ここが知りたいRFID【Q&A】
こちらでは、RFIDシステムの導入で悩みやすい項目をQ&A形式で紹介します。このほかにRFIDでわからないことがあれば、お気軽にキーエンスにご相談ください。キーエンスでは、RFIDだけではなく、バーコードとの併用も含めた運用コンサルティングを行っております。業界や使用用途に合わせて最適なRFIDソリューションをご提案いたします。
- Q. 海外展開を検討中。国内と同じRFIDシステムを使用できますか?
- Q. RFIDを利用する場合は、必ず無線機器の登録申請が必要ですか?
- Q. 高出力タイプ(1W以下)のRFIDリーダライタの出力を下げ、250mW以下で使用する場合でも電波利用申請は必要ですか?
- Q. 電波利用申請は、どのように行えばよいですか?
- Q. 複数のRFIDリーダライタを一括で申請できますか?
- Q. RFIDリーダライタには、どのようなタイプがありますか?
- Q. どのような業務がRFIDシステムに適していますか?
- Q. 電波の届く範囲なら、確実に読み書き可能ですか?
Q. 海外展開を検討中。国内と同じRFIDシステムを使用できますか?
A. UHF帯のRFIDに関しては、国や地域によって周波数が異なるので注意が必要です
RFIDは、主に「LF帯」「HF帯」「UHF帯」「マイクロ波帯」という4種類の周波数帯を使用します。この中で注意が必要なのがUHF帯のRFIDです。UHF帯のRFIDで使える周波数は860~930MHzですが、国によって使える周波数が異なります。たとえば、日本は915~928MHzですが、アメリカは902~928MHz、ヨーロッパは862~868MHzです。そのため、日本仕様のRFIDを海外に持っていっても使用できません。それぞれの国や地域に対応した周波数のRFIDを準備する必要があります。また、RFIDは、無線機器のため、それぞれの国や地域で機器認定を受ける必要があります。詳細については、お気軽にキーエンスまでご相談ください。
Q. RFIDを利用する場合は、必ず無線機器の登録申請が必要ですか?
A. 出力によって異なります。高出力タイプは、無線機器の登録申請が必要ですが、中出力タイプは登録申請不要です
RFIDリーダライタは、出力によって電波利用申請が必要です。具体的には、電波出力1W以下で、UHF帯の「高出力」に分類されるRFIDリーダライタは、総務省への電波利用申請が必要です。一方で電波出力が250mW以下で、「特定省電力」に分類されるRFIDリーダライタは、電波利用申請不要で利用できます。
キーエンスのハンディターミナル「DXシリーズ」では、高出力タイプ(1W以下)と中出力タイプ(250mW以下)という、2種類のRFIDリーダライタユニットを用意しています。高出力タイプは、数m先にあるRFタグの読み取りが可能ですが、電波利用申請が必要です。中出力タイプは、RFタグ読み取り可能な範囲が数10cm~1mと狭くなりますが、電波利用申請不要で利用いただけます。
Q. 高出力タイプ(1W以下)のRFIDリーダライタの出力を下げ、250mW以下で使用する場合でも電波利用申請は必要ですか?
A. 電波利用申請が必要です
RFIDリーダライタは、電波出力の調整が可能ですが、最大1W以下の電波出力を持つ、高出力タイプのRFIDリーダライタを使用する場合、出力を下げて使用する場合でも電波利用申請が必要です。高出力タイプ(1W以下)のRFIDリーダライタを使用する場合は、必ず電波利用申請を行ってください。
Q. 電波利用申請は、どのように行えばよいですか?
A. 地域を管轄する各地方の総合通信局で申請してください
電波出力が251mW以上のRFIDリーダライタを使用する場合は、利用する地域を管轄する各地方の総合通信局にて、電波利用申請を行ってください。また、無線局には、「構内無線局」と「陸上移動無線局」の2種類があります。工場や店舗内などの限られた場所で使用する場合は「構内無線局」、外に持ち出して使用する場合は「陸上移動局」となります。
Q. 複数のRFIDリーダライタを一括で申請できますか?
A. できます。申請には「個別登録申請」と「包括登録申請」という2種類の方法があります
RFIDリーダライタの電波利用申請は、1台ずつ登録申請する「個別登録申請」と、複数台を一度に申請する「包括登録申請」という2種類の方法があります。申請は、どちらも利用地域を管轄する総合通信局です。ただし、申請方法や申請にかかる期間、新規申請料などが異なります。申請にかかる期間は、個別登録申請の場合で約半月、包括登録申請の場合は約1か月となっています。詳しくは、総合通信局にお問い合わせください。
Q. RFIDリーダライタには、どのようなタイプがありますか?
A. 一般的には、形状と電波出力によって分類されます
RFIDリーダライタは、一般的に「ハンディタイプ」と「デスクトップ型・固定型」の2種類に分類されます。また、ハンディタイプは、「セパレート型」「ライドオン型」「モバイル搭載型」などに細分化されます。ハンディタイプは、バーコードスキャナのように手に持って使うタイプです。「デスクトップ型・固定型」は、レジカウンターに設置して利用するタイプ(デスクトップ型)や、外部アンテナを使用してゲートに設置するタイプ(固定型)などがあります。
そのほか、電波出力によっても「高出力タイプ(1W以下)」と「特定省電力タイプ(250mW以下)」に分類されます。高出力タイプは、離れた場所にあるRFタグの読み取りが可能ですが、電波利用申請が必要です。特定省電力タイプは、読み取り可能距離が短くなりますが、電波利用申請不要で利用できます。
Q. どのような業務がRFIDシステムに適していますか?
A. 棚卸しや検品など、多数の商品を調べるような業務に適しています
RFIDシステムは、「離れた場所にあるRFタグのデータを読み書きできる」「箱の中に隠れていて、RFタグが見えなくても読み書きできる」「複数のRFタグを一括で読み書きできる」「ゲートにアンテナを設置すれば、自動的にデータを取得できる」などの特徴があります。これらのメリットを活かし、多数の商品を数えたり、検査しなければいけない、棚卸しや検品といった業務の効率化に効果的です。そのほかにもさまざまなメリットや利用方法があるので、以下のページも参考にしてください。
Q. 電波の届く範囲なら、確実に読み書き可能ですか?
A. 使用環境によって異なります
RFIDシステムは、電波や電磁波を使って通信を行う性質上、周辺環境や設置方法、使用している周波数帯によって、通信距離や通信品質に多少のばらつきが発生します。たとえば、RFIDを金属の部品や素材に取り付けた場合、読み取りができなかったり、通信距離が短くなることがあります。また、複数のRFタグやアンテナを使う場合、電波を発する機器が近くにある場合は、干渉によってトラブルが発生することがあります。詳しくは、以下のページも参考にしてください。