広田証券株式会社

広田証券株式会社 代表取締役社長 廣田文孝氏、東京支店次長 木内剛氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIを使ってお客様への接触タイミングを抽出し、お客様に寄り沿った提案に繋げています」

広田証券株式会社について

広田証券は1918年創業、今年で105周年を迎える歴史ある大阪の証券会社であり、北浜の本社を含め全国で10店舗を展開しています。メインとなる業務は個人向けの投資アドバイス等ですが、サブ業務として他の証券会社様向けに単元未満株の取引機会を提供するという業務をおこなっている、業界内でもかなりレアな役割を担っている証券会社です。

創業 1918年 (大正7年) 12月
年商 31億9800万円
従業員数 192名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・効果

活用状況

  • ・「顧客接触タイミングの最適化」。対面営業をおこなう際に、お客様へ接触するタイミングを最適化するために活用する。
  • ・AFE(機械学習)機能を使用した、「休眠顧客分析」。潜在休眠顧客をスコア化してリスト抽出し、お客様の休眠化を未然に防ぐ方策に活かす。
  • ・「約定金額を大きくするための分析」。約定金額が大きいお客様の傾向を抽出して分析し、高確度の見込み顧客へ接触する際に活かしていく。

導入前の課題

  • ・KKD(勘、経験、度胸)の営業だけでは「明らかな見込み顧客」に当たれても、「潜在的な見込み顧客」を見落としがち。

KIへの評価、導入効果

  • ・導入当初、データ分析の入口、基礎から指導してくれるサポートを高く評価
  • ・KIでは、予実の差の大きい順に並べて表示するように設定。知りたい事実に対して、すぐにアプローチができる。
  • ・データの加工が容易。一度データ加工の手順を設定すれば、その後は毎回、全自動でデータ加工が完了するため、大幅な効率化を実現。

顧客接触タイミングの最適化や潜在休眠顧客分析、約定金額最大化のためにKIを活用

広田証券ではKIをどのように活用していますか?

KIによるデータ分析は、証券営業担当者の行動の拠り所、参考材料を得るために活用しています。

まず「顧客接触タイミングの最適化」という用途。弊社の営業スタイルは通常、営業担当者がダイレクトにお客様とコンタクトを取る対面営業形式です。そのための主なアプローチ手段はどうしても電話やメールになるのですが、そうなると営業担当者がそれらの行動を起こすタイミングがかなり重要になります。なぜならお客様が投資に関するアクションを起こそうという気になっている時に、コンタクトが取れていなければ営業効率が大きく低下するからです。では「いつ」連絡するのがよいか? それはやはり、株価がその年の最高値、最安値をつけるなど大きな値動きがあったとき連絡するのが適当です。

お客様の普通の反応は「安いなら買おう、高いなら売ろう」ですが、逆に「高いなら買おう」という方もいらっしゃり、相場観は人それぞれです。ここでKIを使って、お客様の投資傾向や知見を事前に得て、その上で新高値や新安値がついた銘柄を保有しているお客様を抽出し、そのリストを営業担当者へ展開する、そのような活用です。

次にAFE(機械学習)機能を使った「潜在休眠顧客の分析」。将来、休眠する可能性のあるお客様について、KIを活用してスコア化、リスト化していき、それを参考にリスト上のお客様に対して、優先的にコンタクトしていきます。

リストは休眠化する可能性の程度に応じて0点から30点までスコア化してアウトプットされます。そうなるとこのスコアにおいて、休眠する・しないの分岐点がどこかに存在するわけです。そこで試しにこの分析を東京支店のお客様に対しておこない、リストを現場の営業担当者に見てもらったところ、概ね6~7点周辺が分岐点になっているようで、リストに掲載された個々のお客様スコアの並び順は「自分たちの営業感覚にかなり近い」という意見が多数を占めました。

時々、予想外のお客様が入っていることもありますが、それもよく精査してみると、結局は納得感のある並びなんですね。この件で、KIの社内での信頼性が大きく向上しました。この分岐点上のお客様に対して、年末年始やイベントなどのタイミングをみて優先的に連絡、訪問して顔を見せることを東京支店の営業担当者に指示しました。

潜在休眠顧客のスコア化は3カ月に1回の頻度でおこなう予定です。コンタクトを重ねたお客様のスコアがその後、上がっているのか下がっているのか確認し、PDCAを回します。現在では各店の支店長にもアカウントを付与し、現場の営業担当者には、支店長から直接分析内容を伝えてもらっています。

この他、AFE分析によって鉄鋼や船舶、自動車など長期的に堅実な大型優良銘柄を保有しているお客様は、休眠化しにくい傾向があることが分かりましたので、こうした情報についてもこれからの営業活動に生かしていきたいと考えています。

さらに今後は「約定金額を大きくするための分析」にも取り組んでいきます。約定金額が大きいお客様にはどんな傾向があるのか?過去データを分析し、そこで得た知見をもとに、高確度の見込み顧客に接触していきます。

KKD(勘、経験、度胸)の限界

KIを導入した経緯を教えてください。

従来は、営業担当者がKKD(勘、経験、度胸)で営業していました。しかしKKDだけでは「明らかな見込み顧客」には当たれても、そこまで明白でない「隠れた、潜在的な見込み顧客」を見落としがちです。これをデータ分析で補いたいと考えました。

そのようなニーズに応える解の1つとしてKIは「使いやすい」という評判を以前から耳にしていました。キーエンスが実際に自社で使っていることにも興味があった。まずはやってみようと思い、KIの導入に踏み切りました。

最初は何もわからないところからのスタートではありましたが、データ分析の基礎や、わからない入口部分から指導してくれるキーエンスのサポートは、心強いものでした。私たちが慣れるまでの間は、「今こういうデータがあるなら、こういうところから始めてみましょう」と道しるべが示される。それに従い分析が進むうち、「この場合はこうしてみましょう」のように例題が示される。そのように対話ややり取りを進めていくうちに、自然とデータ分析の基礎が習得できます。

そのあとは、自分のやりたい分析をまずはやってみる。上手くできればそれでいいし、上手くできない場合は、キーエンスの担当者に相談し試行錯誤しながらPDCAを回していく。キーエンスの丁寧なサポートにより、無事、自社のデータ分析の自走が実現できていると考えています。

誰でも理解しやすい帳票が、簡単に作れる

KIを使ってみての評価をお聞かせください。

以前はお客様への接触は、営業担当者の裁量でおこない、この銘柄の株価が上がっているから、あのお客様に電話しよう、というものでした。しかし、これだけでは、その銘柄を保有しているお客様すべては網羅できません。というのも担当者1人が200人から300人のお客様を担当しており、それぞれの方が10銘柄持っているとすれば、お預かりしている銘柄の種類だけでも膨大な数に上ります。そうなると人の記憶だけではすべて覚えきれません。そういう意味でKIは、営業担当者の記憶の限界を補う役割を果たしてくれています。

また、KIはデータの加工が想定以上に楽にできます。分析で扱うデータの中には、項目によっては削った方が円滑に分析が進む不要なものも含まれていますが、KIは、一度データ加工の手順を設定すれば、その後は毎回、全自動で不要項目を削ってくれます。この他、Excel関数でやるような作業もこなせて、「効率化」の観点でも非常に役立っています。

要因ツリーやマトリックスの表も、たとえば2期比較など時系列で見比べる際にも、フォント色を変えたり、単位を揃えて入力したりすることで、パッと見で誰でも理解しやすく、美しい表が作れます。知りたい情報だけ、ピンポイントで引っ張ってこられるのもよいですね。

KIはキーエンスが自社開発したツールであり、専門知識がなくとも簡単に可視化することができ、かつ誰もがパッと見で理解できるインターフェースとなっているため、営業担当者の行動変化に繋がりやすい、そのような印象があります。

勘、経験、データへ

KIはどういう企業に向いていると思いますか?

弊社の場合、金融機関という業種柄、お客様様情報は厳密に管理しており、お客様の様々な変更情報も確実に反映、更新されます。おそらく通常の業種よりはデータが緻密に揃いやすいはずで、その意味ではデータ分析に向いている業種かもしれません。

また対面営業の現場では、営業担当者の勘、経験のような、個人特性に頼る部分が多くなります。それはそれでよい面もあるのですが、そこにデータという新たな切り口を加えれば会社のため、お客様のためになる営業ができる、そんな可能性があると思います。勘、経験、度胸ならぬ、勘、経験、データ、まさに新しいKKDですね。キーエンスには、ひきつづきデータの活用について、高い技術、製品、サポートを通じて支援いただくことを希望いたします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

広田証券株式会社

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