カムの機能

カムは、運動の方向と大きさを変え、精細で正確に動作する機械要素です。その利用はレシプロエンジンの吸排気バルブの開閉に代表され、高速で回転する軸の角度に応じた複雑で滑らかな動きの伝達は、カムならではの機能です。また、高精度な機械ばかりではなく、メリーゴーランドの馬の上下運動など、身近なところにも利用されています。

カム各部の名称

最も一般的なカムは、回転運動する軸に取り付けられた円盤状の部品で、軸の回転運動と共に回転します。そして、カム表面に接触するように棒が取り付けられ、カムの回転に追従しカムの動作を受け止めます。

このとき、カムのように動きを発生させる側を「原動節」、棒のように動きを受け止める側を「従動節」といい、従動節はその動きを安定させるための「フレーム」に取り付けられます。また、原動節と受動節の接点を「フォロア」または「対偶部」といいます。

またカムは、回転運動を上下運動にするばかりではなく、回転運動を水平運動にすることもできます。

カムの各部の名称
カムの各部の名称
  1. A: 往復(上下)運動 
  2. B: 回転運動 
  3. C: カム(原動節)
  4. D: フォロアまたは対偶部
  5. E: 従動節
  6. F: フレーム

カムの役割り

カムの機能は、運動の方向と運動量の変更です。このうち、運動はさまざまな方向に変更することができます。

方向変更の主な機能としては、水平運動→上下運動・回転運動→往復運動・回転運動→水平運動があります。

水平運動→上下運動

原動節が左右に動き、それに連動して従動節が往復運動します。

水平運動を上下運動にするカムの例
水平運動を上下運動にするカムの例
  1. A: 往復運動
  2. B: 水平運動
  3. C: カム(原動節)
  4. D: 従動節

回転運動→往復運動

原動節が回転し、それに連動して従動節が往復運動します。

回転運動を上下運動にするカムの例
回転運動を上下運動にするカムの例
  1. A: 往復運動
  2. B: 回転運動
  3. C: カム(原動節)
  4. D: 従動節

回転運動を水平運動にする

原動節の回転に伴って、従動節が水平運動します。

回転運動を水平運動にするカムの例
回転運動を水平運動にするカムの例
  1. A: 水平運動
  2. B: 回転運動
  3. C: 原動節
  4. D: 従動節

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