日本タングステン株式会社

日本タングステン株式会社 経営企画部 主査 飯盛 仁氏、事業支援本部 営業支援部 営業支援グループリーダー 小野 雅紀氏、機械部品事業本部 営業部 東京駐在 副主幹 早迫 裕貴氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「営業現場がデータを入力する → 分析が進む → 営業が改善する → だからもっとデータ入力する。そんな好循環が実現しています」

日本タングステン株式会社について

日本タングステンはタングステン製品、電気接点関連製品、超硬合金製品、ファインセラミック製品を事業分野としています。特にハードディスクなどの磁気ヘッド基板で使われるセラミックでは、世界トップシェア。また超硬合金製ロータリーカッターでも国内トップシェアです。

創業 1931年
年商 115億円
従業員数 435名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・効果

活用状況

  • ・サステナビリティ経営基本計画:5つの成功の柱のひとつ、「リアルとデジタルの融合」の取り組みの一環として、データドリブン営業を推進
  • ・営業担当者が互いにKIの活用事例を発表し合う、Webリモート発表会を定期的に開催
  • ・人事考課制度に、「データを入力すること」という趣旨の項目を新たに追加

導入前の課題

  • ・従来はどのような行動がどのような結果に結びつくのかを分析する手段がなく、経験や勘による行動が多かった
  • ・BIも活用していたが、導入歴も浅い状態で、分析軸の設定と可視化を同時におこなうには経験値も時間も足りていなかった

KIへの評価、導入効果

  • ・現場が自発的にデータ入力、可視化の推進、より一層データ入力を促進、という好循環へ
  • ・サポート、そしてデータサイエンティストの真摯な姿勢、言語化の能力を評価

各自がKIを使って営業活動を分析、月次会議以外での活用も

日本タングステンがKIを導入した経緯、現在の活用状況を教えてください。

日本タングステンはサステナビリティ経営基本計画の中でサステイナブルビジョンを掲げ、次のとおり5つの「成功の柱」をあげています。

  • 5つの「成功の柱」
  • 1.カーボンマイナスへの挑戦
  • 2.枯渇リスクの高い資源の有効活用
  • 3.提供価値の転換と新たな価値の創出
  • 4.働きがいと創造力のスパイラルアップ
  • 5.リアルとデジタルの融合

5番目の柱「リアルとデジタルの融合」では、その取り組みのひとつに、「データドリブン営業の実現」が掲げられています。KIはこれに資するツールだと直感しました。

これまでも営業担当者は目標達成のためそれぞれ取り組んできましたが、どのような行動がどのような結果に結びつくのかを分析する手段がなく、従来からの経験や勘による行動が多かったように思います。

分析のためにBIツールも導入していましたが、導入歴も浅い状態で、分析軸の設定と可視化を同時におこなうには経験値も時間も足りていませんでした。

それに対してKIを使えば、「要因ツリー」機能で簡単にその事象の要因や原因を深く分析でき、AFE(機械学習)機能で傾向を見て把握し、その先のターゲットリストまで作れる。なんて便利なんだと驚き、これはぜひ導入したいと考えました。

当初、営業の一部には慎重論もありました。これまで自分たちが続けてきた営業プロセスに新たなツールを導入することで混乱が生じないか、本当に成果に繋がるのか、と不安を覚えるメンバーもいました。それに対して「皆さんの活動にとってかわるのでなく、より質の高い営業活動をするための補助となる位置づけです」と伝えました。最終的に各部門の理解を得ることができ、KIを知ってから半年後に導入に至りました。

いまKIのデータ分析は月次の営業会議で使っています。基幹システムのデータをKIに引き込み、マトリックス、要因ツリー機能で分析、深堀りします。

この会議以外でも、多くの社員各人が個別にデータを扱っており、東京・大阪・愛知・佐賀の各営業拠点で利用されています。

営業部門がデータ入力に積極参加するように

KI導入後、営業現場にどんな変化がありましたか?

営業担当者が互いにKIの活用事例を発表し合う、Webリモート発表会が開かれています。報告会では、パワーポイント等の報告資料を用意するのではなく、実際のKI画面を共有しながら発表するケースが増えています。

先日の報告会では、KI上で特定顧客の発注種別を分析した内容について発表がありました。保守品・在庫品・新規案件など、全体の売上推移からだけでは見いだせない傾向を報告してもらいました。実際に顧客訪問前に分析結果を把握し、その結果を基に顧客との会話の材料とすることで、ヒアリングの具体性を高めている、とのことです。

また、KIで出したターゲットリストに半信半疑でコンタクトしてみたところ受注に結び付いた、という事例もあります。まさにやってみるものです。

「これが売れた顧客には、あれも売れるのでは」、そんなクロスセル仮説のもとAFE(機械学習)機能で顧客リストを出し、行動すると結果が出た、という例もあります。

社内のKIに対する期待値も、徐々に上がってきていると感じます。以前は営業支援側でデータ活用施策の提案をしても、あまり営業現場からの反応を肌で実感することはありませんでした。だからKIでは積極的に「営業マン視点の事例」を見せるように意識して働きかけました。なんとか面白がってもらおうと考えた結果です。

やはり現場での実際の活用事例は、社員に「響き」ます。そこから着想を得て、「では自分はこう使ってみよう」という形でデータドリブン営業が拡がっていけばと期待しています。

従来は「受注の実績データ」と「営業担当者の行動データ」が分断されていました。サクセスサイトをはじめとしたデータ活用のノウハウで着想を得ることができ、まだまだ粒度は粗い繋ぎ方ではあるものの、KIという1つのツール上でデータが繋がったときはこの先の解決の糸口が繋がったように思えました。営業担当者の方々も、「すごい!」と感動してくれました。

KIは、営業各自が一人ひとりに合わせた分析を自分でできるのが強みです。従来のBIダッシュボードは最大公約数的なもので、営業マンそれぞれに合わせた分析ではなかったため、知りたい情報がない、という印象をもつ営業マンも多かったのではないかと思います。

データ分析するための各種データは多くの場合、営業マンが入力しています。その中で、営業現場において「入力させられている」雰囲気も一部ではあったのではないかと思います。

営業支援側が「データを入力して貯めれば、さまざまな分析ができて質の高い営業活動につながります」と呼びかけても、忙しい中データ入力する営業側は、「これ本当に全部使うの?」と疑問に感じます。そのような状態で推進しても、営業マンが腹落ちしていないので徐々に入力率が下り、十分なデータが貯まらない。結果として、良い分析・可視化にもつながらない、そのような悪循環が生じていました。

一方KIはデータを入力すれば、自分たちで分析でき、質のいい営業ができるようになる。そこに気付けば、自然とデータ入力したくなる。すると加速度的に可視化が進む。そして現場に「自分たちが入力したデータが活かされている。データ入力する意義がある」という意識が浸透し、データ入力がさらに進む。今度は好循環です。

取り組みの中で、ある営業マンが「こういう分析って可能ですか?」と聞いてきました。私が「それはデータが入っていないから難しい」と答えたところ、「じゃあデータを入れないといけないですね」と言ってくれました。

まず自分たちがデータを入れる、そうしないと何も始まらない。そのことが彼の中で「腹落ち」した瞬間を見た気がしました。

KIを使って、データ人材育成から、売り上げ向上までを実現

この他、KIの導入効果を教えてください。

KI導入の稟議書を書くとき、以下のことを期待効果として記載しました。

  • 1.データ利活用人材の育成
  • 2.データ価値向上
    (埋もれていて使われていないデータを使う)
  • 3.社員の行動変容
    (勘や経験だけでなくデータを基にした行動が当たり前になり、分析のために自らデータを収集、システムに入力する)
  • 4.データを使った付加価値の最大化
    (少ない営業時間で売上、利益を向上させる)

まず「データ利活用人材の育成」。現在では、多くの営業担当が分析ユーザーになりました。順調に進んでいます。

次に「データ価値向上」。SFAに蓄積されたデータをもとに、AFE(機械学習)機能を使った分析が、実際に動いています。

「社員の行動変容」。これも「データを使えば、役立つ分析がすぐできる」と社員に伝わり、積極的なデータ入力が進むなど、好循環が生まれています。

最後に「付加価値の最大化」。営業担当者がデータに基づいて行動したことで受注につながった案件が出始めています。この行動が広がることで、さらなる営業利益率の向上につながるのではなかと考えています。

この活動を仕組みとして動かすために、人事考課制度にも「しっかりデータを入力すること」という趣旨の項目を追加してもらいました。データドリブン営業の実現は全社的な方針なので、それに関連する行動は評価されるべきという考え方です。ちゃんとやった人が報われ、やらない人には牽制になる評価制度、これは大きな変化かもしれません。

地味なようで重要な、画面表示

製品としてのKIへの評価をお聞かせください。

KIで、これは地味なようで本当に親切!と思ったのは、昇順、降順の表示の横に「0から9」「9から0」と書いてあるところ。昇順、降順ってどっちがどっちか分からなくなることありませんか。わたしはよくあります。この表記は本当に使う人思いです。その他の使い勝手も一事が万事で、本当にわかりやすいですね。キーエンスというメーカーが自社のために開発したツール、であることをこういった行き届いた機能からも実感します。

また、サクセスサイトや伴走支援サポートもついていて、安心感もあります。正直、伴走支援がなかったら、ここまで来られていないと強く思いますので、本当に感謝しています。

今は四半期に1度、上層部を交え、KI導入後の振り返り、報告会をおこなっています。キーエンスの方にも参加いただき、経験談や実績を通じたアドバイスなどをお話いただいています。

サポート、そしてデータサイエンティストのみなさん、真摯であると感じます。みなさん、言語化がすごい。へりくだるだけでなく、聞かなきゃいけないことは、しっかり聞いてきて、そこに恐れがない。キーエンスのその姿勢が、安心感や信頼感を助長しているのではないかと思います。

データドリブン推進に不可欠の存在

皆さんにとって、KIはどのような存在ですか?

当社のデータドリブン文化を醸成していく上で、なくてはならない存在です。

膨大なデータから法則性を導き出し、その特徴をもとに仮説を立てて意思決定をおこなうためには、KIのような機械学習機能は必須です。

また、それが一部の専門的な人だけができるのではなく、営業現場の方々が自分たちで使えて、それぞれがデータを基に行動していく、いわば「データ分析の民主化」も欠かせません。それが叶えられるのがKIというツールだと思っています。

キーエンスにはそうした当社の取り組みを、優れた技術、製品、サポートを通じ、支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

日本タングステン株式会社

「営業現場がデータを入力する → 分析が進む → 営業が改善する → だからもっとデータ入力する。そんな好循環が実現しています」

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