レーザー加工7つのメリット
従来の機械加工に比べて、さまざまなメリットがあるレーザー加工。こちらでは、そうしたレーザー加工の特長やメリットを簡潔にご紹介します。
微細加工特性
レーザー光は指向性と集光性に優れ、照射部分のみを融解・蒸発させることができるので、微細な加工に適しています。レーザー光の集光スポット径や波長、出力、周波数などが自由に設定できることも要因のひとつ。また、近年では紫外線域の短波長レーザー光や超短波パルスレーザー光も利用され、ミクロンオーダーの加工も可能です。
精密加工特性
レーザー加工は加熱エリアが小さいので、熱による変形を最小限に抑えることができます。また、従来の刃物を使う加工とは異なり非接触なので、加工時の歪みやクラックが発生するリスクも最小限にとどめることが可能。薄板などの変形しやすい材料との相性が良い加工です。また加工ムラも少なく、均一な加工ができることも特長のひとつ。加工時に切削加工のような粉塵が発生せず、メンテナンス性も良好です。
高いエネルギー密度
レーザー光をレンズによって集光することで、109W/cm2という高いエネルギー密度を実現。金属やガラス、セラミックなどの材料を問わず、対象物を融解・蒸発させることができます。また、異なる材料を同時に融解できるので、異素材の溶接加工などで力を発揮します。
溶込みの深さ
エネルギー密度を高めることで対象物にキーホールを形成し、より溶込みの深い溶接を実現できるのでさまざまな溶接継手の加工ができます。また、一般的なTIG溶接やMIG溶接に比べてビード幅が狭く、溶込みが深く、歪みや変形の少ない溶接加工が可能です。
高能率加工
レーザー加工では、効率的にピンポイントで融解・蒸発を引き起こすことができます。これにより穴あけや切削、溶接の速度を高められ、スピーディな加工が可能です。レーザー光の照射部を可動させれば対象物を固定するステージに駆動部を設ける必要もなくなり、イニシャルコストを引き下げることもできます。
化学反応に活用可能
レーザー光と材料の間で発生する光合成・光分解・合金元素添加・化学反応を利用すれば、焼き入れやアニーリングなどの熱処理、対象物の表面を変質させて印字するマーキング、そのほかグレージングやレーザー蒸着といった表面改善に用いることができます。
高いフレキシビリティ
レーザー加工機は「レーザー発振器系」「加工工学系(集光系)」「加工物質系(駆動系)」によって構成されていますが、波長や出力、発振方式などのパラメータを自由に選択できるため、さまざまな加工を行うことができます。また、図形データを専用ソフトなどで取り込めば、形状に合わせた加工なども容易に行えます。