王⼦ネピア株式会社

王⼦ネピア株式会社、リビングサポート事業本部 事業本部⻑ ⼤瀧 章治⽒、営業企画部 部⻑ ⾕川 哲⽒、⽯川 陽⼀⽒、⽑呂 督⽒、五⼗嵐 ⼀之⽒に、KIを導⼊した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIは、営業現場の行動指標づくりに活用しています」

王⼦ネピア株式会社

王⼦ネピア株式会社は、⽇本を代表する製紙企業の⼀つ、王⼦ホールディングスの中で、ティッシュ、トイレットペーパーなどの衛生用紙、紙おむつの製造、販売を主な事業としています。

年商 645億円
従業員数 900人
設立 1971年

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

提案営業の強化のためにKIを活⽤

王⼦ネピアでは、KIをどのように活⽤していますか?

⾕川⽒: 王⼦ネピアでは、KIを「良い提案営業をおこなうための、営業活動の⾏動指標づくり」に活⽤しています。
弊社の事業は衛生用紙、紙おむつなどの製造、販売です。主な営業活動は、卸流通や小売業者など既存取引先への「ルート営業」で、現在はこれに加え、商品を通じて顧客の問題を解決するという「提案営業」に注⼒しています。この活動では、常に顧客の課題解決を第⼀義にしています。
⼒を⼊れている提案営業の成果を、全国9拠点、120名の営業担当者全員が、⾼いレベルでおこなうためには、まず本社側から、わかりやすい⾏動指標、つまり「これとこれとこれを、毎⽉/四半期に⼀度/半期に⼀度、○回、実⾏すれば、提案営業が結実し、売り上げが伸ばせる」という⽬安を提⽰した⽅が効率的だと考えました。

エクセル営業管理とKIデータ分析を組み合わせる。

「KIを使って、営業の⾏動指標を作る」とは具体的には?

⾕川⽒: 現在、弊社では、⼀時的な措置ではありますが、営業担当者の活動をエクセルで記録しています。運⽤体制は次のとおりです。

  • 1.営業担当者には、本部で作成した「顧客コンタクト記録シート」エクセルを提供する。
  • 2.担当者が顧客と接触(対⾯、オンライン対⾯、電話など)した場合、その内容をシートに記録する。
  • 3.シート内にはプルダウン式の項⽬が⼗数個。プルダウン内の選択肢は数個程度。⾃由記⼊欄はなし。
  • 4.シートは本社側で毎週、集計し、「営業⾏動トラッキング表」を制作する。
  • 5.トラッキング表の各項⽬には、たとえば「これを四半期に⼀度は実⾏する」「半期に3度は実⾏する」など達成⽬標が付随している。さらに、「⽬標5に対し、現在は3」のように達成進捗が記されている。表を⾒れば、⾃分、⾃拠点の達成度のほかに、他の担当者、他の拠点の達成度もわかる。すべての情報をオープンにする。
  • 6.営業担当者および管理職は、このトラッキング表を⾒て、⾃分、⾃拠点の進捗を知り、次の活動改善につなげる(PDCAを回す)。

KIは、この⼊⼒された⾏動データを分析し、「⾏動指標」を策定する際に使っています。具体的には次のとおりです。

  • 1.各担当者が記録したエクセルシート(⽣データ)を、KIで分析する。
  • 2.成績の良好な担当者(あるいは拠点)は、営業⾏動にどんな共通点・特徴があるのかを⾒いだす。「上⼿くいく営業は、ここがちがう」を知る。
  • 3.その特徴をもとに、営業の⾏動指標を策定する。それをトラッキングシートに反映する。
  • 4.現在は13の⾏動項⽬が設定されている。しかし、これは絶対不変ではない。KIによる「『良い結果につながる⾏動』の特徴分析」は、今後も継続する。コロナ禍などで外部環境が変わった場合、特徴もまた、変わってくるはず。それをデータ分析を通じて早期に⾒抜き、現場の⾏動指標に機動的に反映する。
  • 5.現場には、なぜこの⾏動項⽬が重要なのかという、「根拠」も知らせる。データ分析を通じて策定した項⽬であり、本部が思いつきで考えた項⽬ではない、ということを伝え、納得感を得る。

当初は、エクセルでなく、既存SFA内のデータを分析しようと考えました。しかし当時使っていたSFAのデータは、⽇報のような⾃由記述の内容であり、定量分析に不向きでした。
それをキーエンスのデータサイエンティストに相談したところ「SFAにこだわる必要はない。『⼊⼒徹底』が実現されるのであれば、最初はエクセルという⼿段もある」と助⾔がありました。さらに「最も重要なのは『⾏動の指標づくり』」と提案がありました。
助⾔を受け、まずはエクセルでデータ収集をはじめることに決めました。そして、どんな項⽬を収集したら、良い営業の⾏動特徴が抽出しやすいか、具体的なキーエンスのノウハウを伝授してもらいながら、項⽬を決めていきました。

KI導⼊の経緯

KI導⼊の経緯を教えてください。

⼤瀧⽒: 提案営業の確⽴は、数年前から全社的な課題となっていました。その解決のために、「営業⾰新部」という専任部⾨を立ち上げました。当初は、「外部の専門家に学び、提案営業の⽅法論を習得し、ノウハウを現場に伝え、浸透させていく」という⽅針で、私が学び、⼀通りの知識、⽅法論を習得しました。しかし、その後の「全社展開・現場浸透」については、具体的な⽅法論を⾒いだすことができず、攻めあぐねていました。

そんなタイミングで、キーエンスからKIの紹介がありました。興味を持ち、デモを⾒たところ、素晴らしい内容でした。「現場に対しては、データを提⽰するのが、最も納得性が⾼い。これを使えば提案営業を社内に実装できる」、そう確信し、デモの後、経営層に向け起案し、承認を得て、導⼊にいたりました。

「データ⼊⼒徹底」を最優先

導⼊後、どうしましたか?

⾕川⽒: まず「KIプロジェクト」という名称の、部⾨横断的なプロジェクトチームを作りました。構成員は、営業企画部、マーケティング戦略室の数名。各⼈は、本業と兼務する形でプロジェクトに関わります。そしてキーエンスのデータサイエンティストと、⼆週間に⼀度の定例会を設定しました。その後、議論を重ねる中で、前述のとおり「SFAデータはとりあえず使わない、まずはエクセルでデータ蓄積する」という結論に至りました。
次いでエクセルの⼊⼒項⽬を協議しましたが、ここでキーエンスから繰りかえし強調されたのが「データ⼊⼒徹底」という考え⽅です。あまねくすべての営業担当者が、⽇々、顧客と接触するたび、もれなく100%⼊⼒する。80%、90%では不⼗分、100%に近づけることでデータ分析は成功する、そのためには必要最⼩限のデータ⼊⼒項⽬にすべき、という趣旨でした。
その⽅針にもとづき、現場に過剰な負荷がかからないよう、エクセル内のプルダウンの項⽬は極⼒、最⼩化しました。

⽯川⽒: KIを操作しての実際の分析は、私、⽑呂、五⼗嵐の3⼈でおこないます。実は、私たちは当初、数多くの⼊⼒項⽬を提案していました。分析班としては、できるだけ詳しく、いい分析をしたいという思いがある。だったら元データは多い⽅がいい。将来のためにこれもあった⽅がいい、あれも必要、もっと詳しくという感覚で、「お店巡回、棚メンテナンスをしたか」「商談に⾏く前に上司に相談したか」「顧客の感触は良かったか」など多くの項⽬を盛り込もうとしました。しかし、その項⽬の多くは、上司の⼤瀧から却下されました。

⼤瀧⽒: 分析班のやる気はわかります。でも、項⽬が多いと、現場は⼊⼒が⾯倒になる。すると、やらなくなるに決まっているんですね。キーエンスの「データ⼊⼒徹底のために、データ項⽬は最⼩限」という考え⽅に全⾯的に賛成でした。⼊⼒項⽬については、現場担当者の視点で精査し、迷わずすぐに⼊⼒できる項⽬のみ残しました。
現在は、当初の意図どおり100%に近いデータ⼊⼒がほぼ達成できています。ひとまずPDCAを回すメドを確⽴できたように思います。

KIへの評価

KIへの評価をお聞かせください。

⽑呂⽒: KIは「早く⼤量に、総当たり分析できる」「予想外の発⾒がある」「当たり前のことがきちんとわかる」のが良い点です。
まずKIを使えば、個⼈の⼿作業に⽐べ圧倒的に早く、⼤量に分析できる。だから、あらゆる可能性を総当たりできます。総当たり分析は、⼤半がハズレですが、時には「予想外の分析結果」が得られる。これは機械学習の⾯⽩さといえます。
⼀⽅、「当たり前のことがきちんとわかる」のも良い点です。当たり前のこととは「わざわざデータ分析しなくても、普通に常識で考えればわかるような話」のことです。しかしこれがわかるのも、また助かるのです。⾃分の「常識」が間違っていないことが、データ分析を通じて追認できるからです。
KIは、⼈と違って、どんな⼤量の分析も嫌がらずやってくれる。だから時々、お宝が⾒つかる。これは⼤きな価値だと思います。

サポートへの評価

キーエンスのサポートへの評価をお聞かせください。

五⼗嵐⽒: データサイエンティストという名称に対し、最初は科学者のようなとっつきにくい印象を感じていました。しかし実際には、こちらの⽬線まで下りてきてくれる親しみやすいサポートでした。対⼈スキルがすごい。何をしても、否定されない。たとえこちらが間違っていた場合でも、間違いを指摘するのではなく、「こうする⽅法もあります」のように、提案の形で伝えてくれる。こちらを上⼿く乗せて、⽬標達成に近づけてくれる。まさに「伴⾛」のサポートです。

⽯川⽒: ⼀⽅で「さりげなくスパルタ」な部分もあります。たとえば定例の分析相談会。これが単なる会合ではなく「次までに○○をしてください」のように必ず課題が出されます。これがなかなかつらい。しかし、そうした宿題が伴わないと、「本業と兼務してのプロジェクト」というのは、なかなか前に進みません。これに限らずキーエンスのひとは、何かするとき、必ず「○○⽇までに」と、もう空気を吸うように⾃然に期限を設定してくる(笑)。勉強になります。

先⾏ユーザーからのアドバイス

KIの導⼊を考えている企業に、先に使っている⽴場からアドバイスなどあればお願いします。

⼤瀧⽒: 今回のKI導⼊は「データ分析を通じて、キーエンスのノウハウも導⼊し、社内の営業をよくする」ことも⼤きな⽬的でしたが、これに対し「それはキーエンスだからできることだ」「ウチで本当に上⼿くいくのか?」という慎重論もありました。しかし、それを⾔うと、究極的には「⾃社の社員を信じないこと」につながってしまう。キーエンスと同じレベルに達するのは難しいにせよ、それでも実⾏すれば、必ず未来につながるはずです。慎重論に対しては「社員を信じましょう」と繰り返し述べました。
これからKIを導⼊する企業も、「⾃社の社員を信じる」ことをプロジェクトの根っこに据えるのがよいと、私はそう考えます。

⽯川⽒: 運⽤の⽴場からも述べます。集計レポートは、現在、週次で作成していますが、プロジェクト開始当時は、毎⽇集計して、毎⽇配布していました。これは「本社側も本気でこのプロジェクトに取り組んでいる(決して、⼀時的な思いつきではない)」「われわれは本気で現場と伴⾛していく」という意志を⽰すためです。現場の「⼊⼒徹底」を実現するには、まず本社側が本気を⽰す必要があると考えます。

今後の期待

キーエンスへの今後の期待をお聞かせください。

王⼦ネピアは今後も⾼品質の衛⽣用紙や紙おむつを製造し、それらを組み合わせて顧客の課題解決に貢献するよう尽⼒していきます。キーエンスにはそうした弊社の取り組みを、優れた技術、製品、サポートを通じて⽀援いただくことを希望いたします。今後ともよろしくお願いします。

王⼦ネピア株式会社

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