻印でき、速度は高速です。対象物に非接触であるため、製品に打刻の衝撃を与えることなく刻印できます。これにより、金属/非鉄金属への刻印はもちろん、紙やフィルム素材に印字することもできます。

刻印機とレーザー刻印機の違い

版を対象物に打ち付ける接触式の刻印機に対し、レーザー刻印機は対象物に触れることなく刻印できます。ここでは、接触式刻印機と非接触(レーザー刻印機)の特徴・違いについてご紹介します。

メリット・デメリット
  メリット デメリット
接触式刻印機
  • 初期コストが安い
  • 彫りが深い消えない印字ができる
  • 印字のコントラストがつかず、視認性が悪いケースがある
  • 印字内容の変更に手間がかかる
  • 凹凸面、曲面への印字が困難
  • 小さい文字の印字が困難
  • 製品に負荷がかかる
レーザー刻印機
  • 印字のコントラストがつくので、視認性が高い
  • 高速で印字ができる
  • 印字内容を簡単に変更でき多品種に対応できる
  • 凹凸面、曲面にもきれいに印字ができる
  • 1mm以下の小さな印字ができる
  • 製品に負荷をかけずに印字ができる
  • 初期コストが高い
  • 装置架台含めた設置スペースが必要となる
レーザー刻印機と接触式刻印機の比較
比較内容 接触式刻印機 レーザー刻印機
印替えの手間がない
凹凸面、曲面への印字が可能
製品へ衝撃を与えない ×
小さい文字の印字が可能
高速ラインに対応できる

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