幾何公差用語集

幾何公差で使用する用語について解説しています。関連ページでは用語の掲出ページも紹介しています。

A
ANSI(アンシ/アンジー) 米国国家規格協会(American National Standards Institute)の略称。米国規格協会または米国標準協会ともいわれる。アメリカ合衆国における工業規格の標準化を行う機関。日本の日本産業標準調査会(JISC)に近い組織で、ANSI規格はJIS規格に近い位置づけとなる。
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アメリカの標準化
ASA アメリカ標準規格(American Standards Association)の略称。アメリカ合衆国の工業における標準化組織で、1966年に発展解消した。現在では、ANSI(アメリカ規格協会)が取りまとめている。
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アメリカの標準化
ASME(アスミ/アズミー) 米国機械学会(The American Society of Mechanical Engineers)の略称。工学分野における世界的な規模の機関で、学術会議の開催や技術書の出版のほか、技術の標準化(規格化)活動も行っている。
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アメリカの標準化
G
GPS 「製品の幾何特性仕様(Geometrical Product Specification)」のこと。図面を曖昧さを排除し、測定の不確かさを体系的にまとめ、世界的認証制度に適用することを目的に、ISOのTC213によって既存の国際規格を追加・修正する形で規格化が進められている。
I
ISO(イソ) 国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称。国際的に通用する規格を制定する非政府機関で、ISOが制定した規格をISO規格という。
J
JIS(ジス) 日本産業規格(Japanese Industrial Standards)の略称。産業標準化法に基づいて経済産業省に設置されている審議会である、JISC(日本産業標準調査会)によって定められた、日本の産業製品に関する規格や測定法などを定めた規格。
T
T.I.R Total Indicator Readingの略。振れの測定における、最大値と最小値の差。
あ行
浅座ぐり ボルトやねじなどの頭が飛び出さないようにしたり、締結力を確保するために表面を滑らかにするなどの理由から、穴の入り口をさらに大きな直径で1段深く削り落とす加工のこと。
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アメリカの標準化
内側形体 機械部品の内面(穴や溝の内面)を形成する形体。
オートコリメーター 非接触で角度を測定する光学式測定器。光源から出た光を平行光に変換し対物レンズから射出、この光を測定物の上面にセットしたミラーに当てて、返ってきた光との差を角度秒の精度で測定する。真直度直角度平面度などの測定が可能。
か行
外殻形体 表面または表面上の線。実体のある形体。
完全形状 幾何的にまったく偏差がない形状。
公差クラス 公差の数値が0.01mm〜0.09mmや0.001mm〜0.009mmなどになると指示が読みづらくなる。これを避け、公差の指示を簡潔記載するために用いられる規格。公差を基準寸法(図示サイズ)からの偏差ごとに、クラスに分けし、各クラスには大文字または小文字のアルファベットが記号として付与する。
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コラム:寸法公差(サイズ公差)から幾何公差へ
さ行
最小実体実効状態(LMVC:Least Material Virtual Condition) サイズ公差と幾何公差によってできた体積が最小になる状態。
最大実体実効状態(MMVC:Maximum Material Virtual Condition) サイズ公差と幾何公差によってできた体積が最大になる状態。
実効寸法 形体の実効状態を定める寸法。外側形体の場合は、
「最大許容寸法+姿勢公差または位置公差」
内側形体の場合は、
「最小許容寸法-姿勢公差または位置公差」
実体公差 寸法公差(サイズ公差)と幾何公差の間に特別の関係を指定する1つの方式。記号またはによって図面上に指示する。「最大実体公差」と「最小実体公差」があり、この方式を用いれば、実体状態と実サイズとの差があるとき、指示した幾何公差を増加できる。
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公差記入枠について
ゼロ幾何公差 最大実体状態のときは幾何偏差なし(ゼロ)とし、最小実体状態に近づくに従って、その差分を幾何公差に与える方式。
外側形体 機械部品の外面(円筒軸や直方体の外面)を形成する形体。
測得形体 測定によって得られる形体。
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コラム:寸法公差(サイズ公差)から幾何公差へ
た行
データムの浮動 データムがサイズ形体である場合にデータムに最大実体公差方式を適用し、データムを拘束しないこと。
テーラーの原理 工作物の最大実体サイズは、その工作物の最大実体サイズに正しく作られた通り側ゲージによって検査されなければならない。一方、工作物の最小実体サイズはその工作物の最小実体サイズと同じに作られ、工作物の別々の各要素を個々に検査するように設計された止り側ゲージによって検査されなければならない。
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アメリカの標準化
電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association:JEITA(ジェイタ)) 2000年11月に日本電子工業振興協会(JEIDA: Japan Electronic Industry Development Association)と日本電子機械工業会(EIAJ: Electronic Industries Association of Japan)が統合して発足した。IT産業およびエレクトロニクス産業の振興と技術開発促進などを目的としている。
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コラム:寸法公差(サイズ公差)から幾何公差へ
な行
ノミナル値 測定機などによる実測データの平均値。
は行
複合位置度公差方式 形体相互の位置度とデータム系からの位置度に、それぞれ異なる公差値を与える方法。公差記入枠が複数の段になっても、幾何公差の記号は枠を1つに結合して、そこに1つだけ指示する。同一の形体に対して、位置・姿勢・形状を同時に規制することができる。
複合輪郭度公差方式 データム系からの輪郭度に、それぞれ異なる公差値を与える方法。公差記入枠が複数の段になっても、幾何公差の記号は枠を1つに結合して、そこに2つだけ指示する。同一の形体に対して、位置・姿勢・形状を同時に規制することができる。
普通幾何公差 機能上、特別な要求がない幾何公差に対して、図中に個々に指示しないで一括指示する幾何公差。精度によって、公差等級(基本サイズ公差等級)の記号が決まっている。
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コラム:寸法公差(サイズ公差)から幾何公差へ
普通公差 機能上、特別な要求がない寸法(長さ・角度・面どり寸法)に対して、図中に個々に公差を指示しないで一括指示する公差。精度によって、公差等級(基本サイズ公差等級)の記号が決まっている。
平均直径 円形体または円筒体において2点測定した平均値が、最大許容限界サイズ値と最小許容限界サイズ値の間になければならないという指示。「AVG」と表記する。
ベストフィット 製品の測定データと3D CADデータを比較測定し、差分を確認する機能。重ね合わせた結果は3D画像で表示され、各測定点のデータとCADデータとの偏差を確認することができる。
ボーナス公差 最大/最小実体公差方式によって得られる幾何公差に対する緩和寸法。これにより、検査の簡易化や不要に厳しい公差設定による不良品の発生を抑えることができる。
ま行
マンドレル 芯金(しんがね)とも呼ばれ、寸法、幾何特性ともに高精度な円筒軸のこと。
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データムの種類
や行
誘導形体 外殻形体から導かれた中心線、中心面・中心点。

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