まず経営企画部では、「事業計画分析、ATMの妥当性分析、マネーロンダリング対策」への取り組みを検討しています。事務部では、「膨大な事務データ、ITデータの分析を通じた各部門の業務改善のヒント獲得」、人事部では、「成績優秀者や退職者の特徴分析、それによる人員配置の最適化の実現」などへの取り組みを進めています。
営業統括部では、各種商品・サービスの営業ターゲットの抽出にKIを使っています。分析するデータは、顧客の年齢や世帯構成など「属性情報」、預金の入出金状況や契約商品などの「取引情報」、そして渉外状況など「接触情報」の大きく3つです。
分析の方法ですが、たとえば投資信託の営業の場合、まず過去、実際に投信を購入した既存顧客のデータを分析し、特徴量を導出することから始めます。特徴量を知るとは、「過去、投資信託を購入した人には、このような特徴がある」という傾向、共通点を認識することです。その上で既存顧客の中から、その特徴量に合致する見込み客を抽出します。その名簿に対し、DM送付や電話、訪問などの働きかけをおこないます。
他部門での使い方も本質的にはこれと同じで、「まず過去実際に○○した人の傾向を調べる。その後、それと同じ傾向の人を抽出し、そこに働きかける」となります。
KIを導入した大きな目的は、データ分析の文化を組合内に定着させ、「分析を、あたりまえのことにする」ことにより、より効率的で適切性の高い業務遂行態勢を確立することです。今はアンバサダーやプロジェクトチームを設けて、意識的に「盛り上げる」ということをおこなっていますが、将来はそうした作為なしでも続く、「あたりまえのこと」にいきたいと考えています。