データム(datum)とは
データムとは、加工や寸法測定をする場合に基準とする面または線・点のことです。
ISOまたはJISでの定義
以下の通り定義されています。
- ISO 5459:2011
- 位置(公差)および/または姿勢(公差)の公差域、またはたとえば実行状態を表す理想形体を定義するために選ばれた1つ以上の実外殻形体によってあてはめられた形体の1つ以上の設定形体。
データムの種類
データムには「データム形体」と「実用データム形体」があります。また、2つ以上のデータムを組み合わせて形体を指定する「データム系」があります。
- データム形体
- データムを設定するために用いる対象物の実際の形体(部品の表面や穴など)のこと。
- データム系
- 公差付き形体の基準とするために、個別の2つ以上のデータムを組み合わせて用いる場合のデータムのグループのこと。
データムとして指示した部品の面は、完全な形状ではありません。したがって、より精密な面を持つ定盤やゲージ、マンドレルなどを実用データムとして接触させる必要があります。
データム形体の図面表記
データムは、以下の記号(データム記号)で表記します。データム記号は白抜きまたは黒塗りの三角で表記します。
そして、データムのアルファベットは、必ず図面を見る向きに合わせます。
また、図面上でデータム記号の位置によって、対象になる領域が異なります。設計意図を厳密に表現するために、データムを指示する位置に注意してください。
軸線または中心平面を指示する場合
データム形体は、寸法線とデータムを合わせて指示します。指示したデータム形体の中心がデータム軸またはデータム中心平面になります。
母線を指示する場合
データム形体の寸法線とデータムは、ずらして指示します。指示したデータム形体の表面または線(稜線)がデータム軸またはデータム平面になります。