リゾートトラスト株式会社

リゾートトラスト株式会社 執行役員 業務部門 経営企画部 部長 太田泰紀氏、同部 経営管理課 主事 中谷賢人氏、同部 事業戦略課 主事 岩井宥樹氏、メンバーシップリレーション部 第二室 主事 竹輪大志郎氏、ホテル&ゴルフ本部 運営企画戦略部 運営戦略課 主事 山口雄大氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIによって社内データをフル活用し、さらにきめ細かな顧客対応を実現していきます」

リゾートトラスト株式会社について

リゾートトラストグループは、「ベイコート倶楽部」「サンクチュアリコート」「エクシブ」をはじめとする会員権事業を軸に、ホテル、ゴルフ、メディカル、シニアライフなど、「余暇と健康」にまたがる領域を事業領域とする、愛知県の総合企業グループです。

創業 1973年
年商 1698億3000万円(2023年3月期 ※連結)
従業員数 7943名(2023年3月末現在 ※連結)

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・効果

活用状況

  • ・中期経営計画での重点課題「DX推進」を実現する中核ツールとしてKIを活用
  • ・顧客属性データの年齢、性別、会員権の種類、利用回数、頻度をKIに投入し分析
  • ・施設活用状況、入会動機の分析、検証
  • ・ホテルのレストラン利用で、従来の見解と異なる予想外の原因が分かったことも

導入前の課題

  • ・蓄積されたデータを十分に活用しきれていなかった
  • ・社内の顧客対応ノウハウが属人的になっており、全体に浸透していなかった

KIへの評価、導入効果

  • ・データ分析の解像度が大きく向上。400時間~ 500時間の時短効果も
  • ・データサイエンティストに社員が自由に質問できる機会も、社内で好評
  • ・「現場主導のデータ分析」への変化

全社的なDX推進の中核ツールとしてKIを活用

リゾートトラストではKIをどう活用していますか?

KIは経営企画部、ホテル&ゴルフ本部、メンバーシップリレーション部、財務部などで活用しています。現在全アカウントのうち、重点的に活用するパワーユーザーが7割、閲覧専門のライトユーザーが3割です。中期経営計画では「DX推進」を重点課題としました。KIはこれを推進するための中核ツールのひとつです。

具体的用途としては、まず「施設活用状況、入会動機の分析、検証」をおこなっています。例えば、高いグレードの会員、あるいは何らかの物件を新たに入手された会員であれば、自然と利用も活発になる、通常はそのように予測できます。しかし一方で、本当にそれだけなのか、他の原因もあるのではないか、そういった深堀をKIの活用により分析していきます。

また仲介会社から会員権を購入した方が、自分で色々調べていることもあり、サービス内容に詳しく、利用も活発な方が多いという予測も以前からありました。これについてもKIにより緻密に検証しています。

コロナ禍の時期、比較的高価な料理がよく売れたという現象がありました。当時、巷で高級食材が売れずにダブついていたのを、弊社が一括大量仕入れし、お客様へできるだけリーズナブルな価格で提供したところ、好評を博した、これが弊社の見方です。しかし、それ以外にも理由があるのかもしれない。それをデータ分析によって見出し、各種施策をさらに緻密かつ再現性の高いものにしていきます。

会員制ホテルなので顧客属性データはすでにあり、年齢、性別、会員権の種類、利用回数、頻度などをKIに投入し分析していきます。ホテルの利用件数は月間で6万件から10万件、年間では100万件近くに及びます。この大量のデータはExcelで分析できないので、KIを使っていきます。

従来は、分析対象を絞り込み、データを少量にして決め打ち分析をしてきました。しかしKIでは大量のデータや、さまざまな要素を多角的に分析できます。一つの要因に対し、ではここに別の要素を足して分析したらどうなる?といった試行錯誤も高速でおこなえます。作業が時短された分、考える時間が増えた実感があります。

ホテルのレストラン利用で分かった意外な原因

AFE機能(機械学習)はどう活用していますか?

AFE機能は、たとえばホテルのレストラン利用の分析で活用しています。弊社の場合、宿泊客がホテル内のレストランで夕食をとる割合が比較的高い傾向にありますが、その比率はホテルごとにバラつきがありました。それを分析する中で浮上したのが「年齢層」という要因です。大きくは20代~ 40代の若い顧客のレストラン利用割合が低いことがわかりました。従来は利用施設や利用内容、会員権の種類のみに着目していたので、これは意外でした。この結果を踏まえ、若年層向けの価格や料理プランが投入されたことで、利用率は劇的に改善しました。データ分析が実際の業務改善に直結した好例です。

さらに「顧客体験の改善」のためにデータ分析を活用しています。弊社には、会員様に利用の案内や提案、予約の手配をおこなう部署があります。そこでデータ分析をおこない、顧客の各種ニーズを的確に把握し、対応していきます。

以前は、Excelを使って施策の策定や需要予測のためのデータ分析をおこなっていましたが、施設ごとの細かい要件が増えるにつれてExcelでは、容量や作業効率の観点から追いつかなくなりました。現在では、これらのExcelで実施していた内容もKIで置き換えています。

これは作業効率化の一例ですが、KI導入により、従来、約10数時間を要した月次分析が現在は30分程度で終えられます。またExcelのピボットテーブルでは限界のあった分析も、今は的確かつ短時間で分析ができています。

現場から、「試してみたいアイディアがある。ところでここの数字は、どうなってるの?」などパッと聞かれたときでも、KIを使って即座にデータを提示できます。KI導入により即応力が向上した実感があります。

経済誌の特集を通じて、KIを知る

KIの導入の経緯についてお聞かせください。

KIのことは経済紙でのキーエンス特集で知りました。記事によればキーエンス自身のデータ分析の苦労体験が、今のKIの原型になっているとのことでした。

弊社ではこれまで営業担当者が、ある種「御用聞き」のように顧客密着し、顧客のイベントや家族行事に合わせて施設やサービスを提案するなど、顧客満足を高める取り組みをおこなってきました。

しかしこのあり方では、ノウハウや知見が一人の営業担当者の中で完結してしまい、全社的な広がりに欠けるという課題がありました。それを一般化し、社内で受け継いでいくには、やはりデータ分析を通じて、良い行動を一般化、モデル化する必要があると考えました。

KIを使えばそれができそうです。またデータサイエンティストという家庭教師までつくといいます。ぜひ導入したいと考えました。

その後キーエンスに説明を受け、3か月後に稼働開始に至りました。

データサイエンティストに社員が自由に質問できる機会を設ける

ここまで使ってみてのKIへの評価をお聞かせ下さい。

データ分析の解像度が大きく向上しました。従来は部分的な分析にとどまっており、例えば「この会員権種別での宿泊者数は何名」のような単純な集計が限界でした。しかしKIの導入により、飛躍的に会員や顧客像の把握力が上がったと感じています。さらに、こういった事が属人化しないところが、大きなメリットだと感じています。KIはとてもわかりやすい。ほとんどスマホのアプリのように直感的に使えます。弊社のようなサービス業、ホテル業では、それほどITに長けた人が多いわけではないのですが、それでもまったく問題ありません。

また、KIはキーエンス自社開発の製品であり、サポートと開発部門の距離が近く連携が密な印象があります。顧客のニーズをどんどん吸い上げて、アップデートが早い。導入した当初と比べてもKIの機能は大きく改善されています。 データの共有も簡単です。閲覧権限さえあれば自由にデータが見られます。社内から「(データ活用って)こんなに簡単にできるの」「以前はあんなに時間がかかっていたのに」という反応がありました。特に財務部のような、数字の差分に着目する部署から好反応でした。

とある部門のトップの役職の方から「ぜひKIの使い方を教えてほしい」と依頼されたこともあります。従来Excelでおこなっていたさまざまな集計や分析作業についても、KIなら、マスタを組めばデータを更新するだけでほぼ自動集計できると伝えたところ、「それは便利だ」と感心いただきました。KIは、操作を1回組んでしまえば、Excelで毎回集計するより、明らかに作業効率が上がります。この他、時短効果としては、KI導入により、全体として400時間~ 500時間が短縮されたと試算しています。

現場の意識も変わりました。昔なら経営層から「こういう資料ないのか」「こういうデータはないのか」と聞かれ、現場は即回答することは難しく、持ち帰って後日に回答、という姿勢だったのが、最近は「もっと分析したい。そのためには、このようなデータが必要だ」のように現場が主導しています。KIを使うことで、現場の「業務への想像力」が膨らんできた気がします。元々あるデータを軸に、より良くその資産を有効活用しようという、ポジティブかつアグレッシブな姿勢が出てきました。

KIは仕事の「視点」を成長させるツール

KIはどんな企業におすすめでしょうか?

Excel分析に限界を感じている企業は、とにかく一度KIを使ってみるのがよいと思います。社内で保有しているデータをまず、KIに通してみれば、データ全体の傾向、全体へ大きな影響を持つ要素が見えてくる感覚があります。KIは専門知識がなくても、誰でも使えるツールです。データサイエンティストの伴走支援や、サクセスサイトなどWebサポートも充実しています。とにかくやってみる、という姿勢で導入しても、十分間に合うでしょう。

KIは私たちにとって、仕事をしていく上での「視点」を成長させてくれるツールです。これからもフルに使いこなしていきたいですね。今後もキーエンスにはそうした弊社の取り組みを優れた技術、製品、サポートを通じて支援いただきたいと考えています。

リゾートトラスト株式会社

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