一例をあげると、「シポレックス内に含まれる気泡の分布や気泡サイズの均質化の阻害要因」という問題について、理解を深めることができました。この時は、KIの分析を通じて、生産条件と気泡の状態との間に具体的な相関があることを特定できました。
以前からいくつかの要因は社内でも把握しており、共通認識を持って管理していました。しかし自然原料が多くを占めるので、それらの品質は日々変わります。「例えばAの条件とBの条件が怪しい」までわかっても「では、現時点で最も適切な条件はどの組み合わせなのか」は明確にならず、関連するであろうパラメーターが多いこともあり、細かい部分までは手間と費用を伴なう具体的な行動に踏みこめませんでした。
しかしKIによる詳細分析を通じ、「その時々の適切な操業条件」を特定することができました。これを踏まえ、各種の生産設備を調整し、最終的に臨機応変に調整する体制を整えました。これにより気泡のコントロール性が向上しました。
このように、さまざまな操業データをKIで分析して原因を探ることで、歩留まりも向上しています。改善率はまだ期待しているところまで到達していませんが、費用対効果としては成果が出ていると考えています。