塗装剥離
レーザー加工の事例から見る「塗装剥離」についてご説明します。
レーザーマーカーによる塗装剥離の基本的な原理
樹脂の表面塗装を剥離して、下地の基材や塗装を見えるようにする加工です。
下図のシフトレバーの加工例では、黒く塗装された樹脂を除去することで光を透過させています。また、多重塗装された樹脂の「黒の部分だけ」「黒と赤」「黒と赤と緑」のように、塗膜ごとに除去できる点もレーザーを使った塗装剥離の特徴です。
塗装剥離の事例~車載用インパネスイッチの塗装剥離~
用途解説
従来であれば印刷で再現したり、離剥剤(リムーバー)などを使って塗装を除去したりする必要がありましたが、デザインごとの印刷用の版や薬液のランニングコストがかかるという問題がありました。レーザーマーカーであれば任意のデザインにレーザー光を照射し剥離することが可能です。
また近年では、照光式スイッチの採用車種が拡大しているのに伴ってレーザーマーカーによる方式が急増しています。
高ピークパワー・ショートパルスのYVO4レーザーマーカーを使用することで、瞬間的に高いエネルギーを対象物に照射することができます。これにより、加工部分の周囲には熱影響を与えず、エッジまでシャープに仕上げることが可能です。意匠面まで含めて高品質な加工を実現します。
レーザー加工によるメリット
ランニングコストの低減と加工タクトUPが可能
従来方式で必要だった印刷用の版や、剥離剤(リムーバー)の薬液が不要となるため、ランニングコストを大幅に低減することが可能です。また、従来はデザイン変更時に都度版が必要でしたが、レーザーマーカーであれば、データをソフトに取り込めばレーザー照射が可能なため、加工タクトを大きく短縮することができます。
3次元制御により複雑な立体形状にも対応可能
3D-CADデータ(STL形式)を取り込むことが可能で、ワーク形状そのものをレイアウトのベースに使用できます。円柱や段差などの基本図形では表現できない複雑な形状の対象物にも、思いのままにレーザー剥離加工できます。