機械要素公式集

機械要素の代表的な公式の一覧です。各公式から、さらに詳しい説明が記載されたページを参照することができます。

ねじ関係

ねじのリード

\tan \theta = \frac{l}{\pi d}
  • tanθ:リード角
  • l:リード(mm)
  • πd:ねじ1回転分の長さ(mm)

ねじのリードについて詳しくはこちら

締め付けトルク

T = k \cdot d \cdot F
  • T:締め付けトルク(N・m)
  • k:トルク係数
  • d:ねじの外径(m)
  • F:軸力(N)

締め付けトルクについて詳しくはこちら

ねじの引張強さ(台形ねじ・角ねじの場合)

A = \frac{F}{\sigma a} = F\frac{S}{\sigma max}
  • A:ねじの断面積(mm2
  • F:引張荷重(N)
  • σa:許容引張応力(Mpa)
  • S:安全率
  • σmax:引張強さ(N/m2

ねじ(台形ねじ・角ねじ)の引張強さについて詳しくはこちら

ねじの引張強さ(三角ねじの場合)

As = \frac{\pi}{4} \left( \frac{d_2 + d_3}{2} \right)^2
  • π:3.14
  • d3:d1+H/6
  • d2:有効径(mm)
  • d1:谷径(mm)
  • H:山の高さ(mm)

ねじ(三角ねじ)の引張強さについて詳しくはこちら

安全率

S = \frac{\sigma a}{\sigma s}
  • 安全率:S
  • 基準応力:σs(MPa)
  • 許容応力:σa(MPa)

ねじの安全率について詳しくはこちら

許容応力

\sigma a = \frac{\sigma s}{S}
  • 許容応力:σa(MPa)
  • 基準応力:σs(MPa)
  • 安全率:S

ねじの許容応力について詳しくはこちら

軸・軸受関係

ストライベック曲線による関係式

\frac{\eta \times V}{W}
  • η:粘度
  • V:速度
  • W:荷重

ストライベック曲線と潤滑状態について詳しくはこちら

軸受に作用する荷重係数

F = fw \cdot Kc
  • F:軸にかかる実際の荷重(N{kgf})
  • fw:荷重係数
  • Kc:理論的な計算値(N{kgf})

軸受に作用する荷重について詳しくはこちら

軸受への荷重配分

Fr_A = \left( \frac{a + b}{b} \right) \cdot Fi + \left( \frac{d}{c + d} \right) \cdot Fii\\ Fr_B = \left( \frac{a}{b} \right) \cdot Fi + \left( \frac{c}{c + d} \right) \cdot Fii
  • FrA:軸受Aにかかる荷重(N{kgf})
  • Fi 、Fii:軸系にかかる荷重(N{kgf})
  • a:Fiから軸受Aの中心までの距離
  • b:軸受Aの中心から軸受Bの中心までの距離
  • c:FiiからFrAの中心までの距離
  • d:FiiからFrBの中心までの距離
  • FrB:軸受Bにかかる荷重(N{kgf})

1本の軸を複数の軸受で支える場合の荷重配分について詳しくはこちら

ベアリングの基本定格寿命と基本動定格荷重

L_{10} = \left( \frac{C}{P} \right)^P
距離や時間で寿命を示す場合
L_{10h} = \frac{10^6}{60n} \left( \frac{C}{P} \right)^P\\ L_{10s} = \pi DL_{10}
  • L10:基本定格寿命(106回転)
  • L10h:基本定格寿命(h)
  • L10s:基本定格寿命(km)
  • P:動等価荷重(N)
  • c:基本動定格荷重(N)
  • n:回転速度(min−1
  • p:ボールベアリングの場合・・・・・p=3、ころ軸受の場合・・・・・p=10/3
  • D:車輪またはタイヤの直径(mm)

基本定格寿命と基本動定格荷重について詳しくはこちら

歯車とベルト・チェーン関係

歯車

モジュールの値
M = \frac{D}{Z}
  • M:モジュールの値
  • D:ピッチ円の直径
  • Z:歯数

歯車のモジュールについて詳しくはこちら

円ピッチ
P = \frac{\pi d}{Z} = \pi m
  • P:円ピッチ
  • π:3.14
  • d:ピッチ円の直径
  • Z:歯数
  • m:モジュールの値

歯車のピッチについて詳しくはこちら

噛み合い率
\varepsilon a = \frac{ab}{Pb}
  • εa:噛み合い率
  • ab:噛み合い長さ
  • Pb:法線ピッチまたは基礎円ピッチ

歯車の噛み合い率について詳しくはこちら

最大曲げモーメント
Mmax = Fn \cdot l = \frac{F \cdot l}{\cos \alpha} = \sigma bmaxZ\\ Z = \frac{b \cdot s^2}{6}
  • Mmax:最大曲げモーメント(Nm)
  • Fn:作用線に沿う歯車の噛み合い荷重
  • l:危険断面の中心から作用線までの距離(mm)
  • F:ピッチ円に沿う円周方向の分力
  • σbmax:最大曲げ応力(MPa)
  • Z:危険断面の断面係数(mm3
  • b:歯幅(mm)
  • s:危険断面の長さ(mm)

歯車のトラブルと最大曲げモーメントについて詳しくはこちら

最大曲げ応力
\sigma bmax = \frac{F \cdot l}{Z \cos \alpha} = \frac{6 \cdot F \cdot l}{b \cdot s^2 \cos \alpha} = \frac{F}{b \cdot m}Y
  • σbmax:最大曲げ応力(MPa)
  • F:ピッチ円に沿う円周方向Fnの分力
  • l:危険断面の中心から作用線までの距離(mm)
  • Z:危険断面の断面係数(mm3
  • b:歯幅(mm)
  • s:危険断面の長さ(mm)
  • m:モジュール(mm)
  • Y:歯形係数

歯車のトラブルと最大曲げ応力について詳しくはこちら

ベルト

ベルトのスパンやたわみ・張り荷重など、強さについて詳しくはこちら

スパンの計算
Ls = \sqrt{C^2 - \frac{(D_p - dp)^2}{4}}
  • Ls:スパン長さ(mm)
  • C:軸間距離(mm)
  • Dp:大プーリピッチ円直径(mm)
  • dp:小プーリピッチ円直径(mm)
たわみの計算
\delta = 0.016 \cdot Ls
  • δ:たわみ量(mm)
  • Ls:スパン長さ(mm)
張り荷重の計算
F \delta = \frac{To + (\frac{Ls}{Lp}) \cdot Y}{16}
  • Fδ :たわみ荷重(N)
  • Ls:スパン長さ(mm)
  • Lp :ベルトピッチ周長さ(mm)
  • To:初張力(N)
  • Y :定数(N)

ばね関係

たわみ

\delta = \frac{8 \cdot Na \cdot D^3 \cdot P}{G \cdot d^4}
  • δ:ばねのたわみ
  • G:横弾性係数
  • Na:有効巻き数
  • D:コイル平均径
  • d:線径
  • P:ばねにかかる荷重

たわみ(ばねの伸縮量)について詳しくはこちら

ばね定数(バネレート/スプリングレート)

  • P = k \cdot \delta
  • k = \frac{P}{\delta}
  • k = \frac{P}{\delta} = \frac{G \cdot d^4}{8 \cdot Na \cdot D^3}
  • P:ばねにかかる荷重
  • δ:ばねのたわみ
  • G:横弾性係数
  • Na:有効巻き数
  • D:コイル平均径
  • d:線径

ばね定数やフックの法則について詳しくはこちら

ばねの弾性エネルギー

U = \frac{1}{2}k\delta^2
  • U:弾性エネルギー(N・mm=J)
  • k:ばね定数
  • δ:ばねのたわみ(mm)

ばねの弾性エネルギー(弾力性による位置エネルギー)について詳しくはこちら

ばねの単位体積当たりの弾性エネルギー

u = \frac{U}{V}
  • u:単位体積当たりの弾性エネルギー(J/mm2
  • U:弾性エネルギー(N・mm=J)
  • V:体積

ばねの単位体積当たりの弾性エネルギーについて詳しくはこちら

カム・リンク関係

カム径

r_p = \frac{h \cdot Vm}{\theta_h \cdot \tan \psi m}\\ r_h = rp + \frac{h}{2}\\ r_o = rp - \frac{h}{2}
  • rp:カムの有効半径
  • rh:カムの外半径
  • ro:カムの基礎円半径
  • h:カムのリフト量
  • Vm:カム曲線の無次元最大速度
  • θh:カムの割り付け角(ラジアン)
  • ψm:設定上の最大圧力角

カム径(カムの大きさ)について詳しくはこちら

圧力角

\frac{N}{F} = \frac{1}{\cos \phi - \mu((2a + b) / b) \sin \phi}
  • F:運動方向にかかる荷重
  • N:カムと従節の共通方向にかかる力
  • μ:摩擦係数
  • a:ローラー中心から軸受までの長さ
  • b:従節のガイド部の長さ
  • Ø:圧力角(FとNが作る角度)

カムに作用する圧力角について詳しくはこちら

グルーブラーの式

F = 3(n - 1) - 2 \cdot J
  • F:自由度
  • n:リンク(節)の総数(可動リンク、固定部、スライド部を含む)
  • J:対偶が持つ自由度「1」の総数

リンクの自由度を表すグルーブラーの式について詳しくはこちら

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