お客様導入事例丸美屋食品工業株式会社 様
丸美屋食品工業株式会社 埼玉工場製造三課係長 井上徳貴氏、製造業務部工務課係長 桑野和彦氏にUVレーザーを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。
ふりかけ「混ぜ込みわかめ」への賞味期限印字にUVレーザーを採用
丸美屋は、1960年発売した「のりたま」を代表に日本食の中心である"ごはん周り"の商品を、半世紀以上にわたり開発・展開している総合食品メーカーです。
生活様式や嗜好が多様化する世の中においても、「おいしく、手軽に」、「家庭の味わい」をお届けすることをモットーに据え、常にこの原点にこだわった商品開発をおこなう中で、世の中のニーズにあった新たな食文化を提供し続けています。
UVレーザーを検討することになった背景について教えてください
弊社では、これまでサーマルプリンタを使用して賞味期限を印字してきましたが、「印字品質・メンテナンス性・ランニングコスト」のそれぞれで課題を抱えていた状況でした。まず「印字品質」については、ふりかけを製造する工程で生じる粉がパウチに付着することにより文字欠けを起こすケースがあり、後工程の印字検査で一定の不良が発生していました。またメンテナンス性については、毎日のインクリボン交換はもちろんですが、サーマルヘッドの調整も現場担当者の熟練度に大きく左右され、作業時間が5分の時もあれば1時間以上かかる時もあるなど、バラつきが生じていました。インクリボンやサーマルヘッドは消耗品なので、年間数百万円単位で発生するランニングコストを低減させたいというニーズも大きかったです。もちろん、これらはサーマルプリンタを使う以上は当たり前に発生しうるものという認識はあったのですが、『何か良い解決方法はないか?』という狙いで、展示会に情報収集にいったことがUVレーザーを知る最初のきっかけでした。
UVレーザーの第一印象について教えてください
UVレーザーは、従来のサーマルプリンタで必要だった「インクリボン交換がいらなくなる」ということに強く心を揺さぶられました。なぜならば、毎日作業者がインクリボン交換でラインを止めていた「ダウンタイムを無くすことができる」ということは、当初考えていたよりさらに大きなメリットを出せると感じたためです。そこで、現状発生している印字不良、ランニングコストに加えてダウンタイムについても具体的な金額に落とし込んで効果を確認しました。その結果、費用対効果を十分出せるという試算となり、そこからはトントン拍子で話が進みました。導入検討時には、もとのサーマルプリンタの黒い印字に比べると「印字がグレーに見える」という声は一部でありましたが、スーパーに行けば既に市場に出回っているUVレーザー印字の商品がたくさんあったので、今思えばそういった事実も導入の後押しになっていたと感じます。もちろんUVレーザーの印字テスト結果も問題なく、包材にダメージがないことも確認でき、導入に至りました。
UVレーザー導入後の効果を教えてください
UVレーザーを導入してからは、当初試算した効果に対して実際どのぐらいの結果が出るのかを継続して確認していたのですが、正直に申し上げると「ちょっと結果が良すぎるぞ」というのが率直な感想になります笑。具体的には、印字不良発生率が、誰も想像しなかったレベルで低減されている結果となりました。当初の試算では、従来の不良発生率に対して50%程度減少できれば効果が大きいと目論んでいたのですが、蓋を開けてみればUVレーザー起因での印字不良は実質ゼロになっています。私はこれまで20年以上包装工程に携わっており、ホットプリンタ、サーマルプリンタを使用してきましたが、今回UVレーザーを導入してからは今まで想像もつかなかった世界を体験しております。日報で不良率を0.00%なんて桁数で書く日が来るとは思いませんでした。
その他、UVレーザー導入後にわかったことなどあれば教えてください
金額に表れにくい部分ですが、現場オペレーターの包装印字工程に対する印象や作業環境が変わったことも大きな変化と感じています。例えば、弊社では朝一のライン始動時に印字品質に問題ないかをチェックしているのですが、UVレーザーに変えてからはボタンを押すだけで機械を起動でき、かつ印字不良もまったく起こらないことがオペレーターの心理的な負担軽減に繋がっています。また、従来は何かメンテナンスが突発で発生すると、限られた時間の中で素早く作業をしなければいけないという心理的な負荷がありました。UVレーザーに変えてからはメンテナンスフリーで使えているので、そういったストレスから解放された部分は大きいと思います。さらに、ダウンタイムがなくなったことで毎日の現場オペレーターの作業時間を短縮することができています。日々の生産ラインでの作業後、余裕が生まれた時間で他の設備のメンテナンスや清掃の時間にあてることができ、良い変化が生まれています。
今後の、UVレーザーの活用方針について教えてください
導入から約1年が経過し、想像以上の効果を確認できましたので、来期は別商品の包装機で使用しているサーマルプリンタもUVレーザーに切り替える予定にしています。現場担当者からは「もっと早く導入してほしかった」とか「こっちの包装機にも早く導入してほしい」といった嬉しい声が聞こえてくるので、今後もUVレーザーを導入していくことで現場環境の改善と生産効率UPに取り組んでいきたいと考えています。これまでの課題がすべて解決されただけでなく、数字に表れる部分でも、数字には表れにくい部分でも、想像以上に良い結果をもたらしてくれたUVレーザーにこれからも期待しています。
給袋包装機にUVレーザーを取り付けて使用。UVレーザーに変えてからは日々の作業進捗率が常にプラスの状態を維持できている
「混ぜ込みわかめ」シリーズの各種パッケージにUVレーザーで日付印字をおこなっている