京進はデータ分析を、本部・現場の両輪に続く「成長のための第三の車輪」と位置づけています。従来、現場の講師力に頼ることの多かった塾事業の運営を、データ駆動型に変えることで、少子化をはじめとする市場環境の変化に対応し、継続的な成長を実現させます。KIは、この取り組みの中核的なツールになります。
現在は、はじめの一歩として「退塾率を抑えるための分析」に取り組んでいます。分析対象データは、生徒の学校や塾での試験の得点、つまり「成績情報」、入塾(退塾)の時期、出欠状況、受講科目、宿題、イベントへの取り組み状況など「受講情報」、そして保護者や生徒を対象に実施した「アンケート情報」の3種です。
この観点で「過去、実際に退塾した生徒のデータ」を分析し、そこに特有の傾向や特徴量を把握します。その上で現在、在籍している生徒の中から「退塾した生徒と同じ特徴量を持つ生徒」を見出します。そうした生徒は、「将来、退塾する可能性のある生徒」と見なせるので、現場は、すみやかに対策をおこないます。早期に認識できれば、早期の対処が可能になる。データ分析に基づいて、さまざまな施策を先取り的に行うことにより、退塾率の低減に繋げます。
数ある課題の中から、現在特に「退塾率の低減」に取り組んでいるのは、端的にいえば「これが最も手がつけやすく、最も早期に効果が期待できるから」というのが理由です。退塾分析に必要な、成績情報や受講情報、アンケート情報などは、新たに集めなくても「すでに手元にある」データなので、「はじめの一歩」として取り組むには最適です。また少子化が進む現在では、入塾率の増加を図る以前に、まず退塾の防止を進めることの方が、施策として適切であると判断しました。
この他、人事や労務の分野でも、近々にKIの活用を開始します。企業活動すべてにデータ分析を適用することで、学習塾事業に止まらず、保育、介護、日本語教育など新事業も共に成長させていきます。