ばね各部の名称

ばねの各部の名称は、ばねの製造や設計、測定や仕様を確認するときに必要な知識です。ばねには多くの形状があるため、名称が指し示す場所も変わることがありますが、ここでは代表的なばねである、圧縮コイルばねを例に説明します。

寸法一覧

圧縮コイルばね
  • Do:外径(mm)
  • D:中心径(mm)
  • Di:内径(mm)
  • d : 1本分の線径(mm)
  • F:ピッチ(mm)
  • Hf:自由長(mm)
圧縮コイルばね

巻き数の数え方

ばねの巻き数は、巻き始めからの回転数です。以下のばねは、4巻き目の後に0.5回転巻いているので、このバネの巻き数は、「4.5」になります。

圧縮ばねの巻き数
圧縮ばねの巻き数
A:巻き始め

有効巻数と総巻数の数え方

「有効巻数」は、ばねとして働く有効な巻き数のことです。また、「総巻数」は有効巻数に「座巻」を加えた巻き数です。

圧縮ばねの総巻数と有効巻数
  • Nt:総巻数
  • Na:有効巻数
  • z:座巻1巻
圧縮ばねの総巻数と有効巻数

kNとkgf、kgの違い

力を表すときに、kN(キロニュートン)やkgf(キログラム重)といった単位が使われます。この2つの単位は、どう違うのでしょうか。また、変換できるのでしょうか。さらに、kg(キログラム)とはどう違うのでしょうか。ここでは、これらの単位の違いについて説明します。

「kN」は、力の単位です。1N(ニュートン)の1000倍を表す「キロ」を付けた単位で、1kN=1000Nです。一方、「kgf(キログラム重)」はkgに重力加速を掛けた、力の大きさを表す単位です。この2つの単位の間には、以下の関係があります。

1kN = 102kgf
1kgf = 9.8N = 0.0098kN

したがって、1kNからkgfへは

1kN = 1000N = 102kgf

と変換できます。また、1kgfからkNへは

1kgf = 0.0098kN

と変換できます。

kgという単位ですが、kNとkgfが力の単位であるのに対し、kgは質量の単位なので、直接変換することはできません。また、kgは力の単位としても使われていましたが、現在は質量の単位としてのみ使われています。つまり、kgfとkgは別の単位であるということです。

イチから学ぶ機械要素 トップへ戻る