お客様導入事例カネハツ食品株式会社 様

カネハツ食品株式会社 佃煮煮豆製造部 部長 加藤忠慶氏にUVレーザプリンタを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「サラダに!まめ」シリーズをはじめ各種パッケージへの賞味期限印字にUVレーザプリンタを採用

UVレーザプリンタの「絶対に消えない印字」には、消耗品コスト削減をも上回る効果があると実感しています

カネハツ食品株式会社について

カネハツ食品は、1942年の創業以来、佃煮・煮豆・お惣菜・おせちを基盤に事業を展開している“おかず文化”のリーディングカンパニーです。日本の伝統的な食文化を守り、引き継いでいくと同時に、現代の多様化するライフスタイルの変化に寄り添いながら、常に世の中に必要とされる“からだにおいしい”おかず文化の創造に取り組んでいます。

UVレーザプリンタを導入することになった背景について教えてください

当社では従来、賞味期限印字工程においてはホットプリンタ・インクジェットプリンタを使用してきたのですが、どちらの方式においても「印字不良のリスク」という点で課題を持っている状況でした。まずホットプリンタにおいては、版をフィルムに押し当てて印字する方式なので、版の摩耗やフィルムの厚みの違いによって接触圧が弱くなると印字カスレに繋がるケースがありました。逆に接触圧が強くなりすぎるとピンホールが発生するリスクがありますので、このような接触圧のバラつきが発生してしまうことへの対応に苦労していました。次にインクジェットプリンタについては、ホットプリンタとは違い非接触で印字ができるので、接触圧に対するリスクは解消できるのですが、印字後の煮沸工程・出荷搬送工程での印字カスレのリスクというのがありました。煮沸工程においては100℃以上の高温で2時間以上熱殺菌をおこなうのですが、そのような工程に対応できるインクを選定したとしても、出荷時の搬送中に商品パッケージの印字部が段ボールに擦れて印字が消えてしまうリスクがありました。このようなリスクを回避するために、商品箱詰め時には、わざわざ手作業で商品を摩耗から保護するための袋に入れた後に段ボールに封入するケースがあるなど、印字消えが起こらないよう細心の注意を払って対応していたので、手間がかかっていました。このような「印字消えのリスク」を根本的に解決できる手法はないか情報収集をする中で、キーエンスの包装フィルム用UVレーザプリンタの存在を知り、印字が絶対に消えることがないというメリットに加えて、消耗品コストがかからない、メンテナンスフリーといった特長があるということで検討することになりました。

UVレーザプリンタをご採用いただくことになった決め手を教えてください

「印字消え」がなくなることによって、プリンタの消耗品コストがゼロになるだけでなく、それ以上に従来印字不良によって発生していた商品ロス額がゼロになること、という点が決め手となりました。従来は、煮沸後のチェック工程において印字消えによる商品ロス率が生産数量全体の1%程度発生しており、商品単価にすると年間数百万円のロスに繋がっていました。これらの商品は既に煮沸工程を経た後になるため再生することができず、従来はそのまま廃棄するしかありませんでした。当社の生産ラインで従来使用していたプリンタでは、年間数十万円程度の消耗品コストが発生していたので、UVレーザプリンタに変えることでその部分がゼロとなる点も魅力的でしたが、それ以上にこの印字不良ロスがゼロになるという点において大きなメリットがあると判断し導入することにしました。

UVレーザプリンタ導入後の効果を教えてください

UVレーザプリンタを導入した結果、実際に「印字不良はゼロ」で運用ができており、導入当初の期待通り商品ロスを無くすことができています。もちろん日々の消耗品コストもゼロとなっております。「印字が消えない」という安心感は、製造工程における品質向上という側面で良い効果を発揮しています。例えば、当社では商品に応じて煮沸工程の時間・温度も異なることに加え、内容物によってパッケージの凹凸も変わることで輸送中の摩擦度合いが変化します。従来のインク方式ではこれらの諸条件の変化でも確実に印字が消えないことを検証する必要があり不安が完全に拭いきれなかったですが、今ではそのような心配に気を揉む必要が一切無くなりました。当社では、商品種類ごとに一番おいしくお客様にお届けすることを第一優先に、製造工程の加工条件にこだわって生産しています。この生産条件を最適化していく中で、「印字が消えるか消えないか」という外的要因を気にする必要が無くなったことは、商品の品質向上にも寄与しています。

35回転/分の古川製作所の給袋包装機にキーエンスのUVレーザプリンタを搭載 スペースの限られた箇所にも確実に設置して運用できている

その他、UVレーザプリンタ導入後にわかったことなどあれば教えてください

印字消え・カスレなどの印字事故が起こらなくなったことによって、生産ラインのダウンタイムが無くなった点についてもメリットと感じております。当社の生産ラインは、製造工程・包装工程・仕込み工程など担当グループごとに時間帯を分けて毎日の業務にあたっています。つまり、印字工程においてもトラブルで長期ライン停止が発生してしまうと後工程への影響が出てくることになります。UVレーザプリンタによって印字工程がトラブルなく安定稼働するようになったことは、生産ラインを計画通り運営していく上でも役立っています。メンテナンスについても、段取り替えタイミングなどでたまにレンズを拭く程度でまったく手間はかかっておりません。従来であれば一部メンテナンス作業では経験が求められ特定の担当者しか対応できないケースなどもあったのですが、UVレーザプリンタは手離れも良く誰でも扱える点もメリットと感じております。今回実際に導入して良い効果が確認できましたので、今後も従来方式のラインは順次UVレーザプリンタに更新していく予定です。今後も期待しています。

各種パッケージにUVレーザプリンタで日付印字をおこなっている

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