溶接品質を損なう内部欠陥

溶融金属による接合では、溶接特有の現象により、溶接部の内部に欠陥が生じることがあります。
これらの欠陥も、外観品質と同様に溶接強度・溶接品質に影響します。
ここでは、溶接強度・溶接品質を損う代表的な内部欠陥を挙げます。

ブローホール

溶融金属が固まる前に、放出できなかったガスが集まり、球状となってビード内部に残留したガス孔が発生する欠陥です。このガス孔が、ビード表面で穴になって固まった場合は、「ピット(開口欠陥)」と呼ばれる表面欠陥になります。

A. ブローホール
  1. ブローホール

不純化合物

溶融金属の中に取り込まれたガスの原子が、母材の原子と結合することで不純化合物になり、ビード内部に残る欠陥です。

A. 不純物化合物
  1. 不純物化合物

スラグ巻き込み

溶接中に生成されるスラグが、溶融金属よりも先に凝固することで、溶融金属内にスラグが残る欠陥です。

A. スラグ巻き込み
  1. スラグ巻き込み

溶け込み不足

溶融金属への入熱不足などによって、目的の位置や深さまで溶け込まない欠陥です。

A. 溶け込み不足
  1. 溶け込み不足

融合不良

溶融金属への入熱不足などによって、先に溶け込ませようとした奥の層のビード(前層ビード)を溶融しきれないことで発生する欠陥です。

A. 融合不良
  1. 融合不良

割れ(内部)

溶接部に発生するひび割れのことです。内部欠陥に属する代表的な「割れ」には、 「溶接金属割れ(ルート割れ)」と「熱影響部割れ(ビード下割れ)」があります。 「溶接金属割れ」は、溶融金属内部に発生する欠陥です。また、 「熱影響部割れ」は、溶接部が急速に冷却されたことよって母材がもろくなり、すでに凝固した部分の収縮力で発生する欠陥です。

A. ルート割れ | B. ビード下割れ 
  1. ルート割れ
  2. ビード下割れ

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