株式会社ローソン

株式会社ローソン、ITソリューション本部 プロジェクト推進部⻑ 石田 剛彦氏、関根 洋介氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIの活用を通じて、キーエンスのデータ分析ノウハウを吸収していきます」

株式会社ローソン

株式会社ローソンは、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズチェーン展開を主な事業分野とする企業です。出店エリアは国内47都道府県のほか、中国、インドネシア、ハワイ、タイなど。(2021年2月末現在)

総店舗数 14,476店(国内)
全店舗売上⾼ 2兆3,497億円(連結)
社員数 10,385人(連結)

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

KI導⼊の⽬的

ローソンでは、KIをどう活⽤していきますか?

KI活⽤の⽬的は、まずは「全国1万4500店舗で予防保守を実現すること」です。そして、将来的には「データ分析を全社に浸透させていくこと」につながればと考えています。

⽬的1.「予防保守」

⽬的1.「店舗の予防保守の実現」とは具体的には?

ローソンの店舗には、1店につき20〜30種類の電⼦機器があります。POSレジ、⾃動釣り銭機、ストアコンピューター、プリンタ、電⼦決済端末、ルータ、発注端末、検品機器、Loppiなどです。これらソフトウエアを伴う電⼦機器の管理は、私たちIT部⾨がおこなっています。

こうした機器が⼀つでも壊れたり、動かなくなったりすると、店舗運営に⼤きな⽀障をきたします。POSレジなど重要な機器は、1台壊れても⼤丈夫なように、必ず2台が冗⻑配備されています。また、その他の機器についても「店舗から故障の連絡があったら、素早く保守要員が出向き、修理する」という「かけつけ保守」の体制を取っています。保守業務は、外部の企業に委託しており、保守拠点は全国に140箇所に上ります。

しかし、「かけつけ保守」は、その体制を維持するのに、待機⼈員や部品在庫を常に確保せねばならず、相当なコストがかかります。このコストを低減するために「予防保守」を導⼊したいと考えました。これは、機器が壊れてから修理するのではなく、壊れる前に予兆を察知して適切な処置を施し、故障の発⽣を未然に防ぐという発想です。

故障の予兆を知るには各種データを分析する必要があります。このデータ分析に、KIを使おうと考えました。分析対象データは、⼤きく「機器の稼働状況」「店舗の属性」「外部要因」の3点です。

まず「機器の稼働状況」。コンビニ店内の各種機器は、その⼤半が、⾃⾝の稼働状況、つまり電源投⼊時間、読み込み書き込みなど各種イベントの発⽣頻度、所要時間など各種情報を、センターに⾃動送信する仕様になっています。この集積データを解析すれば、どんな機器が、どんな状況、どの程度の過酷さで使われたとき、故障が起きやすくなるか、その傾向がある程度わかると期待できます。次に「店舗の属性」。これは店舗の⽴地、売り上げなどの情報です。たとえば「⽇販いくら以上になると故障が起きやすい」「海のそばの店舗は故障が起きやすい」などの傾向がわかるかもしれません。最後に「外部要因」。これは季節、天気、温度、湿度、周辺地域のイベント情報などです。先に挙げた「機器情報」「店舗属性情報」と組み合わせて分析することにより、新たな知⾒が得られると期待できます。

この「予防保守」は簡単には実現しない難しいテーマであることは⾃覚しています。キーエンスのデータサイエンティストとも相談しながら、⽅法論を模索していきたいと考えています。

⽬的2.「データ分析の社内浸透」

⽬的2.「データ分析を全社的に浸透させること」とは?

コンビニエンスストア業界は、データ分析に、⽐較的、早くから取り組んでいたと思います。POSレジ、カード、アプリ、店舗属性、気温・天候、イベント・交通状況など各種データを分析し、売り上げを最⼤化するための棚構成、仕⼊れ、商品開発を実現しています。こうしたデータ分析は、従来から専⾨の部⾨を置くなどして、⼒を⼊れてきました。

しかし今後、データ分析を必要とする部⾨は、さらに拡⼤されると考えるのが⾃然です。そのためには、極端にいえばWordやExcelと同じように、誰もが「たしなみ」として、データ分析を⽇常的に扱えることが理想です。社内のできるだけ多くの部⾨がデータドリブンで意志決定をしていく、それが私たちの⽬指す「強いIT組織」のあり⽅です。

今回のKIの導⼊では、この「データ分析の考え⽅を、特定部⾨だけでなく会社全体に浸透させていく」ことも、予防保守の実現の先にある将来の期待です。

KIは、まずIT部⾨が先⾏して活⽤していきます。その過程で活⽤⽅法、PDCAを回すノウハウを学び、将来的にはそこで得られたデータ分析の知⾒を徐々に会社全体にも浸透させる、そうした展開を⽬指していきます。

導⼊の経緯

今回、KIを導⼊した経緯を教えてください。

KIは、キーエンスからの働きかけを通じて知りました。上司からは「あの⾼収益で有名なキーエンスのデータ分析ツールなら、話を聞く価値がある。現場で検討してみてほしい」と話がありました。

当時、IT部⾨として「予防保守」がすでに課題にあげられていました。課題解決には、AIやデータ分析が必要であると考えていたため、KIはイメージに合致したツールでした。

さらにKI導⼊は、「データ分析の全社浸透」にも資するツールでもありました。キーエンスの⾼収益の源泉は、徹底したデータ志向の経営であり、KIは、⻑年の活動を通じ確⽴したノウハウをツール化したものであると聞いています。

世の中には「売っているのに、⾃分では使わないITソリューション」が多くあります。⼀⽅、KIは⾃社の悩みを解決するために作った「地に⾜のついたツール」でした。

KIのもう⼀つの魅⼒は、これを活⽤するとき「キーエンスのデータサイエンティストが伴⾛してくれること」でした。その過程でキーエンスのノウハウを、⾃社の課題を解決しながら、具体的に吸収できます。この「伴⾛⽀援の価値」も、KI導⼊の決め⼿の⼀つでした。

個⼈的な話で恐縮ですが、私⾃⾝はこの話を聞いたとき「⾃分を成⻑させる絶好のチャンスだ」と感じました。今回のデータ分析は私を含め数名でスタートします。⼈選の際は「新しい試みに積極的であること」を条件としました。まずこの数名が、データ分析のノウハウを吸収していきます。

今後の展開

今後の展開を教えてください。

当⾯、予防保守に活⽤しますが、今後、他の課題解決にも横展開していけたらと考えています。データサイエンティストと共に課題を解決することで、キーエンスのノウハウをできるだけ多く吸収していきたいです。データ分析で会社に成果をもたらし、かつ、関わる⼈材も成⻑する、そんな好循環を実現していきます。キーエンスの⼿厚いサポートに期待します。今後ともよろしくお願いします。

株式会社ローソン

「KIの活⽤を通じて、キーエンスのデータ分析ノウハウを吸収していきます」

3分でわかる「KI商品紹介資料」

KI(データ分析ソフトウェア)の商品概要、特長、活用事例などをまとめた資料です。

無料データ活用ウェビナー/セミナー

過去累計60,000人以上が参加!
ビジネスのデータ活用に関するお役立ち情報や、 キーエンスのノウハウを幅広くご提供。ぜひお申し込みください。