お客様導入事例有楽製菓株式会社 様
有楽製菓株式会社 豊橋夢工場副工場長 若見圭佑氏にUVレーザプリンタを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。
「ブラックサンダー」への賞味期限印字にUVレーザプリンタを採用
有楽製菓は、大ヒット商品「ブラックサンダー」を皮切りに“手のひらサイズのポケット菓子”のジャンルおいて大きなシェアを獲得している食品メーカーです。
「夢のある安くておいしいお菓子を創造すること」を経営理念に据え、“日本一ワクワクする菓子屋”を目指して常に挑戦と変革を続けていく中で、世の中を賑わすユニークで高品質な商品を展開しています。
UVレーザプリンタを検討することになった背景について教えてください
当社では、もともと包装印字工程においてはサーマルプリンタを使用していたのですが、「消耗品のランニングコスト」と「印字トラブルの対策」という2つの大きな課題がありました。まず「消耗品のランニングコスト」についてですが、当社のブラックサンダーは1分間に300個包装する高速ラインで生産をおこなっています。そのため、印字工程におけるサーマルプリンタのインクリボン消費量が多く、その他の定期交換部品の費用も含めると1ラインで年間300万円程度のコストがかかっていました。次に「印字トラブルの対策」についてですが、包装フィルムに付着している粉がサーマルプリンタのヘッドに堆積してしまうことで印字不良が発生していました。もちろん文字検査カメラで印字結果をチェックする体制をとっていましたが、印字不良は突発的に発生しますので、そのたびにヘッド清掃・ヘッド交換などの各メンテナンス対応に追われました。これらの課題というのは、サーマルプリンタを使用する上では当たり前のことなので仕方ないという認識はあったのですが、ブラックサンダーのように回転数の高い生産ラインにおいては、その影響度合いが大きなものでした。
そのような中、当時生産ラインを増設する検討タイミングがあり、『印字工程の課題を根本的に解決できる方法はないか?』という思いから情報収集する中で、展示会などを通してキーエンスのUVレーザプリンタの存在を知りました。
UVレーザプリンタをご採用いただくまでの経緯を教えてください
装置メーカーのフジキカイ、キーエンスの協力を得ながら、実際の包装フィルムへの印字テストと包装機への設置確認などを進めました。インクリボンを使わない新しい印字方式ということもあり、検討当時は「印字が黒ではなくグレーに見える」という社内の声はあったのですが、UVレーザーはそもそも光で対象物を発色させるので印字方式が全く違うこと、そして印字が消えることがないというメリットがあること、これらの理解が得られるよう働きかけをおこないました。最終的には『消える可能性のある黒い印字より、絶対に消えることのないグレーの印字』という観点で関係部署の理解も得られて、導入するに至りました。もちろん、導入してから現在まで、印字の見栄えが変わったことによるクレームは一切発生していないので安心しています。
UVレーザプリンタ導入後の効果を教えてください
当初の期待通り、UVレーザプリンタを導入したことによって消耗品コストはゼロ円になり、印字機が原因の印字不良もまったく起こらなくなりました。これまでサーマルプリンタで課題だった点は完全に解消できています。ただそれ以上に、実際にUVレーザプリンタを使ってみて効果として大きいと実感している点が「包装ラインがまったく止まらなくなった」ということです。従来であればインクリボンの交換、サーマルヘッドの清掃などの毎日のメンテナンス時には包装工程を止める必要がありましたが、当然、上流工程から流れてくる商品を止めることはできません。結果として、包装されないままの商品の滞留が発生することとなり、かつてはそのようなロスが1日に1万個程度発生していました。UVレーザプリンタに変えてからは、従来必要だった毎日のメンテナンスはゼロとなったので、包装ラインでダウンタイムが発生することも無くなりました。その結果、稼働時間はまったく変えていないにもかかわらず、1日1万個多く商品を生産できるラインに変わってきております。年間にすると350万個以上多く生産できることを意味するのでその効果は大きいです。
300回転/分のフジキカイの横ピロー包装機にキーエンスのUVレーザプリンタを搭載
その他、UVレーザプリンタ導入後にわかったことなどあれば教えてください
ダウンタイム削減が、商品の品質向上にも繋がっていることも大きなメリットと感じています。実は先ほどお伝えしたダウンタイムによって商品滞留が発生すると、包装ラインへ再投入する工程が増える分、商品の品質が落ちないよう細心の注意を払う必要がありました。
当社は創業当時から「品質の高い商品をお客様にお届けする」ことに強いこだわりを持ってものづくりに取り組んできました。ダウンタイムが発生しないことは、商品にストレスをかけることなく高い品質を保って包装できるということを意味しますので、その点においてもUVレーザプリンタが当社の理念とマッチしていると感じております。
今後のUVレーザプリンタの活用方針について教えてください
今回実際に導入してUVレーザプリンタのメリットを実感できたので、今後も基幹ラインから順次更新していく予定をしています。UVレーザプリンタを導入した包装ラインでは、メンテナンスがないこと、ダウンタイムがないことが当たり前になっており、現場オペレーターの方からも「包装ライン、止まらなくなったね」「早く他のラインも変えてほしい」という嬉しい声も聞こえてきています。従来は現場オペレーターの方が、ラインが止められない緊迫感の中、入り組んだ箇所のメンテナンスに苦労されていた様子も見てきたので、UVレーザプリンタを導入したことで現場のストレスを軽減でき、作業環境の改善に繋げることができたことも嬉しく思います。
これらのさまざまな良い効果を踏まえると、今後の包装印字はUVレーザプリンタの時代に変わっていくと確信しております。これからも期待しています。
UVレーザプリンタ導入によりダウンタイムなく商品を生産できている
ブラックサンダーの各種パッケージにUVレーザプリンタで日付印字をおこなっている