その他のインク関連法令

法令を遵守するために、該当する有害物質を規定値を正しく理解する必要があります。
ここでは、RoHS指令とPRTR法についてご説明します。

RoHS指令

RoHS指令とは、電気機器の処分・リサイクル時に、人や環境に対して悪影響を与えないよう有害物質の含有を制限することを目的とした規制です。該当する有害物質を規定値以上含有している場合、EU加盟国では販売さえできません。
軍事や宇宙用の一部の製品はRoHS指令の対象から除外されますが、ほとんどの電気機器がRoHS規制の対象となります。

現時点で使用が制限される有害物質は10種類あります。
それぞれの物質には許容される濃度に上限が設けられています。

物質名 規制濃度上限値
0.1%(1000 ppm以下)
水銀 0.1%(1000 ppm以下)
カドミウム 0.01%(100 ppm以下)
六価クロム 0.1%(1000 ppm以下)
ポリブロモビフェニル 0.1%(1000 ppm以下)
ポリブロモジフェニルエーテル 0.1%(1000 ppm以下)
フタル酸ジ-2-エチルへキシル 0.1%(1000 ppm以下)
フタル酸ブチルベンジ 0.1%(1000 ppm以下)
フタル酸ジ-n-ブチル 0.1%(1000 ppm以下)
フタル酸ジイソブチル 0.1%(1000 ppm以下)

※ カテゴリ8、9(医療用機器、監視制御装置)の規制開始は2021年7月22日

RoHS指令では、これらの物質がすべての構成部材で規定値範囲内であることが求められ、産業用インクジェットプリンタで印字したインクも対象となります。

PRTR法

PRTR法(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)とは、有害性のある化学物質がどのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかのデータを把握し集計し、公表しなくてはいけない法律です。
標準インクのMK-10には、PRTR法第一種指定化学物質である三価クロム化合物を含有しますが、製品(インク)質量中の含有量が1%未満のため非該当となります。

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