お客様導入事例プリマハム株式会社 様

プリマハム株式会社 生産本部 生産統轄部 業務課長 中里晃氏にUVレーザプリンタを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「香薫®あらびきポーク」への賞味期限印字にUVレーザプリンタを採用

UVレーザプリンタ導入は、「印字不良ゼロ」「作業負担軽減」
「生産効率UP」と幅広い効果が得られています

プリマハム株式会社について

プリマハムは、「香薫®あらびきポーク」「サラダチキン」「スマイルUP!®ロースハム、ベーコン」などに代表されるように食肉、ハム・ソーセージ、加工食品業界のパイオニアとして事業展開をおこなっております。
「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」を会社の目指す姿とし、時代とともに多様化する食シーンの変化、消費者ニーズの変化に対応しながら、絶えざる革新を続けるなかで生み出される高品質な商品は世の中の人々から大きな支持を得ています。

UVレーザプリンタを導入することになった背景について教えてください

当社では、賞味期限印字の工程においてはこれまで、ホットプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタとそれぞれ使用してきましたが、いずれの方式においても「印字消え・欠け」対策という点において継続した課題を持っていました。
UVレーザプリンタ導入検討時には大半の生産ラインがサーマルプリンタを使用しての製造となっておりましたが、当社は食肉製品を製造している特性上、どうしても何らかの原因で製品の油分が印字部分に付着することにより印字不良が発生し、更には、製品を輸送する際に製品の印字部が段ボールの内面と擦れることによる印字欠け等も発生しており、改善に向けて対応に苦慮しておりました。
加えて、印字消え・欠けの問題以外にも、サーマルプリンタのインクリボン交換も大きな作業負担となっておりました。当社は生産効率UPのための改善活動に日々取り組んでおり、段取り替え時の細かな作業手順の最適化等を積み重ねることによって生産ライン停止時間を最小限に抑えられるよう対応しております。
その中で、サーマルプリンタを使用する上ではどうしても避けて通れないことではあるのですが、インクリボン交換をする際には必ず包装ラインを停止させる必要が生じるため、生産効率の低下を招く大きな要素の1つとなっておりました。
このような状況を改善するべく、当社の技術部門が展示会等を通じて情報収集をしている中で、キーエンスのUVレーザプリンタを知ることとなりました。UVレーザプリンタのインクリボン不要で消えない印字が可能という特長は、当社の課題であった「印字不良ゼロ化に向けた改善、作業性向上による生産効率UP」の両方を解決できると分かり検討を進めることとなりました。

UVレーザプリンタをご採用いただくまでの経緯を教えてください

UVレーザプリンタ導入にあたっては、まず当社の技術部門、生産部門にて当社の工場が抱えている問題の対策として効果があるのかをあらゆる面から検証し、UVレーザプリンタの導入が最適な手段であるという結論に達しました。
品質保証部門からは日付が消えないということに大きなメリットがあり「印字品質向上」に効果があると理解を得られ、環境部門からも従来インクリボン廃棄にかかっていたCO2排出削減できSDGsの取り組みにつながるという評価をもらいました。一方で、営業部門からは印字の色が「黒」から「グレー」に変わることから、お客様が認識しづらくなるのではないか?という懸念の声が上がりました。
これまで製造、品質保証、生産調整などそれぞれの仕事に携わってきた私としては、UVレーザプリンタの様々なメリットを考えると「間違いなく今後はUVレーザプリンタの印字が世の中のスタンダードになる可能性がある」と考えておりましたので、営業部門の本部、各支店の会議を通じて丁寧に直接対話することで理解を得られるよう進めていきました。UVレーザプリンタの消えない印字が「印字品質向上」に繋がり、印字不良が市場に流出し対応に迫られるリスクを根本的に解消できるメリットや、既にUVレーザプリンタが採用され店頭に出回っている他社の商品実績なども後押しになり、最終的には社内すべての部門で理解を得られることができ、導入する運びとなりました。

UVレーザプリンタ導入後の効果を教えてください

縦ピロー包装機のラインに
キーエンスのUVレーザプリンタを搭載

UVレーザプリンタを導入して約1年が経過しましたが、当初想定していた通り「印字品質向上」は達成されており、実際に印字不良ゼロの運用が出来ております。また、サーマルプリンタ特有のインクリボン交換作業もゼロとなり、従来包装ラインを止めていた時間はそのまま生産時間に変わったことで、生産効率UPの効果も実感しております。また、導入検討時には印字の色が「グレー」になるという懸念の声がありましたが、実際に導入してみるとお客様からの「賞味期限印字が見えにくい」という声は頂いてはなく、市場に自然に受け入れられていると感じています。今では当社内でも印字色の「グレー」が議論になることは無くなりました。
これに加えて、導入して改めて感じたこととして、印字不良が起こらなくなったことで、包装作業担当者や生産部門に属する社員への精神的負担が大きく軽減できたということです。サーマルプリンタを使用していた時は、「印字不良があるかもしれない」という潜在的な不安を常に抱えながら日々の作業をおこなっておりました。そして、実際に印字不良が発生した際は、その都度原因を究明し対策を取るわけですが、一口に原因といってもサーマルヘッド自体の劣化、油分の付着、印字部の摩擦、サーマルヘッドの受けゴム摩耗など多岐に渡るため、原因が推測の域を出ないこともありました。これに加えて「いつから印字不良が発生していたのか」という時間的な要素も考慮しながらの対応になるため精神的に大きな負担がかかっておりました。
現在では印字不良がゼロとなったことで、心配事が無くなったことはUVレーザプリンタ導入の大きな効果として評価しております。

今後のUVレーザプリンタの活用方針について教えてください

新ライン増設タイミングに合わせUVレーザプリンタの導入を順次進めており、同様の効果が得られています。今後は本体工場だけでなく当社のグループ会社にもUVレーザプリンタの導入を進めることで、プリマハムグループから「日付不良」を無くすと共に、インクリボン交換が無くなったことによる「作業改善」の効果や、CO2排出削減による「環境負荷低減」の効果を取り込みながら、プリマハム全体で安心安全な商品をお客様に提供して参ります。これからもUVレーザプリンタには期待しています。

「香薫®あらびきポーク」「スマイルUP!®」等のパッケージにUVレーザプリンタで日付印字をおこなっている

食品包装技術入門 トップへ戻る