株式会社福井銀行

株式会社福井銀行 事務企画グループ 前波 茂樹氏、伊部 浩章氏にKIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「福井銀行では、本部主要部門を横断したプロジェクトチームによる、『データ分析の民主化』を実現していきます」

株式会社福井銀行

株式会社福井銀行(以下、福井銀行)は、福井県を本拠とする第一地方銀行です。

預金量 2兆8,563億円
貸出残高 1兆8,129億円
従業員数 1,365名
設立 1899年(明治32年)

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

データ分析の民主化を狙う

福井銀行ではKIをどのように使っていきますか?

福井銀行では行内でデータ分析の考え方が浸透している状態、つまりデータ分析の民主化を実現するべく、KIを活用していきます。具体的には次のような状態を目指しています。

  • 1.本部各部門の業務担当者が、データ分析について『自走』できるようにする。自部門のデータ抽出や分析は自部門でこなせるようにする。
  • 2.特に本部営業企画部門では、既存顧客データからの見込み客名簿の抽出を、高速かつ柔軟におこなえるようにする。

まず「データ分析の『自走』」についてですが、従来データ抽出が必要な場合は、本部の専門部署に依頼するという、「分業制」で対応していました。しかし現在、行内ではデータ抽出や分析の需要が徐々に増えてきており、「特定の部署に依頼する」という方式では、対応速度が追いつかないという課題があります。

今後はKIの活用を通じ、「本部の各部門はデータ抽出や分析が必要なとき、基本的なものは自部門内で対応していく」というあり方に変えていきたいと考えています。

言い換えれば、本部の各部門は「別部門にデータ抽出や分析を依頼する」という姿勢ではなく、自らの課題を自ら分析・試行し、知見を得るという、主体的行動者としてデータ分析に関わることになります。

今回KI導入にあたり、部門横断型のプロジェクトチームを作りました。参画したのは融資部門、経営企画部門、リスク管理部門、市場金融部門、経営管理部門、事務企画部門、営業企画部門の計7部門です。

プロジェクトチームの定期会合では、各部門の解決すべきビジネス課題を持ち寄り、それぞれの課題に対してKIを使ってどう解決していくか、キーエンスのデータサイエンティストも交えて協議し、具体的な分析方策に落とし込んでいきます。

本部営業企画部門での活用

「本部営業企画部門での見込み客抽出」とは具体的にはどのような内容でしょうか?

本部7部門の中で、データ分析の需要が最も大きいのが営業企画部門です。ここではDM送付先や訪問先を選ぶとき、既存顧客からの名簿抽出が発生します。名簿条件を本部営業企画部門が考えて専門部署へ抽出の依頼をおこないますが、その名簿に基づく営業活動は、必ずしも毎回成果が出るとは限りません。

今回KI導入にあたり、まずはこのような名簿抽出での活用を考えています。KIを使った分析の対象となるデータは大きく3種類に分けられます。まず住所・年齢・世帯構成などの「顧客属性情報」、預金の入出金情報・金融商品の契約状況など「契約情報」、そしてDM送付履歴・渉外履歴など「接触情報」となります。これらデータをKIに投入、分析し、目的の名簿を抽出します。

経営企画部門や融資部門など他の部門についても、企画部門と同様に「自部門のデータ抽出や分析は自部門でおこなう」形で解決していきます。

今回のKI導入を機に、本部各部門の企画担当者はデータ分析の考え方やスキルを身につけ、自身の課題は自身で解決できる体制を確立していきたいと考えています。

導入の経緯

KI導入に至った経緯を教えてください。

データ分析の民主化は長年の懸案でした。そんな時キーエンスからKIの案内があったので、まずはデモを見たところ、非常に良い仕様・性能であり、課題解決につながる予感を感じました。とはいえ「本当に使いこなしていけるのか」という懸念もありましたが、デモの中で「現場が自立できるようデータサイエンティストが伴走サポートする」と説明があり、それなら何とかなると期待を感じました。

その後、各部門に「このようなデータ分析ツールがある」と伝えたところ、いずれも関心があるようでした。特に営業企画部門は「もし本当に名簿抽出が上手くいくなら、使ってみたい」と良い反応でした。

そこで次に、各部門の責任者を集めた上、改めてデモを見ました。参加者の反応はおおむね良好でした。ただし、「製品がいいのはわかる。しかし、本当にそう上手くいくだろうか」と懸念の声もありました。

導入前の懸念

具体的にどんな懸念だったのでしょうか?

データ分析に本格的に取り組もうという動きは過去にもあって、その時は、高機能の分析ツールを導入し、分析専門の担当者を配置しました。

しかし、行内全体へ広がるには至りませんでした。やはりそこには、専門部署に対して「依頼」する形で部署をまたぐため、依頼側と受け手側の認識のズレや、やり直しなどによる工数発生や分析専門担当者の育成不足などが背景として挙げられます。

このようなことから、データ分析の民主化の必要性を一層感じました。自部門のデータ分析は、自部門で完結できるようになればよいのではないか、そのように考えました。

費用対効果をどう考えるか

KIの費用対効果についてはどう考えましたか?

費用対効果はもちろん重要です。費用をかけて導入するからには、当然、それに見合った成果を出す必要があります。しかし今回の検討では、短期的な費用対効果以上に、「中長期的に行員が使いこなしていけるかどうか」をより重視しました。

データ分析ツールは、自動的に動く機器ではないので、人が使いこなさない限り、効果を生み出せません。つまり前提として「使いこなさない限り、費用対効果は上がらない」ツールだと考えています。

また専任担当ひとりが使いこなせる状態ではなく、各部門で使いこなせることが重要です。これを考慮したとき、KIの操作しやすさ、使いやすさ、そしてデータサイエンティストのサポートは、この「各部門が使いこなす(=データ分析の民主化)」の実現に対し、有効だと感じました。

こうして構想をまとめた後、経営層にKI導入の提案をおこないました。反応は肯定的でした。こうしてKIの導入が決定し、冒頭に述べたプロジェクトチームが作られ、現在に至っています。

今後の期待

今後の展望、キーエンスへの期待についてお聞かせください。

福井銀行では、今後ともデータ分析を行内に定着させるべく、さまざまな取り組みを重ねていく所存です。自行にノウハウが浸透した後は、顧客にノウハウを提供する事業展開も検討しています。キーエンスにはこうした取り組みを、優れた技術、製品、サポートを通じて、継続支援いただくことを期待いたします。今後ともよろしくお願いします。

株式会社福井銀行

「福井銀行では、本部主要部門を横断したプロジェクトチームによる、『データ分析の民主化』を実現していきます」

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