包絡の条件
部品に許される最大サイズ(または最小サイズ)が、最大サイズ(または最小サイズ)と同じ範囲内(または範囲外)に入らなければいけないという条件です。包絡の条件は、形体がその最大実体サイズでの完全形状の包絡面を超えてはならないことを意味し、円筒面または平行二平面で決められる1つのサイズ形体に適応できます。
サイズ形体
長さや角度といったサイズ寸法で定義される幾何学的な形を「サイズ形体」といいます。円筒形や球形、相対する二平面などがサイズ形体です。サイズ寸法で定義されるため、サイズが変化すると大きさも変化します。
幾何公差の対象となる部位は、指示線を当てる位置によって異なります。たとえば以下の図では、同じ形体の真直度における母線と中心線であっても、サイズ形体であるかサイズ形体でないかに分かれます。
- a
- 幾何公差の対象部位
最大実体サイズ(MMS:Maximum Material Size)
形体の「最大実体状態(MMC: Maximum Material Condition)」を決めるサイズのことです。最大実体状態とは、形体のどこでもが、その形体の実体(体積)が最大になる許容限界サイズのことで、たとえば、最小の穴径、最大の軸径を持つ形体の状態のことです。つまり、最大実体サイズとは、形体の最大実体状態を決めるサイズのことです。
- 軸(凸)形状の最大実体サイズ(MMS)
- Φ20.1
- 軸(凹)形状の最大実体サイズ(MMS)
- Φ19.9
完全形状の包絡面
図面で指示されたサイズ公差の最大実体状態でできた型崩れのない領域のことで、対象物は最大実体サイズの領域内に存在しなければなりません。
- a
- Φ5.0(最大実体サイズ)
- a
- Φ5.0(最大実体サイズ)
とは
寸法に包絡の条件を適用する場合は、サイズ公差に続けてを記入します。「E」はEnvelope(封筒)の意味で、最大実体サイズを持つ完全形状の包絡面という「封筒」の中に、サイズ公差を守った部品が入れば合格で、入らなければ不合格と決めることを指示する記号です。