ハンディターミナルとハンディスキャナの違い

ハンディターミナルと並んで各種データ読み取りによく用いられているのが「ハンディスキャナ」です。どちらもバーコードなどを読み取るという役割、手に持ってコードを読み取るという点では同様ですが、そのほかの機能や用途に違いがあります。こちらでは、ハンディターミナルとハンディスキャナの機能や仕様面を比較しながら、両者の差異について検証していきます。

単機能に徹したハンディスキャナ、多機能で応用性が高いハンディターミナル

ハンディスキャナは、コードを読み取ることだけに特化した単機能の製品で「バーコードリーダ」の一種です。読み取ったデータの処理は接続先のPCなどが行うため、本体内部には一切のプログラムが搭載されていません。PCに接続しなければ機能しないので、ハンディターミナルのように持ち出して使うといった利用にも不向きです。

これに対し、ハンディターミナルは、データを読み取るだけでなく、読み取ったデータの確認(表示)や保存など、必要な処理を行えるよう内部にプログラムが組み込まれています。用途や目的によってそのプログラムを書き換えることができます。

また、ハンディターミナルの中には、内部にデータを溜めて処理するバッチタイプと、随時データを送受信する無線タイプがあります。基本的には単体で活用できるのが特徴です。これは、常にPCなどに接続されていないと機能しないハンディスキャナとは大きく異なるところです。

手で持って使うバーコードリーダが「ハンディスキャナ」、さらに読み取ったデータを表示・確認・保存・データ送信などを行えるようにした多機能携帯端末が「ハンディターミナル」になります。ハンディスキャナはPCがなければ機能しませんが、ハンディターミナルは単体で機能するところも大きな違いです。詳しい機能比較については以下をご覧ください。

比較項目 ハンディターミナル ハンディスキャナ
外観
ハンディターミナル
ハンディスキャナ
機能
  • コード読み取り機能に加え、キー操作による文字入力が可能
  • データの保存や送信などのさまざまな機能を有する
  • コード読み取り機能のみ
  • PC接続環境でしか利用不可
動作範囲
  • 内部にデータを溜められるバッチタイプは事実上無制限
  • 無線LAN搭載モデルは通信圏内であれば運用可能
  • 有線タイプはコード長が動作範囲
  • Bluetooth搭載モデルは最大10メートル程度
プログラム
  • 作業目的に応じて自由に本体内部のプログラムを書き換え可能
  • 本体にはプログラムはなく、接続先PCにソフトウェアをインストールして使用
その他
  • データを受ける機器にも専用のプログラムが必要
  • USBキーボードインターフェースを接続してキーボード入力が可能
よく使われる事例
  • 入出荷検品
  • 在庫管理
  • トレーサビリティ情報記録
  • 作業履歴データの記録
  • 伝票コード読み取り
  • 商品POSデータ読み取り
  • DVD・CDレンタルデータ読み取り
  • 図書貸出データ読み取り
結論

プログラム次第でさまざまな用途で活用可能。
汎用性が高く応用範囲が広いので場所を問わず利用できる。

コードを読み取るだけの単機能。簡単接続・低コストで導入できるが利用シーンは限られる。

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