インクジェットプリンターをお使いの方へ

有機溶剤中毒予防規則について

有機溶剤中毒予防規則とは、有機溶剤の安全基準を定めた厚生労働省の省令です。産業用インクジェットプリンタに使用されるインク溶媒の「メチルエチルケトン」やアセトンもこの省令に該当するため、工場や作業現場における有機溶剤使用時の取扱いに関する規則が定められています。

有機溶剤タイプのインクジェットプリンタの課題

法令対策
  1. 局所排気装置の設置
  2. 年2回の健康診断の実施
  3. 年2回の作業環境測定の実施

等の対策が必要

対策費用
  1. 約30~60万円
  2. 約3000~4000円/人×年2回
  3. 約7~8万円×年2回

※対策費用は一例です

におい
  • 作業者が有機溶剤のにおいを嫌がる
  • におい移りし易い製品への印字に向いていない

アルコール系インク インクジェットプリンタのメリット

法令対策 不要!
対策費用 不要!
におい 少ない!

エタノールタイプのインクジェットプリンタなら、有機溶剤中毒予防規則対策のための対策や費用が不要です。また、においが少ないことからにおい移りし易い製品や狭い場所での使用にも適しています。

MEKフリーインク(アルコール系インク)

有機溶剤中毒予防規則への対応で“エタノールインク”を使ったアルコール系インクの産業用インクジェットプリンタが注目されています!

有機溶剤タイプの産業用インクジェットプリンタを使用する場合には、主に以下の対処が義務付けられます。

  • 1.局所破棄設備の設置
  • 2.年2回の健康診断の実施
  • 3.年2回の作業環境測定の実施

(労働基準監督署への適用除外申請をすることも可能です。)

エタノールインクの需要はここ3年間で約4倍!

  • そのため、対処が不要なアルコール系インクのニーズが高まっています。
    しかし、一方で従来のアルコール系インクには印字性能面で課題がありました。

  • エタノールインクの需要はここ3年間で約4倍!

    ※当社調べ

労働安全衛生法の改正について

2016年6月1日に施行された法改正において、7つの項目が新たに実施されることになりました。有機溶剤およびアルコールベースの産業用インクジェットプリンタの使用において、同法令への対応が必須となります。

対象となる改正内容(厚生労働省資料を引用)

化学物質について、リスクアセスメントの実施が義務化されます。

  • 一定の危険性・有害性が確認されている化学物質による危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施が事業者の義務となります。
  • 事業者には、リスクアセスメントの結果に基づき、労働安全衛生法令の措置を講じる義務があるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講じることが努力義務となります。
  • 上記の化学物質を製造し、又は取り扱う全ての事業者が対象です。

リスクアセスメントとは

リスクアセスメントとは、作業場にて使用されている化学物質を把握し、その化学物質の危険性又は有害性のリスクを事業者が評価し、その結果に基づいて適切な労働災害防止対策を講じる事を言います。
一般的な産業用インクジェットプリンタでは、メチルエチルケトン、アセトン、エタノールなどの有機溶剤やアルコール類が使用されており、下記のような対策を実施する必要があります。

  • 「コントロール・バンディング」を使用したリスクアセスメントの実施

現在ご使用されている産業用インクジェットプリンタの安全データシート(SDS)をご用意ください。
安全データシートに記載されている化学物質を、厚生労働省のWebサイトにある「リクアセスメント実施支援システム」に入力することで、必要となる労働災害防止対策が表示されます。