株式会社ユーズカンパニー

ユーズカンパニー EC・マーケティング部 難波優毅氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIにより顧客把握の解像度が向上、販売・買取・修理の3軸でライフサイクル分析をおこなっていきます」

株式会社ユーズカンパニーについて

ユーズカンパニーはジュエリーや腕時計の並行輸入品の販売、中古品の販売、買取、そして時計の持ち込み修理を事業分野とする企業です。渋谷本店のほか、新橋と新宿で買取店舗を展開しています。店舗のほか、通信販売、宅配買取も実施しています。

創業 1963年
従業員数 56名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・評価

活用状況

  • ・KIを使い、高級腕時計をはじめ各種商品の販売、買取、修理に関するデータを分析
  • ・販売額、利益額の内訳分析、広告施策での需要分析も実施
  • ・5,000件のダイレクトメール送付の際の、顧客抽出に活用

導入前の課題

  • ・広告施策を検討するにあたり、データの裏付けが欠けていた
  • ・社内に蓄積されたデータへの理解、およびデータ活用の知識が不足していた

KIへの評価

  • ・販売、買取、修理の各種データを連携して分析することが可能に
  • ・データを見て裏付けを取って行動し、PDCAを回す社内文化が醸成されてきた
  • ・データサイエンティストの的確かつ手厚いサポートを高く評価

販売、買取、修理に関するデータのライフサイクル分析

ユーズカンパニーではKIをどう活用していますか?

KIを使い、高級腕時計をはじめ各種商品の販売、買取、修理に関するデータを分析しています。さらに要因分析により、既存顧客の属性分析や、どういう顧客が購入から修理、買取、あるいは再購入など次の行動を起こしやすいか調べました。

また販売額、利益額の内訳分析もおこなっています。売り上げが伸びている、あるいは下がっているとして、その要因は何か?楽天やyahooなどモール通販か、あるいは自社通販、店頭販売のどれが原因か? 伸びているのは国内と海外どちらの売り上げなのか、もし海外だとしてアメリカ、韓国、ベトナム、どの国の影響が強いのか、などさまざまな軸や切り口から検証をおこないます。分析結果は、社内の会議や定例会で共有しています。

さらに広告施策では、どの地域や年齢のお客様が多いのかなど需要分析をおこない、その範囲に向けて広告を出すなどしています。以前から弊社のターゲット層は、おそらく40 ~ 50代の金銭的には余裕のある男性が最多だろうと漠然と感じていましたが、KIの分析結果を見たところ、やはりその通りであることが、客観的なデータにより把握することができました。

分析の質自体も、向上してきている実感があります。従来は買取や修理の各種データを分析する際に、販売のあとに買取につながった顧客、あるいは買取だけの顧客など、関連性の把握が不十分でしたが、それがKIの導入で可能になり、同一顧客に対しても把握の解像度が高まり、分析の質が向上したといえます。

顧客像は本当にさまざまです。学生から社会人になり、1本目として高級時計を身につけようとする場合、あるいは毎月のように来店くださる顧客、ヘビーユーザーの顧客など、そうした方々が、どの程度、買取に来てくださっているのか立体的に分かるようになりました。

そうした買取や販売、修理のライフサイクル、それを踏まえたうえでのメール送付など、顧客接触のタイミングを見定めていきたい。 従来は主に毎週発行のメルマガで集客していましたが、最近はFacebookやInstagramなどのSNS、その他YouTubeにも注力しています。最近は、KIのAFE機能(機械学習)を活用し、DMの送り先を抽出しました。

AFE機能(機械学習)を使ってダイレクトメールの送付先を抽出

DMの取り組み内容について具体的に教えてください。

一例を挙げると、KIのAFE機能を使って顧客情報を分析し、5,000件のDM送付先を抽出をおこないました。うち4,000件はAFE機能により3点以上の高スコアがついたリスト、残り1,000件はスコアがつかなかった顧客です。これはABテストを意図したものです。

DMの反応は5,000件送付に対し13件でした。この数字をどう捉えるかですが、販売しているのが高額商材であることを考慮すればまずまずではないかと解釈しています。DMの効果は粗品進呈のクーポンを使って測定しました。とはいえ、来店はしたもののクーポンは持参しなかった、とうい顧客がいるかもしれない。実際のDM反応率はもっと高かった可能性があります。

なおスコア3点以上の4,000件と、スコア無し1,000件とでは、やはり前者の方が反応が良かった。ABテストの結果、データ分析で抽出したリストの方が、有意に好反応があると確認できました。この取り組みは一例ではありますが、さまざまな顧客属性や特徴量など人ではとてもカバーしきれないデータ量に対して、機械学習により自動で生成し抽出ができるため、他のテーマや施策にも応用できると期待しています。

今後は買い取りを促進するDMも打つ予定です。買い取りについては同業の店舗が、本店のある渋谷近辺だけで何十件とあります。ここは力を入れていきたいですね。

データをもとにPDCAを回す社内文化の醸成

KIの分析結果は社内でどのように共有していますか?

データ分析はSlackにキャプチャを載せるなどして共有しています。KIでは、画面をキャプチャしてそのまま見せられるので、ITに知見が深くなくても伝わりやすく、分かりやすい。分析結果を自分の目で見て考え、次につなげていく、そんなデータ分析への姿勢、つまりデータを見て裏付けを取って行動し、PDCAを回す、そんな文化が醸成されてきました。

特に要因分析機能の画面は、たとえば「東京都内には、この属性の人が多い」のような情報が、目で見て瞬時に分かります。施策プレゼンのときも、その画面を見せながら口頭で補足説明をおこなっていますが、説得材料として非常に有効だと実感しています。

これまでは、そもそもデータがどういう状態、形式で社内に蓄積されているのか正確には把握できていませんでした。また、データの活用の知識も不足していました。この点は、キーエンスのデータサイエンティストのアドバイスにより十分、補えたと考えます。

現在、データサイエンティストとは月次で定例会を設けています。毎回、課題が出て、それを宿題として対応する進行です。会議があるものの何を話せばいいか分からない、ということはまずありません。

データサイエンティストからは、どんな質問にも的確な回答があり、さすがプロだなと毎回感じています。たとえばDM施策を話し合うときも、どんな視点で取り組み、かつ結果をどう解釈するか、場合によっては「そもそもDMを送らなくても、この層の顧客は購入していた可能性があるのでは?」と踏み込んで考えるなど、さまざまな角度からアドバイスがいただけます。

「思考の深掘り」に繋がる、要因分析機能を高く評価

KIの導入経緯を教えてください。

社内のデータ分析力を強化するべく、データ分析ツールについて情報収集を重ねていましたが、どのツールも、データの可視化はできるものの、見え方が分かりづらく腹落ちしにくい、あるいはデータの前処理が大変そうなど難点があり、なかなか決定的な製品に出会えませんでした。

そんなときKIのことを知りました。操作画面は直感的に理解しやすいUIとなっており、これならITリテラシーが高くなくとも使えると感じました。特に要因分析機能の部分などは、頭で「こういう軸でみたい」「この条件だと、どうなるか?」など、頭に思い浮かんだ分析の切り口がすぐさま実行できる期待感がありました。Excelでの分析と違い、「思考を深堀できるツール」という好印象がありました。

データサイエンティストの伴走支援サポートも手厚く、これなら弊社のさまざまな部署や部門でも使っていけると感じました。社内で協議の上、KIの導入を決定しました。

導入後は、すでに何百万件と蓄積されている販売や買取、修理のデータの整理から着手しました。続いて、データの理解です。どんなデータ、どんな項目があって、それがどんな施策につながる可能性があるのか、漠然とでも仮説を立て、イメージを持ち、それをKIの機能を使い、裏付けていくわけです。

KIは高いITリテラシーがなくても、誰でも簡単に操作でき、理解しやすいのが魅力です。そして機能の多様性。前処理、ビジュアライズ、機械学習によるターゲットリストの生成。手軽にも使えるし、深掘りもできる。いったん一通り最初から最後まで分析し、その結果を再投入し、再分析する。ここまでできるツールは、そうそうないと感じています。

KIは思考に伴走し、実現へと導いてくれる存在

KIは皆様にとって、どのような存在ですか?

自分の思考に伴走し、思い描いていることを、その通り実現してくれる、そんな存在です。要因分析機能を使ってデータ分析し、そこから気づきを得て、じゃあこれを変えたら、と新しい視点を得て、それを繰り返すうち、新たな知見に至る、そんなことができるツールです。これからもさまざまな施策や打ち手に対して、中立的、客観的に判断するための材料を、データ分析によって導き出していきたいと思います。

具体的な例を挙げると、例えば1本の時計の売り上げについても、販売、買取、修理の3方面からライフサイクル分析し、その結果をもとに、お客様とどのように接点を持っていくか施策に落とし込んでいくつもりです。

一度ご購入いただき、しかしそのあとアクションがないお客様に対し、以前お買い求めいただいた商品を、弊社で買取査定し下取りに出していただければ、新たに商品を買う時に優待申し上げます、のような施策など提案していきます。

KIの活用を通じ、ますますいろいろなことができそうです。優れたツールがあることで常に前向きに施策に取り組めるのは良いことですね。今後もキーエンスにはそうした弊社の取り組みを優れた技術、製品、サポートを通じて支援いただきたいと考えています。

株式会社ユーズカンパニー

「KIにより顧客把握の解像度が向上、販売・買取・修理の3軸でライフサイクル分析をおこなっていきます」

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