ハンディターミナル導入に必要な環境
在庫管理、データ照合、工程管理、トレーサビリティ、誤配送防止など、物流や製造をはじめさまざまな分野でハンディターミナルの導入が進んでいます。こちらでは、実際にハンディターミナルを導入するにあたり必要な環境をご説明します。
ハンディターミナルを運用するためには
ハンディターミナルは単体で各種コードの読み取りからデータ収集・送受信まで何役もこなす多機能が特長ですが、実際に導入するにあたり本体以外の周辺環境を整える必要があります。
ハードウェアとソフトウェア両面の整備が不可欠
運用にあたっては通信の相手方となるPCやサーバ、電力を供給するバッテリーおよび専用の充電器、場合によっては記録したデータを出力する専用のプリンタなどが必要になります。また、使用環境や目的に合わせてデータをどう集計し、加工するか、PC上などで集計したデータをどう表示させるかといったシステム上の機能や操作性に関わるソフトウェア開発も必須となります。そこで導入前にハードウェアやソフトウェアなどの周辺機器・環境をよく検討することが大切です。
ハードウェア構成を決める
通信環境
本体だけでデータの読み取りや蓄積ができるハンディターミナルですが、データを集計したり、各部署で共有・活用したりするにはPCやサーバとの連携が不可欠です。問題は、ハンディターミナル本体とPC・サーバとの間でどのような通信手段を用いるかですが、基本的には通信ユニットと無線LANの2系統から使用環境に応じて選択します。
使用場所が限定されている場合は通信ユニットを利用
使用場所が限られている、固定しているなら通信ユニットを選択します。LANケーブルやUSBケーブルを介してPCと接続します。
広い倉庫や店舗・工場内で使用するなら無線LANを利用
広い倉庫や店舗・工場内を移動しながら使用したい場合は、無線タイプのハンディターミナルを選択します。専用のアクセスポイントを設置して構内LANを構築する必要があります。無線LANによる環境構築を行う場合は、使用範囲が広くなるケースも多いので環境測定を実施し、運用環境に合わせて必要なアクセスポイントの台数や設置場所を策定します。
電源環境
携帯性や使い勝手の面からハンディターミナルはコードレスであり、電源はバッテリーを用いています。そのバッテリーも専用の充電池を使用するもの、汎用の乾電池を使用できるものなどいくつか種類があります。社内や構内だけで使用するのであれば、終業時などに本体ごと挿しておくだけで、自動的に充電してくれる専用のクレードルを用意すれば事が足ります。ただ、外回りの技術者や営業担当が外部に持ち出すようなことが想定される場合は、専用の充電器を使用するタイプより、外出先で充電切れになってもすぐ購入して交換できる乾電池や汎用の充電池を使えるタイプのハンディターミナルを選ばれることが多いです。
プリンタなどの周辺機器
よく目にする光景のひとつとして宅配便のドライバーが荷物の受け渡し時に印字している場面があります。ハンディターミナルの魅力は、データの読み取りや集計だけではなく、プリンタを接続すればその場で印字できることです。倉庫内や工場内で読み取ったデータをラベルに印字してダンボール箱に貼りたい、出荷用にバーコードを発行したいといった場合は、別途プリンタを用意する必要があります。ハンディターミナル用として、携帯できる小型のプリンタもあるので用途に合わせて準備します。
ソフトウェアを開発する
ハードルが高い専用ソフト開発
ハンディターミナル本体、通信機器、バッテリー、プリンタなどの周辺機器を含むハード環境を整備するよりもハードルが高いのが専用のソフトウェア開発です。読み取ったデータをどう集計して加工するのか、画面上での操作をどう実現するかといったシステム構築は本来ならSE(システム・エンジニア)の領分だからです。当然、ハードを導入する際は、開発費にも多額の投資が必要になります。業務効率化のためにハンディターミナルを導入したいと思っていても、ソフトウェア開発がネックになって実現に至らないというケースも少なくないはずです。
一般的なソフトウェアの開発手法
社内システムの有無や仕様によってハンディターミナルの導入要件は様々ですが、一般的に以下の4つの開発手法に分けることができます。
組み込みアプリケーション
ハンディターミナルに実行アプリケーションを持たせるパターンです。「データを蓄積したい」「デバイスをリッチに制御したい」「簡単に開発したい」という企業様に最適です。
WEBアプリケーション
WEBサーバ上のページをハンディターミナルのブラウザが参照するパターンです。「WEBアプリケーションを利用したい・している」「アプリケーションを一元管理したい」という企業様に最適です。
ターミナルサービス
PCアプリケーションをハンディターミナルがエミュレートするパターンです。「PCアプリケーションをそのまま使用したい」「アプリケーションを一元管理したい」という企業様に最適です。
端末エミュレータ・ミドルウェア
サードパーティ提供の端末エミュレータ・ミドルウェアを使うパターンです。「高速かつリッチなWEB型システムを構築したい」「ハンディターミナル上でAS/400、SAPのエミュレータを利用したい」「アプリケーションを一元管理したい」という企業様に最適です。
ニーズに応じた開発手法の選び方
上述した4つの開発手法は、ハンディターミナルで何を行いたいか、現場のニーズに合わせて選択する必要があります。ハンディターミナルに求められる主な機能と、そのニーズを実現するための開発手法をご紹介します。
データを蓄積したい
- ハンディターミナル内にデータを保存したい。
- 無線LAN環境がなくてもハンディターミナルを使用したい。
最適な開発手法
組み込みアプリケーション
デバイスをリッチに制御したい
- ブザー/バイブレーター/ファイル操作など、さまざまなデバイスの制御を自由にプログラミングしたい。
最適な開発手法
組み込みアプリケーション
WEBアプリケーションを利用したい
- WEBアプリケーションの開発が得意、すでにWEBシステムの資産があるので有効活用したい。
- WEBシステム上でハンディターミナルを動作させたい。
最適な開発手法
WEBアプリケーション
アプリケーションを一元管理したい
- ハンディターミナルではなく、サーバ上でアプリケーションを一元管理したい。
- アプリケーション配布の手間を削減したい。
最適な開発手法
WEBアプリケーション、ターミナルサービス、端末エミュレータ・ミドルウェア
PCアプリケーションをそのまま利用したい
- PCアプリケーションの資産があるので有効活用したい。
- ハンディターミナル上でPCアプリケーションを動作させたい。
最適な開発手法
ターミナルサービス
高速かつリッチなWEB型システムを構築したい
- サードパーティ提供のミドルウェアを使い、WEB型のシステムでクライアント・サーバシステムのような速度・操作性で運用したい。
最適な開発手法
端末エミュレータ・ミドルウェア
ハンディターミナル上でAS/400、SAPのエミュレータを利用したい
- サードパーティ提供のエミュレータソフトを使い、AS/400、SAPをエミュレートしたい。
- 新たにインターフェースプログラムを開発する手間を省きたい。
最適な開発手法
端末エミュレータ・ミドルウェア
キーエンスならプログラミング不要で簡単にソフトウェア開発可能
ハンディターミナルを利用する場合、「組み込みアプリケーション」「WEBアプリケーション」「ターミナルサービス」「端末エミュレータ・ミドルウェア」などのソフトウェア開発手法がありますが、どの方法でも開発コスト・納期がかかってしまいます。その 問題を解決し、より簡単に “自前”で専用ソフトを開発できるようにしたのがキーエンスの開発ツールです。
最大の特色は何と言っても“ノンプログラム”だということ。難しいコンピュータ言語を一切知らなくても、PC画面を見ながら豊富なテンプレートやGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ツールから必要な機能、アイコンなどを選ぶだけで専用ソフトが 誰にでも構築できます。これなら専門業者やエンジニアに開発を発注する手間、コスト、時間も省けてムダがありません。しかも自前で簡単、スピーディーにシステム開発できるから、低予算、短期のシステムプロジェクトでも無理なく対応できます。
- 「簡単に開発したい」というご要望にキーエンスがお応えします!
- ハンディターミナルBTシリーズ用「BT運用・開発ツール」を利用すれば、アプリケーションを簡単に開発できます。低予算・短納期のプロジェクトでも柔軟に対応したいという企業様にピッタリです!
導入のお悩みを解決するBT運用・開発ツール
「BT運用・開発ツール」を利用すれば、以下のようなハンディターミナルの運用・導入のお悩みを解決できます。ソフトウェア開発でお悩みでしたら、ぜひキーエンスまでご相談ください。
プログラミング不要で自社専用アプリケーションが作成可能
「BT運用・開発ツール」は、面倒なプログラミングは一切不要。業務内容に合わせて用意されたテンプレートをカスタマイズするだけで自社専用のアプリケーションが、すぐに作成できる開発・運用支援ツールです。
テンプレートから最短5分!
ハンディターミナルの利用シーンを想定し、さまざまなテンプレートを用意しているので、テンプレートを選んで業務に合わせてカスタマイズするだけでアプリケーションが作成できます。
ノンプログラミングで簡単作成!
ハンディターミナルのアプリケーション開発は、ライブラリからパーツを選択してドラッグ&ドロップするだけで直感的に作成可能。プログラミングの知識がなくても簡単にソフトウェア開発ができます。
収集データの運用も自由自在!
開発だけではなく、収集データを統計表示するための運用アプリケーションも搭載。データベースでの運用に加え、CSV出力にも対応しているのでさまざまなアプリケーションに収集データを取り込むことができます。