ポカよけ
ものづくりの現場では避けては通れない「ポカミス」による不良発生を発見または防止する仕組みが「ポカよけ」です。こちらでは、ポカミスやポカよけの基本的な知識に加え、ハンディターミナルシステムを使ってポカよけを行う方法やメリット、導入方法、運用の流れなどをご紹介します。
ポカよけとは
ものづくりの現場では、不良の原因ともなる人為的ミスが発生します。
この人為的な作業ミスを総称して「ポカミス」と呼び、ポカミスの発生を防止する、またはポカミスが起きても不良混入を防ぐ仕組みを「ポカよけ」と言います。
その仕組みは、不良を予知する「異常停止」「ミス規制」「予知警報」と、不良を検知する「不良停止」「流れ規制」「発生警報」に分けられます。さらに、不良が発生した工程や原因を特定することができるので、再発防止のための改善策を打つことができます。
まとめると「ポカよけ」は、不良発生を知らせ、万が一の不良混入を防ぎ、さらに再発防止によって不良が発生しないようにつなげる仕組みと言えます。
ハンディターミナルによるポカよけ
ものづくりの現場には、さまざまなポカミスの要因が潜んでいます。例えば、品番の読み間違い、部品の取り違い、金型や治具のセットミス、原材料の調合ミスなど挙げだせばきりがありません。そのようなポカミスもハンディターミナルによる照合を徹底すれば防ぐことが可能です。こちらでは、ハンディターミナルを活用したポカよけをご紹介します。
出荷検品および現品・かんばん照合によるポカよけ
客先かんばんと社内かんばんのバーコードや2次元コードを読み取り、2重チェックすることで出荷時に異品・欠品の可能性を限りなくゼロに近づけることができます。さらにハンディターミナルの液晶画面にワーク画像を表示して、目視による3点照合を行えばポカよけの効果はさらに高まります。
部品入荷時・部品補充時の棚投入ポカよけ
部品や原材料入荷時、または補充時の棚への誤投入を防ぐために、部品に現品ラベル(バーコード)を貼り、部品棚にも品番のバーコードを貼り付け、ハンディターミナルで両方のバーコードの照合作業を行います。目視では類似部品を誤投入する可能性もありますが、バーコードで管理すれば部品の棚入作業のポカミスを避けることができます。
原材料の調合・配合のレシピチェック
生産開始または段取り替え時に製造指示書と、これから投入する原材料のバーコードを照合することで調合・配合ミスを予防できます。
金型・治具のセットチェック
多品種少量生産の場合、段取り替えの頻度も多くなり、似た金型・治具を使用することもあります。その結果、金型・治具のセットミスが発生します。そこで金型・治具にあらかじめバーコードを貼っておき、製造指示書と各金型・治具を照合することでセットミスを防止します。
文字認識による現品票と商品の照合
OCR(文字認識)に対応したハンディターミナルなら、バーコード化されていないシリアルナンバーやロットナンバーなどの文字を読み取ることが可能です。文字認識で現品票を読み取り、商品と照合すれば目視チェックに比べて確実性もスピードもアップします。ミス撲滅に加えて作業効率改善に効果的です。キーエンスのハンディターミナルBTシリーズは、OCR対応機種も用意しています。
ハンディターミナルのメリット
ポカよけにハンディターミナルを導入するメリットについてご紹介します。
類似製品の取り違えによるポカミス撲滅
外観が似た製品が増えると、作業経験の浅いオペレーターには同じものに見えてしまう恐れがあります。その際に製品にバーコードや2次元コードを付与し、確認時にハンディターミナルで読み取れば取り違えによるポカミスを撲滅できます。
制御機器にデータや信号を出力可能
ハンディターミナルで読み取ったデータを制御機器(表示灯・インターロック)などに出力することで、照合NG時にエラー発生を表示灯で警告したり、照合OK時にインターロックを解除したりできます。各種作業時のポカミスを撲滅可能です。
作業データをPCやサーバにリアルタイム送信
ハンディターミナルで読み取ったデータをPCやサーバにリアルタイム送信すれば、ポカミス発生を本部・事務所で監視できます。リアルタイムでポカミスを知ることができ、前工程での作業情報も確認できるので発生原因の特定に効果を発揮します。