ハイブリッド溶接

「ハイブリッド溶接」は、 「レーザーアークハイブリッド溶接(HLAW)」とも呼ばれています。
ティグ(TIG)マグ(MAG)ミグ(MIG)といったアーク溶接とレーザー溶接を同時に行い、両方の利点を活かし欠点を補うために開発された溶接法です。
ギャップ管理の許容度が高く、より深い溶け込み、より低い熱入力、より少ない変形と収縮、より高い溶接硬度と強度、より高い疲労耐性が得られ、溶接速度や溶接品質の向上、コストの低減に効果があるといわれています。

レーザー溶接とアーク溶接の比較

レーザー溶接は、レーザー光のスポット径が小さいため突き合せ溶接などではギャップ管理(開先精度)の管理が厳しく、開先が広い場合は加工速度を落とすなどの対策が必要です。また、基本的にレーザー溶接は薄板の溶接を得意としており、厚板溶接には向いていません。一方、アーク溶接は厚板の溶接には向いていますが溶接スポット径が大きく、溶け込みが浅く、溶接の高速化にも不向きです。

アーク溶接

アーク溶接
[メリット]
ギャップに強い/肉盛り可能
[デメリット]
溶接速度:遅い/溶接ひずみ:大

レーザー溶接

レーザー溶接
[メリット]
溶接速度:速い/溶け込み:深い/ひずみ:小さい
[デメリット]
ギャップに弱い/肉盛り不可

ハイブリッド溶接の特徴

ハイブリッド溶接は、薄板や微細な溶接を得意とするレーザー溶接と開先精度のギャップ管理に寛容で厚板溶接を得とするアーク溶接を同時に行うことで、高速で高品質な溶接を実現する溶接法です。自動車業界におけるテーラードブランク工法に代表される厚みの異なる母材同士の溶接や融点の異なる異種材料の溶接など、複雑な条件下でも高速な加工速度が求められるシーンで普及しつつあります。

ハイブリッド溶接

ハイブリッド溶接
[メリット]
溶接速度:速い/ギャップに強い/溶け込み:深い/ひずみ:小さい

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