KIはグループ全体の事業のDX化を視野に入れて導入しました。まずグループ会社の一つ「サノヤス・エンジニアリング」で運用し、その後、他のグループ会社へ横展開していく予定です。
サノヤス・エンジニアリングはショットブラスト機を主な事業分野としており、業界では「中堅」に位置します。特に塗装治具の剥離をおこなう専用機、ジグストリッパーに強みがあります。主な納入先は自動車部品など部品加工業界、その他、塗装業界、建築業界など「表面処理」が発生する製造業界です。
サノヤスホールディングス株式会社 執行役員 企画部担当 中西康之氏、企画部長 内山博之氏、企画部 副部長 兼 システム企画部 副部長 鳴尾友紀子氏、サノヤス・エンジニアリング株式会社 ショットブラスト事業部 ショットブラスト営業部 部長 角口優一氏、副部長 塩路和弘氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。(写真右から中西氏、鳴尾氏、塩路氏、内山氏、角口氏)
「営業効率化にKIを活用しています。KIで抽出したターゲットリストに接触した結果、売り上げは昨対110%を達成しました」
サノヤスホールディングス株式会社
サノヤスホールディングス株式会社は12社からなるグループの本社機能を担う持株会社です。サノヤスグループは「製造業向け産業機械設備・金属部品等」、「建設業向け建設機械・各種設備」、「遊園地向け遊戯機械」の3つのセグメントで製品・サービスを提供しており、サノヤス・エンジニアリング株式会社も、その1社です。
創業 | 1911年 |
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年商 | 201億4500万円(2022年度) |
従業員数 | 連結932名(2022年度) |
※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。
KIはグループ全体の事業のDX化を視野に入れて導入しました。まずグループ会社の一つ「サノヤス・エンジニアリング」で運用し、その後、他のグループ会社へ横展開していく予定です。
サノヤス・エンジニアリングはショットブラスト機を主な事業分野としており、業界では「中堅」に位置します。特に塗装治具の剥離をおこなう専用機、ジグストリッパーに強みがあります。主な納入先は自動車部品など部品加工業界、その他、塗装業界、建築業界など「表面処理」が発生する製造業界です。
KIは、ショットブラスト機事業の部品保守の営業で活用しています。部品保守は、機械を納入した顧客に定期接触し、問題、課題があった場合は修理、部品交換をおこなう業務です。しかし現状では全国600社の顧客を、大阪、関東、九州の3か所、8名の保守要員で担当しています。顧客の総数に比べ、担当者の人数は非常に少なく、「顧客をカバーしきれない」という課題が生じていました。
この課題を解決すべく、KIを使ったデータ分析に取り組んでいます。KIに、部品保守の販売実績、顧客情報、納入機種などの情報を投入し、それをもとに次の3ヶ月で保守が必要になる顧客の一覧を導出する、つまり要接触顧客の名簿、ターゲットリストをつくり出すわけです。
このリストに基づく営業は早々に成果が出ました。リスト上の顧客に接触すると、半分ぐらいのお客様から、「よく来てくれた。実は用事あって…」のように引き合いをいただけました。
従来は「呼ばれたら行く」をこなすだけで精一杯の、いわゆる受動的な状態でしたが、現在ではリスト上の顧客に対して、能動的に働きかける姿勢に変わりました。そもそも呼ばれて対応するより、こちらから訪問する方が、スケジュールの段取りも立てやすい。特に産業機械の場合は、顧客が全国各地に散在しているので、巡回の段取りの良さは営業効率に大きく左右します。
以前は無理して顧客を回っても、「特に用事ないよ」といわれるなど、空振りとなるケースが多くありました。今では、相当に進歩したといえます。現場からも「やりやすい」「動きやすい」と好反応です。
今年の保守事業は、要員が2名ほど減少したにも関わらず、売り上げは昨対比110%です。営業の能動化、それによる効率化が進んだ証左だと考えております。
経営層は、以前からサノヤスグループ全体の営業力強化を、解決すべき課題として認識しており、それが私たちにも伝えられていました。弊社は1911年創業で、すでに100年を超える社史がありますが、その営業形態は一貫してアカウント営業です。
つまり積極的に新規開拓するよりは、長い付き合いのお客様に向け「御用聞き」営業をする形が主流でした。これをもっと能動的な形に変えていく必要がある、ベテラン営業担当の勘だけに頼るのでなく、もっとデータを基軸に営業を構築する必要があるわけです。
ただサノヤスは多くのグループ会社を抱えており、業態も営業手法も各社ごとに多様です。そこに一律に「DXだからこれをやりましょう」と傘をかぶせるやり方では到底うまくいかない。データ一つをとっても、マスターデータが揃っているところ、全然ないところとあり、またマスターデータがあったとしても、営業と技術のデータが良くリンクしていないことがある。これら前提条件のバラつきを考慮したとき、DX施策も一律、簡単にはできないなと理解し、その後、まずコンサル会社や大手ベンダーにも相談することから始めました。
そんな折、キーエンスから営業接触がありました。キーエンスといえば営業力の高さで有名ですし、一度、説明を受けてみようということになりました。
話を聞くと、KIはあの高収益で認知されているキーエンスが、自社ノウハウをもとに、試行錯誤を繰り返しながら開発された商品だという、だったら、モノとしては絶対に外れない、あとは、こちらがうまく使いこなせるかどうかだ、と感じました。
特に魅力を感じたのはAFE機能(機械学習)です。機械学習により、傾向、法則を見つけ出し、確度の高い顧客に接触していく。これは他のベンダーやコンサル企業の提案ではできないことでした。
コンサル企業の提案は、まず「営業のビジネスフローから見直しましょう」となり、それに合わせてCRM導入、結局、数千万円の高価な話になります。しかしKIはそうでない。「機械学習を使って売り先を見つける」という目標点が我々の目的とも合致し、目指すゴールも明確でした。
もちろんKIを導入すれば万事解決、のような甘い話ではありません。そこでまずサノヤス・エンジニアリングの保守メンテ事業で使い、そこで成功事例を作った上で、他のグループ会社に横展開していこうと考えました。
KIを活用した営業数字のマトリクス帳票は、毎日見ています。常に見ながら、足りてないところを確認する。地域ごとの差、なぜ今月東京の調子が悪いのだろうなど日々、理由を考えています。
実はKI導入の直後、現場の反応はむしろネガティブでした。やはり今までの仕事のやり方を変えるような施策は、受け入れられにくいわけです。
それからは保守部門の社員に直接、声かけしたり、チャットを使ったりして、「この顧客、まだ行けてないよね」「この顧客、今日の出張に合わせて行けそうだね」のように、細かく指示し続けました。最初は動きが鈍い部分がありましたが、根気よく声をかけ続けました。
しかし、そうこうするうちに、営業し、成果が出て、すごいよねと皆から褒められ、やればできるという自信につながる、そんな好循環が起きはじめました。
受動的な姿勢、「行きやすいところにいく、連絡が来たら行く」ではダメだ、もっと能動的に「行けていないところ、行くべきところを見つけて行く」に変わらないと、と現場の意識が変わってきました。
具体的には、保守案件で顧客に呼ばれたとき、まずKIの要訪問リストを見て、「あ、リストにあるこのお客様、近いから追加で寄ってみよう」と考えるようになりました。
保守事業では、リードタイムの性質上、今の時点で、3か月後の受注内容がほぼわかります。そしてKIが示す3か月後の受注、ターゲットリストは、すでに判明している予定受注と、相当に一致していました。KIでターゲットリストをアウトプットし、調べてみたら「あれ、結構もう引き合いがきているな」と気づく。この整合性に、信頼性を感じました。
KIのリストは当初、主に若手社員に回ってもらいました。そして、キャリアの浅い社員でも、相応の営業結果を出すことができました。もちろん若手がおこなって、すべての問題を解決できるわけではありません。しかし、保守で出向く分には、そうそう門前払いにもならない。解決に至らずとも、「では本社に確認します」のように先につなげられます。
余談ですが、今は顧客に電話でアポイントを取るとき、「実は弊社はKIというツールを導入しており、それを使ってデータ分析したところ、どうも御社で部品交換の可能性があるので、お伺いしたいのですが...」のように、データに基づいたコンタクトであることを、先に伝えるようにしています。 リストを見て訪問する、だと商売臭いですが、データを見て先回りで保守提案している、といえば顧客本位になります。お客様には、信頼感をもってご納得ただけているように感じています。
KIはデータの自動更新がすばらしいですね。KI自身がデータを自動取得し、マトリクス分析などすべて再計算処理してくれるのは便利です。Excelのピポットテーブルでは毎回やり直しですが、KIは、開いたらその時の最新の状態になります。これはかなり良いです。
テンプレート機能も積極活用しています。テンプレートをそのまま使うというより、むしろそれを見ながら途中の式や考え方を勉強する、そんな使い方です。各業界でのノウハウが詰まっており、KIというツールの懐の深さを感じます。
データサイエンスティストとは月次で定例会を設けています。基礎から難解な部分まで、幅広く質問します。何かあればメールで相談します。常に迅速な対応があります。毎回、なかなか厳しい宿題が出される場合もありますが、それに対応する中で、有益なターゲットリストができ、売り上げ増につながりました。
これからこんなことをしたいと要望を出すと、しばらくして、それに対応するテンプレートができたりすることがあり、「あ、これ、要望を聞いてくれたのかな」と感じます。サポートは高く評価しています。
データサイエンティストからは、キーエンスはKIをどう使っているか、「顧客訪問記録を残すべき、後からKIに入れて使えるから」「キーエンスではこんな項目をヒアリングしている」など参考になる情報を教えてもらえています。
サノヤス・エンジニアリングのショットブラスト機の保守事業で一定の成果が出たので、今後は他のグループ会社にも徐々にKIを広げていきたいですね。特に機械販売の営業には、早く展開したいところです。
キーエンスにはそうした弊社の取り組みを優れた技術、製品、サポートを通じ、後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。
サノヤスホールディングス株式会社
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