OCR機器
OCR(光学的文字認識)を利用するには、印字文字や手書き文字を読み取る「OCRリーダー」という機器が必要です。そのほか、文字列を印字する方法によってはラベルや伝票などの媒体、またプリンタやレーザーマーカー、刻印機なども必要になります。そこでこちらでは、OCR機器に関して説明します。
OCRリーダーの種類
OCRは、「OCRとは?」でも説明したように紙資料や商品パッケージ、ラベルなどに印字された文字を読み取り、画像データとして取り込む必要があります。そのためにはOCRリーダーが必要です。そして、一般的に使用されるOCRリーダーは主に3タイプに分類できます。読み取るもの材質や大きさ、そのほかテキスト情報の内容、読み取り精度によって最適なOCRリーダーは異なりますので、じっくりと選定しましょう。まず、一般的な3種類のOCRリーダーを紹介します。
ハンディターミナル型
ハンディターミナルは、物流業界や製造業、小売業などでも見かけることの多い、データ収集用携帯端末になります。ハンディターミナル型のOCRリーダーは、賞味期限/消費期限や商品/部品に印字された品番など、1~2行の特定情報を読み取ることに適しています。また、製品によってはバーコードや2次元コードの読み取りに対応しており、幅広く使えるというメリットもあります。
キーエンスの製品では、「DXシリーズ」「BT-A500シリーズ」「BT-A700シリーズ」「BT-W300/W200シリーズ」などがOCR(文字認識)に対応しています。
据え置き型
ベルトコンベア上を流れる商品パッケージの賞味期限/消費期限の文字検査、生産ライン上に流れる部品/製品の品番や刻印のチェック、など、決まった場所で決まった文字を読み取る場合は、据え置き型のリーダーが適しています。
キーエンスでは、OCR(文字認識)に対応した画像処理システムに加え、31万画素から6400万画素までのカメラもラインナップしておりますので、どのようなシーンにも最適なOCRソリューションをご提案可能です。
パソコンソフト型
複合機やスキャナで画像を取り込み、パソコン用OCRソフトで文字認識する方法です。たとえば、書類や名刺などのOCR(文字認識)に最適です。使用する複合機やスキャナによってA3/A4サイズの読み取りも可能で、文字量の多いOCR処理に適しています。多彩な文字の読み取りに対応しており、読み取り精度の高いOCRソフトも各社から販売されています。
文字列の印字方法
OCRは、手書き文字でも文字認識できますが、 「OCR-A」や「OCR-B」のようなOCRフォントで印字したほうが正確かつ早い読み取りが可能です。また、確実な文字認識には、文字列の印字品質も重要です。そこで印字するものの材質や大きさ、使用目的などによって、最適な方法を選択する必要があります。こちらでは、文字列の印字方法について説明します。
ラベルや伝票、段ボールなどに印字する場合
- インクジェットプリンタ
- ラベルや伝票に印字する場合は、インクジェットプリンタが適しています。キーエンスでも産業用インクジェットプリンタ「MK-Gシリーズ」をご用意しております。 「MK-Gシリーズ」は、ラベルや伝票、段ボールへの印字はもちろん、お菓子や冷凍食品などの包装フィルムへの印字、そのほか電子基板やコネクタ、自動車関連部品など、幅広い業界で利用されております。
製品や部品に直接印字する場合
- レーザーマーカー
- 商品や部品などに直接印字する方法を「ダイレクトパーツマーキング(DPM)」と言いますが、そういった場合に最適なのがレーザーマーカーです。キーエンスでは、「YV04・ファイバレーザマーカ」「UVレーザーマーカ」「グリーンレーザーマーカ」「CO2レーザーマーカ」など、金属から樹脂、ゴムやガラスに対応できる、バリエーション豊富なレーザーマーカーをご用意しております。
- 接触式刻印機
- 刻印機とは、ワークに対して版で圧力を加えて刻印する機器の総称です。手動のものから自動のものまで幅広く、比較的低予算で導入できますが、量産に向かないものも多いので、小ロットで打刻を行いたい場合に適しています。また、非接触で打刻を行うレーザー打刻機もあります。
- 樹脂成型・金属成形機による凹凸文字
- 少し印字とはイメージが異なりますが、樹脂成型・金属成形機によって凹凸文字を印字することも可能です。