キー・ピンなどによる固定
歯車やプーリーなどと軸を接続する場合、はめ合いだけでは確実に締結できず、滑りが発生する可能性があります。この滑りを防止するために必要な機械要素が「キー」と「ピン」です。
キー(マシンキー)
「キー」は「マシンキー」ともいわれ、歯車やプーリーなどと軸を結合し滑りをなくし、回転を確実に伝えるための機械要素です。また、分解や組み立ての際の位置決め用としての機能もあります。代表的なキーとしては「沈みキー」があり、これはモーターなどで一般的に使用されるキーです。
沈みキーは、軸と回転体の両方に「キー溝」と呼ばれる溝を設け、そこにはめ込みます。これにより軸と回転体のはめ合いが固定されます。回転体の動力を軸に確実に伝えることができるため、高速回転・高荷重に適しています。類似のキーに「平行キー」や「勾配キー」・「半月キー」があります。
平行キーには工作が簡単というメリットがあります。また、勾配キーは軸と回転体をより確実に結合する場合に使われます。そして「半月キー」は軸がテーパー状になっているため着脱がしやすくなっています。
- A:キー
- B:軸
- C:側面
- D:正面
- A:キー
- B:軸
- C:側面
- D:正面
- E:ボス
ピン
「ピン」は、主に部品同士の結合や位置合わせ、軸やねじの緩み止めに使用します。また、大きな力が加わったときにピンが破断し軸を守るといった、安全装置として使う場合もあります。ピンには「平行ピン」・「テーパーピン」・「割りピン」などがあります。
平行ピンは「ノックピン」ともいわれます。部品どうしを締結した状態で穴(とも穴)を開け、そこに平行ピンを打ち込み、部品同士を固定します。
「テーパーピン」はテーパー(先に向かうほど細い)状のピンで、部品同士の固定や接合の際の位置決めに使われます。
「割りピン」は、ナットの緩み止めに使用します。ボルトにナットを締め込んだ後、両方のピン穴に割りピンを刺し、割りピンの足を広げて部品を固定します。自動二輪車や自動車のフレーム周り、工場内のクレーンなどに使われています。