RFID読み取りトラブル

RFIDシステムで発生しやすい読み取りトラブルについて紹介します。RFIDは、電波や電磁波による無線通信かつ、バーコードのように直接スキャンしないので、周辺環境や設置方法、使用している周波数帯などによって、読み取りトラブルが発生します。こちらでは、特に発生しやすい状況と、その解決策をわかりやすく解説します。

部品や素材による読み取りトラブル

RFIDシステムは、部材や素材によって通信トラブルが発生します。特に金属の部品や素材の場合、影響を受けやすくなります。具体的には、RFタグを金属面に貼り付けると、読み取りができなかったり、通信距離が短くなったりすることがあります。そのような場合は、RFタグを金属面から少し浮かしたり、金属素材に対応したRFタグを選定したりする必要があります。

複数のRFタグと通信するときの読み取りトラブル

RFIDのメリットは、複数のRFタグのデータを一括で読み書きできることです。ただし、複数のRFタグの読み書きを行う場合、RFタグ同士の干渉に注意が必要です。具体的には、RFタグ同士が重なっていると、RFタグに内蔵されたアンテナ間で干渉が起こり、読み書きできなくなる可能性があります。このような読み取りトラブルは、RFタグの取り付け方法や貼り付け方法を工夫したり、干渉が起きないようにある程度離して設置したりすることで解決できます。

複数のアンテナを設置した場合の読み取りトラブル

RFタグのデータを読み書きするためには、ハンディ式や固定式のRFIDリーダライタを使います。特に固定式の場合は、読み書きを行うためにアンテナを別途設置することもよくありますが、複数のアンテナを設置する場合には注意が必要です。リーダライタ側のアンテナを接近して複数設置すると、Wi-FiやBluetoothなどの無線通信と同様に相互干渉が発生し、読み取りトラブルが発生することがあります。特にアンテナの出力が大きいほど、影響も大きくなります。対策としては、アンテナ同士の間隔を十分に確保し、相互干渉を防ぐことです。どうしても近接して設置しなければいけない場合は、アンテナの出力を落としたり、向きを変えたりするなどの工夫が必要です。

周波数帯の違いによる読み取りトラブル

RFIDシステムの無線通信には、LF帯やHF帯、UHF帯、マイクロ波帯などの周波数帯が用いられています。周波数によって通信可能な距離や材質による影響などが異なります。そこで、用途に応じて最適な周波数帯のRFIDシステムを選定する必要があります。ちなみにLF帯やHF帯は、通信距離が約1m程度と短く、逆にUHF帯は通信距離が約5mと長くなっています。また、マイクロ波帯は、電子レンジやスマホ通信と同じ周波数帯なので、電波干渉が起きやすいといった課題もあります。そういった周波数特性を理解し、RFIDシステムを導入しましょう。詳しくは、以下の関連ページもあわせてご確認ください。

アンテナとRFタグの位置関係による読み取りトラブル

RFIDシステムは、RFIDリーダライタ側のアンテナとRFタグ側のアンテナの位置関係によって読み取り性能が変化します。具体的には、アンテナ同士が平行だと読み取り性能が最大化します。逆にリーダライタのアンテナに対してRFタグ側のアンテナが垂直になると、著しく性能が低下して読み取りができないといったトラブルが発生します。一番簡単な方法は、常にアンテナ同士を平行にすることですが、難しい場合は特性の異なるRFIDシステムを選ぶといった工夫が必要です。ハンディターミナル「DXシリーズ」は、これらの影響を比較的受けにくい円偏波のRFIDアンテナを採用しています。

ハンディターミナル活用ガイド トップへ戻る