コラムColumn
「多条ねじ」とは
一般的に、ピッチとリードが等しいねじを「一条ねじ」といいます。「多条ねじ」ではリードがピッチの整数倍となり、たとえば、リードがピッチの2倍であるねじは「二条ねじ」といいます。
多条ねじは、細い円筒にねじを切る場合などに使用します。これは、一条ねじの場合は、細い円筒で1回転に対するリードを大きくすると谷径が大きくなり、強度が不足する恐れがあるためです。
ねじはらせん状になっており、らせんは円筒に直角三角形を巻き付けた線になっています。この線を「つる巻線」といい、らせん状の山と谷は、摩擦力や強度・精度などの機能を実現するために、さまざまな構造を持っています。
ここでは、ねじの各部の名称と構造の特徴を解説します。
ねじには「おねじ」と「めねじ」があり、それぞれの断面を見ると、山と谷があります。おねじは円筒面にらせん状のねじ山を設けたねじ、めねじは穴の内面にねじ山を設けたねじです。一般に、おねじの外径とめねじの谷の径、おねじの外径を「呼び径」といい、めねじは嵌るおねじの外径で表します。また、「有効径」は強度計算などに用いられる寸法です。
ねじが1回転したときに、軸方向に進む距離を「リード」といい、一条ねじでは、リードとピッチは等しくなります。リードに対するねじ1回転分の長さが作る角度を「リード角」といいます。
一般的に、ピッチとリードが等しいねじを「一条ねじ」といいます。「多条ねじ」ではリードがピッチの整数倍となり、たとえば、リードがピッチの2倍であるねじは「二条ねじ」といいます。
多条ねじは、細い円筒にねじを切る場合などに使用します。これは、一条ねじの場合は、細い円筒で1回転に対するリードを大きくすると谷径が大きくなり、強度が不足する恐れがあるためです。