株式会社エスエープランニング

エスエープランニング 営業統括本部 本部長 中村 政己氏、HRグループマネージャ 宮城 洋一氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「『顧客のファン化』のための分析に、KIを活用しています」

株式会社エスエープランニング

エスエープランニングは東京を中心に関東一円でパチンコ、スロットなど遊技施設を運営している企業です。

設立 2000年
(創業1968年)
年商 200億円
店舗数 13店舗
従業員数 108名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

顧客のファン化を目指す

エスエープランニングではKIをどのように活用していますか?

エスエープランニングではKIを、「顧客のファン化」のための分析に活用しています。

現在、当社の会員登録数は18万名におよびます。この会員データを詳細に分析し、知見を得て、それを基に店舗(各地域)ごと、会員ごとにきめ細かい販促活動、接客活動をおこなっていきます。そして顧客のリピート化、ファン化を計ります。

私たちは業界内では中小規模の事業者であり、昨今の厳しい事業環境を考慮したとき、大手事業者に対して、同質化してはいけない、量の競争になってはいけない。そうではなくデータ分析を通じて顧客密着、地域密着を進めていく。そしてファン、リピーターを作る、それが当社の進むべき道だと考えています。

RFM分析、顧客の離脱防止

具体的にどんなデータ分析をしているのでしょうか?

大きくは「顧客属性の情報」「店舗利用状況の情報」を分析します。「属性情報」とは、居住地・年齢・性別など、会員登録の際に、用紙に記入してもらう情報です。「利用状況の情報」とは、顧客がいつ、どの店に来て、どの台に、どのぐらい滞在し、どれだけ玉を購入いただいたかなどの情報です。

これら情報をもとに各顧客を、RFM分析の考えに基づき「3か月以上来店していない顧客」「毎月来店している顧客」などの形で、来店頻度別、購買額別に分類します。この分類情報をもとに、来店頻度をより高めるための施策を、顧客集団ごとに展開します。

この他、離脱顧客、つまり「以前は毎月、来店していたのに、最近は足が遠のいている顧客」の情報も詳しく分析します。具体的には、過去に離脱した顧客のデータを分析し、それらに共通する要素・傾向を見い出します。そして現在の顧客の中に、それと同じ傾向を持つ顧客がいた場合、「将来、離脱する可能性がある顧客」と見なし、それを防ぐため先手先手でさまざまな施策をおこないます。ここ数年のコロナ禍は、顧客の足を店舗から遠のかせる方向に作用しています。離脱防止の施策は重要と考えています。

離脱防止の施策

どんな施策をおこなっていくのでしょうか?

大きくは「キャンペーン」「個別接客」の2つです。「キャンペーン」とは、離脱の徴候が見える顧客集団に対し、来店を促すキャンペーンを設定し、ダイレクトメールや携帯電話のSMSなどを通じ、集客することです。

次に「個別接客」とは、頻繁に来店いただいているお得意様、あるいは、しばらくぶりに来店いただいたお客様などに、台まで伺って、ご挨拶や軽い世間話をするような活動です。パチンコ店の場合、ともすればお客様が、店側が知らないうちに来店し、しばらく台に座って、知らないうちにお帰りになる、といったことが生じがちです。これは地域密着、ファン化促進という観点から見て好ましくありません。

会員カードがあるということは、「●●様がいらっしゃった」ことがリアルタイムに店側で認識できるということです。その特性は、店員が出向いてご挨拶申し上げるような形で、接客向上のため積極活用するべきだと考えています。

導入前の課題

KI導入前の課題を教えてください。

一言でいえば「社内に蓄積されている顧客データが、顧客のファン化のために活用できていない」ことが課題でした。

パチンコ店の場合、「新台、人気台の導入(設備投資)→その大々的な告知による新規顧客の集客」が販促の基本形態です。しかし、そうした大規模告知「だけ」に頼っていると、手法が大手企業と同質化してしまいます。

そうした瞬間最大風速の施策ばかりに注力するのでなく、もっとお客様一人ひとりのことをよく知り、個別に丁寧に対応し、末永く当店をご利用いただけるような「ファン化」の施策を継続する必要があります。その地域密着の姿勢こそ、大手との差別化につながる、そう考えています。

顧客をよく知るには、顧客データの分析が必要です。そもそも会員登録制度とはそのための仕組みであったはずです。しかし実際には「この前、導入した新台がどれぐらい使われているか?」という顧客本位ではなく、台本位の分析に終始していました。これを改める必要がある。ではそのデータ分析をどうおこなうか。従来は「現場店長の役割」としていました。しかし店長は多忙で、分析まで手が回らない、また、やったとしても、エクセルを少しいじるような、「集計」で終わってしまう。

さらにデータ量が多すぎるという問題もありました。各店舗のデータは開店以来、数年~十数年分が蓄積されており、大量すぎてエクセルで処理できません。

このままでは、当社が理想とする「ファン化推進」の分析はできない。どこかで、良いツールを導入することが必要だと考えました。そんな課題を感じていたとき展示会を通じKIのことを知りました。まずはデモを見てみることにしました。

KI導入の経緯

デモを見ての印象はどうでしたか?

KIは、見た目、使い勝手はとてもわかりやすく思えました。ただ最初は「特徴量」など用語が今ひとつ理解できず、これ、本当に自分たちで使えるのかなと感じました。ただ購入後のキーエンスからのサポート体制も魅力的に感じ、それなら何とかなるだろうと思い直しました。何といっても、データ分析とファン化の促進は、当社の成長に不可欠の課題です。KI、まずは使ってみようと考え、導入を決めました。

まず実験店舗で実験展開

導入後、どのような形で施策を展開しましたか?

まず実験店舗で小さく展開しました。具体的には、東京都 高島平と、埼玉県 久喜の2店舗で顧客データを分析し、離脱防止のためのダイレクトメールを送付してみました。すると相当数の顧客が再来店いただけました。従来の、全員に一律に送るDMに比べ、はるかに良好な反応率でした。この2店舗での実験を通じ、データ分析は自社に役立つ、と確信を得ました。

この実験の成功は、ただちに全社員に伝えました。具体的には2022年の社員総会の壇上で、全社員を前に実験の成果を発表し、「今後、我が社はファン化施策に注力すべき」と訴えました。発表を聞いた各店の店長や現場社員からは、非常に肯定的な反応がありました。やはり「ファン化、リピーター確保」の重要性は、どの現場も痛感する課題のようでした。こうしてKIを「全社・全店舗的に使っていくこと」が決まりました。

現在は、営業統括本部の者が他の業務と兼任し、各店舗を巡回しながら、それぞれの地元特性にあわせた離脱防止戦略を練っています。エスエープランニングのデータ分析を通じたファン化施策の強化は、確実に進化していると感じています。

先行ユーザーからのアドバイス

現在、KIの活用を検討している企業向けに、先に使っている立場からアドバイスなどあればお聞かせください。

顧客満足はどの企業にとっても重要な課題だと思います。私たちとしては、今回の活動を通じ「データ分析なくして顧客満足なし」と、あらためて実感しました。現場一人ひとりの心の工夫、それはもちろん大事です。しかし、その心配りを誰にいつどのように向けるか、それを制御するには、全体を俯瞰するデータ分析の視点が必要になります。

そして膨大な量のデータ分析は、人間の頭脳だけでは処理できず、そこで必ず良いツールが必要になります。そのようなツールを使って分析することで、各地域、各店舗の潜在力を開花させる道筋が見えてくる、そのように考えています。

今後の展望

今後の展望をお聞かせください。

エスエープランニングでは引き続き、データ分析を強化しています。現在は宮城が兼任していますが、将来的には専任の担当者を据えるべきだと考えています。データの活用は、今後の当社の事業の成長を左右する、きわめて重要な取り組みです。今後も、社内全体に「データを通じてお客様をよく知る」という文化、考え方を浸透させていきます。キーエンスにはそうした当社の取り組みを優れた技術、製品、サポートを通じ継続支援いただくことを希望いたします。今後ともよろしくお願いします。

株式会社エスエープランニング

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