コネクティングロッド(コンロッド)の寸法を測定する
コネクティングロッド(コンロッド)は、エンジンのクランクシャフトとピストンをつなぐリンク部品です。クランクシャフトやピストンとは軸受(ベアリング)を介して接続し、ピストンが受ける燃焼爆発をクランクシャフトに伝える伝達要素です。
燃焼爆発という直線の強い力をクランクシャフトで円運動に変えるため、エンジンの中でも最も過酷な条件で機能しなければならない部品です。特に大端部内径(ベアリングボア)と小端部内径(ピストンピンボア)は、ベアリングとのクリアランスに影響するため、最高レベルの精度が求められます。
内径測定器・ピンゲージ・マイクロメーターで測定する
内径測定器で、ロッドとキャップを組み付けられた状態のコンロッドの大端部内径と小端部内径、キャップとロッドの接合部を測定します。
大端部内径と小端部内径の測定
大端部内径と小端部内径は、内径測定器で内径の4か所を測定します。
大端部内径と小端部内径のピッチの測定
大端部内径(d1)と小端部内径(d2)のピッチ(P)は、大端部内径と小端部内径に正確にはまるピンゲージを差し込み、寸法(l)をマイクロメーターで測定し、以下の計算で求めます。
- d1・d2:ピンゲージ径
- l:マイクロメータ測定値
キャップとロッドの接合部の測定
キャップとロッドの接合部(D)はマイクロメーターで測定します。
画像寸法測定器による各部の測定
画像寸法測定器は、測定対象物をイメージセンサーで捉え、そのデータを画像処理し各部の測定値を算出・表示する非接触測定器です。
照明用のLEDや受光レンズ・撮像素子から画像処理に至るまで、測定に適した工夫が施されています。このため、位置決めやピント合わせなど、測定者の技量による計測誤差はありません。また、操作方法も特別な習熟を必要としないよう配慮されています。
同時多点測定が可能であるため、大端部内径(ベアリングボア)や小端部内径(ピストンピンボア)、2つの内径のピッチとキャップとロッドの接合部を一度に測定でき、設計データと照合。合否をその場で確認することができます。