ファイバ(Ybファイバ)レーザー溶接
「ファイバレーザー」は固体レーザーの一種で、媒質に光ファイバを使います。
増幅用ファイバには、「ダブルクラッドファイバ」という、コアに希土類元素をドープした光ファイバを使います。また、ファイバの出力側に低反射率ミラー、入射側に高反射率ミラーを装備しています。
発振の原理
ファイバレーザーを使った発振では、まず励起部で生成した励起光を増幅用ファイバに入射し、増幅用ファイバ内部で反射させながら伝搬します。
増幅用ファイバ内のコアにドープされた希土類元素は励起光を吸収し、それによる基底準位と準安定準位間に反転分布が生じることで光を放出します。
放出された光は、共振部の高反射率ミラーと低反射率ミラー間で反射を繰り返し、レーザー光となって発振されます。
- A
- 励起部
- B
- 共振部
- C
- ビーム搬送部
- D
- 励起用半導体
- E
- 増幅用ファイバ
- F
- レーザー光
- G
- 励起光
- H
- 希土類元素ドープコア
特徴
ファイバレーザーは、波長が短くビーム集光径を絞ることが可能です。レーザーのエネルギー密度はレーザー溶接と比べてもきわめて高く、アルミなどの高反射材に対しても、深い溶け込みを得ることができます。また、薄板や微細部品の溶接はもちろん、異種金属同士の溶接にも対応できます。さらに、ビームの焦点を自動で設定することができ、非接触で高速溶接もできるため、従来では不可能であった入り組んだ場所のロボット溶接を可能にします。