渦電流式変位センサの概要
一言にセンサといっても、多種多様であり、それぞれに得意・不得意があります。この章では、渦電流式変位センサについて詳しく解説します。
渦電流式変位センサとは
渦電流式変位センサとは、高周波磁界を利用し、距離を測定するセンサです。
センサヘッド内部のコイルに高周波電流を流して、高周波磁界を発生させます。
この磁界内に測定対象物(金属)があると、電磁誘導作用によって、対象物表面に磁束の通過と垂直方向の渦電流が流れ、センサコイルのインピーダンスが変化します。渦電流式変位センサは、この現象による発振状態(=発振振幅)の変化により、距離を測定します。
渦電流式変位センサの検出原理
発振振幅の検出方法をキーエンスの商品を例に説明します。
EX-V、ASシリーズ
対象物とセンサヘッドの距離が近づくにつれ過電流損が大きくなり、それに伴い発振振幅が小さくなります。この発振振幅を整流して直流電圧の変化としています。
整流された信号と距離とは、ほぼ比例関係ですが、リニアライズ回路で直線性の補正をし、距離に比例したリニアな出力を得ています。