ねじの構造

ねじはらせん状になっており、らせんは円筒に直角三角形を巻き付けた線になっています。この線を「つる巻線」といい、らせん状の山と谷は、摩擦力や強度・精度などの機能を実現するために、さまざまな構造を持っています。

ここでは、ねじの各部の名称と構造の特徴を解説します。

つる巻線
A:つる巻線

ねじ各部の名称

ねじには「おねじ」と「めねじ」があり、それぞれの断面を見ると、山と谷があります。おねじは円筒面にらせん状のねじ山を設けたねじ、めねじは穴の内面にねじ山を設けたねじです。一般に、おねじの外径とめねじの谷の径、おねじの外径を「呼び径」といい、めねじは嵌るおねじの外径で表します。また、「有効径」は強度計算などに用いられる寸法です。

おねじ
おねじ
めねじ
めねじ
  1. A:外径
  2. B:有効径
  3. C:谷の径
  4. D:ねじ山の角度
  5. E:ピッチ
  6. F:内径

ねじのリード

ねじが1回転したときに、軸方向に進む距離を「リード」といい、一条ねじでは、リードとピッチは等しくなります。リードに対するねじ1回転分の長さが作る角度を「リード角」といいます。

ねじのリード
\tan \theta = \frac{l}{\pi d}
  • tan θ :リード角
  • l:リード(mm)
  • π d :ねじ1回転分の長さ(mm)
コラムColumn

「多条ねじ」とは

一般的に、ピッチとリードが等しいねじを「一条ねじ」といいます。「多条ねじ」ではリードがピッチの整数倍となり、たとえば、リードがピッチの2倍であるねじは「二条ねじ」といいます。

多条ねじは、細い円筒にねじを切る場合などに使用します。これは、一条ねじの場合は、細い円筒で1回転に対するリードを大きくすると谷径が大きくなり、強度が不足する恐れがあるためです。

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