まず前提として、「今後10年を見据え、『マーケティング』を強化していく」という全庫的な⽅針がありました。⾦融機関を取り巻く環境が⼤きく変化している中、信用金庫の原点ともいえる「お客様」をさらに深く理解し、それに基づき中⻑期的な戦略を⽴てていく必要性が増していました。
2020年度、お客様との絆を一層強化するとともに、市場の変化に適応したマーケティング戦略の再構築を図ることを目的に「マーケティング戦略グループ」が新設され、私たちがその役割を担うことになりました。
同年度には「10年後の当金庫のあるべき姿、目指すべき方向性を議論する」ことを⽬的に「10カ年長期計画構想プロジェクト」が作られました。このプロジェクトによる答申で大きな関心事としてあげられたのがデジタルトランスフォーメーション(DX)でした。
これらの⽅針を受け、まずデータマーケティングに新たに取り組みました。しかし、試行錯誤する中では、多くの困難に直⾯しました。
まず分析対象となるデータが膨⼤であるため、エクセルの計算では到底処理できません。それでも無理して何とか形にしますが、分析に時間がかかることは避けられず、結局、⼀つの施策を完結させるまでに半年もかかるなど、機動性を著しく⽋いていました。
また属人性も問題でした。担当者が自力でデータ分析のノウハウを⾝につけたとしても、その担当者が異動となったら、後をどう引き継ぐのかという問題です。これでは長期的なマーケティング能力の向上は見込めません。
そんな課題意識を持っていたとき、⾦融機関向けオンラインセミナーを通じて、KIを知りました。セミナーではKIの解説とデモがあり、これら課題を解決できると感じたので、早速他のメンバーも交えて改めてデモを見ることにしました。