傾斜度の測定

指定する直線や平面が90°以外である場合に、「データム(基準となる平面、直線)に対して正確に傾斜しているか」を指定する傾斜度を測定します。
傾斜度で測定する数値は角度(°)ではなく単位はmmです。

図面例

傾斜度の測定

ダイヤルゲージによる測定

ダイヤルゲージによる測定
a
押さえる
b
対象物
c
支え
d
定盤
e
角度定盤
f
マンドレル

市販の角度定盤や支えを用いて、データム平面部に対象物を正確な角度で固定します。
マンドレルやピンゲージを使うと測定がしやすくなります。
傾斜が図面通りであれば、セットしたマンドレル(またはピンゲージ)は水平になります。その状態で、マンドレルの平行度をダイヤルゲージで測定します。
ダイヤルゲージの振れの最大値と最小値の差が傾斜度になります。

問題点

マンドレルを平行になるようセットするなど、対象物や角度定盤など固定器具のセッティングに時間を要します。
また、測定箇所が面の場合、測定点が多くなるため、測定値に誤差が発生します。
角度定盤にうまく固定できない対象物の場合は、測定が困難です。

三次元測定機による測定

三次元測定機による測定
a
対象物
b
三次元測定機定盤

基準になる面の数か所にスタイラスを当ててデータムを設定し、対象物の測定面にスタイラスを当てて測定します。
第2次データムや第3次データムなどのデータム系がある場合も、同様に設定し、測定することができます。
対象物のセッティングに要する時間が短縮でき、定盤に固定できない対象物でも正確に測定できます。

a:傾斜度の測定結果 b:基準面(平面) c:基準面(平面)

キーエンス ハンディプローブ三次元測定機での測定画面

a
傾斜度の測定結果
b
基準面(平面)
c
基準面(平面)

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