摩擦圧接

「摩擦圧接」が自然環境にやさしいといわれる理由、FAで活用される理由を説明。さらに「摩擦攪拌接合(FSW)」による接合部の優れた平滑性について、それを実現する技術を説明します。

金属や樹脂など接合する母材を高速で擦り合わせ、そのとき発生する摩擦熱で母材を軟化させ、同時に圧力を加えて接合する接合法です。アーク溶接やガス溶接と比べ「摩擦熱以外の熱源を必要としない」、「溶接棒やフラックスがいらない」、「スパッタやガスがでない」ことから自然環境に優しい接合法といわれています。
また、摩擦圧接は「摩擦推力(押す力)」「回転数」「時間」の三要素で行えます。これらの条件はすべて数値でコントロールすることができ、自動制御による無人化が可能であることから、FA(ファクトリオートメーション)で広く活用されています。

摩擦圧接のなかでも脚光を浴びているのが「摩擦攪拌接合(FSW)」です。円柱状のツールを高速回転させながら高圧力でプローブ(突起部)を接合部に貫入させることで母材を軟化させ、ツールの回転によって溶接部周辺を塑性(そせい)変形させながら練り混ぜて部材の原子どうしを接合させます。FSWは、継手効率が高く、熱による変形が極めて少ないことから、700系新幹線の床材といった広域かつ剛性、溶接面の平滑性が問われるアルミ合金の接合にも用いられています。

摩擦撹拌接合(FSW)
摩擦撹拌接合(FSW)

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