シーム溶接

高い気密性と防水性が要求される箇所に使われる「シーム溶接」。「ラップシーム溶接」ともいわれるこの溶接法について、メリットとデメリットを交え原理を紹介します。また、その原理を応用した「バットシーム溶接」や「マッシュシーム溶接」についても紹介します。

溶接材を円板電極で挟み、円板電極を回転させながら通電して、電気抵抗による加熱により溶接材を連続的に接合する溶接法です。「ラップシーム溶接」ともいわれます。
線状に溶接できるため、気密性を得ることができます。また、溶接速度が速く溶接にガスを使用しないなど、コスト面でのメリットがあります。さらに、溶接時に閃光などを出さないため安全面の問題もなく、保護具も不要です。

実用例としては、燃料タンクなど気密性が必要な部品や防水性が必要な部位などに使われます。シーム溶接には、ラップシーム溶接以外に、突合せ面の一部に加圧力を与えながら溶接電流を通電して加熱する工程を連続的に行って溶接する「バットシーム溶接」や、母材の板端を僅かだけ重ねて、ローラ電極により通電・加圧により押しつぶしを行いながら連続的に溶接する「マッシュシーム溶接」などがあります。

シーム溶接

また、小型の水晶振動子やジャイロセンサなどの場合、真空中で蓋をシーム溶接を実施することで、製品の性能向上や経年による性能劣化を低減させる必要があります。この場合、真空中でローラー電極によって気密封止することができる「真空シーム溶接装置」が用いられます。

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