幾何公差図面と記号について
幾何公差は、図面上では記号で指定します。現在、幾何公差の記号の数は16種類で、規制する公差に応じて分類されています。
幾何公差特性の分類と記号
以下は幾何公差の記号です。「適応形体」の「単独形体」とは、データムに関連しない(基準のデータム指示が不要)な形体です。「データム」とは姿勢や位置・振れを決めるために設定した理論的で理想的な形体です。また、「関連形体」とはデータムに関連する形体で、姿勢や位置、振れの公差を指定する形体です。
適用形体 | 公差の種類 | 幾何特性 | 記号 |
---|---|---|---|
単独形体 | 形状公差 (形状偏差) |
真直度 | ![]() |
平面度 | ![]() |
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真円度 | ![]() |
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円筒度 | ![]() |
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線の輪郭度 | ![]() |
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面の輪郭度 | ![]() |
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関連形体 (要データム形体) |
姿勢公差 | 平行度 | ![]() |
直角度 | ![]() |
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傾斜度 | ![]() |
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位置公差 (位置偏差) |
位置度 | ![]() |
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同軸度 | ![]() |
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同心度 | |||
対称度 | ![]() |
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線の輪郭度 | ![]() |
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面の輪郭度 | ![]() |
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振れ公差 (振れ偏差) |
円周振れ | ![]() |
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全振れ | ![]() |
単独形体 | |
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形状公差(形状偏差) | |
真直度 | ![]() |
平面度 | ![]() |
真円度 | ![]() |
円筒度 | ![]() |
線の輪郭度 | ![]() |
面の輪郭度 | ![]() |
関連形体(要データム形体) | |
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姿勢公差 | |
平行度 | ![]() |
直角度 | ![]() |
傾斜度 | ![]() |
位置公差(位置偏差) | |
位置度 | ![]() |
同軸度 | ![]() |
同心度 | |
対称度 | ![]() |
線の輪郭度 | ![]() |
面の輪郭度 | ![]() |
振れ公差(振れ偏差) | |
円周振れ | ![]() |
全振れ | ![]() |
幾何公差記号一覧(JIS B 0021を基に編集 関連規格:ISO 5459)
真位置度理論(四角い枠で囲まれたサイズ値)について
幾何公差(位置度・輪郭度・傾斜度)を「理論的に正確な寸法(TED:Theoretically Exact Dimension)」で指示する考え方です。TEDは、理論的に正しい寸法を四角い枠(□)で囲み、その位置に関する公差は公差記入枠に記入します。
位置の指定
下図のように位置を指定する場合、サイズ公差(寸法公差)の指示では基準寸法(図示サイズ)も公差もサイズ公差の総和(累積公差)になるため、正確な位置が指定できません。一方、TEDによる指示は、公差を持たないので累積公差は発生しません。


公差域の指定
公差域を指定する場合、真位置度理論では公差値の中心に、TEDで規制したい箇所を正確に指示します。
形体が点の場合、公差域はその点を中心にした円形(a)または球形になり、形体が直線の場合はその直線から正確に公差値の半分ずつ離れた平行二平面(b)、またはその直線を中心とした円筒公差域(c)になります。


